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【第9回】浜先秀彰の絶対的カーグッズ!:四半世紀を超えて愛される『楽ナビ』進化の軌跡

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【第9回】浜先秀彰の絶対的カーグッズ!:四半世紀を超えて愛される『楽ナビ』進化の軌跡

高嶺の花のカーナビをより身近に

カロッツェリアのスタンダードシリーズとなるカーナビが『楽ナビ』です。ベストセラーといえるほど支持されているだけに、読者の皆さんの中にも現ユーザー、元ユーザーという方は少なくないのでは? つい先日にも、2025年モデルがリリースされたばかりです。今回はそんな『楽ナビ』の歴史について振り返ってみたいと思います。

【画像】パイオニア『楽ナビ』の懐かしい機種はこちら 全2枚

カロッツェリアが1990年に世界初の市販GPSカーナビをリリース。その後はさまざまなカーAVメーカー、家電メーカーが続々と市場に参入し、1990年代中盤以降は10社以上が高機能化を競って新製品を投入する『カーナビ戦国時代』となっていきました。

カロッツェリアでも1997年、当時の新メディアであったDVDを他社に先駆けてカーナビに搭載し、『サイバーナビ』と名付けたハイグレードシリーズを誕生させます。

しかし、カーナビは高性能になるほど操作が複雑になり、価格もグングンと高くなっていきました。一般ユーザーにとっては手を出しにくいマニアックな存在となりつつあったのです。

もちろん技術的な進化は必要なのですが、一方でパイオニアは「今後カーナビはカーライフに欠かせないアイテムになるのだから、もっと多くの人に向けた商品にならなくてはいけない」と考えていました。そしてサイバーナビとはまったく方向性の違うファミリー層を意識した『楽に使える』、『楽しいカーライフ』をコンセプトとした第二のシリーズ、『楽ナビ』を1998年に誕生させたのです。

進化の過程には試行錯誤もあり

楽ナビ初代モデルとなったのは『AVIC-500』で、価格は18万8000円。今のカーナビから考えれば高価に感じるかもしれませんが、当時の上級モデルに比べれば4~5万円程度安い設定です。

上級であるサイバーナビの多くの機能の中から、楽ナビに向いている機能を抽出し、『ボイスコントロール』や『高性能CPU』、『詳細市街地図』などを搭載。

ただし、本体サイズが大きかったり、画面はワイド(横長)ではなく4:3の比率だったりと、コストダウンのためにガマンする部分もありました。

機能面では、起動すると最初に「どちらまで行きますか?」とカーナビが問いかけてくる画期的な仕掛けもありましたが、思うように人気を得られず、1年後には早くも改良を施した『AVIC-520』がデビューすることになります。

このとき新たに導入されたのが、リモコンに装備された『お出かけボタン』で、とりあえず押せば使い始められるため、操作がより簡単でわかりやすくなりました。これ以降、楽ナビの象徴的な機能となります。

さらに、画面サイズは一般的なワイド比率(ただしサイズはやや小さめの6.5インチ)へと変更。これらの改良が功を奏して、この2代目モデルからユーザーを着実に獲得していきます。

その後、2001年には、ナビデータを充実させるためにメディアをDVD化しながらも、価格を15~17万円程度に値下げして、コストパフォーマンスを一段と向上させた『AVIC-DR2000』がデビュー。岸谷五朗さんをテレビCMに起用した効果も相まって大ヒットを記録し、人気を不動のものとします。

さらに2003年には、ファミリー層のニーズに合わせて後席モニターのキッズモニを付属したモデル、2004年には、市場のトレンドに合わせてAV一体型モデルも選べるようになりました。

誕生時のコンセプトは今も揺るがず

そして新たな展開を見せるのが2005年です。上級のサイバーナビは2001年にメディアをDVDからHDDへと変更しましたが、楽ナビは遅れること4年でHDD化を果たします。地図データがより充実したことに加え、音楽CDのデータをHDDに録音できるミュージックサーバーなども備えていました。

次に大きく変わったのが2008年で、新バリエーションの『楽ナビLite』が新登場。データ容量が少ないフラッシュメモリーをメディアに使ったり、画面サイズが5.8インチと小さいなど低スペックではあるものの、そのぶん価格は9万円前後と低価格化。ファミリー層向けというよりはセカンドカー向けといったイメージです。

その後、メディアはフラッシュメモリーがメインになっていき、一段と高機能化が進んでいきます。当然ながら楽ナビは『使いやすさへの挑戦』も並行して続け、2012年には本体の前で手を振るだけでスケール切り替えや音量調整などの操作ができるジェスチャーコマンドを新搭載。走りながらでも手元を見ず安全に扱えるのが売りでした。

また、この頃はポータブルナビのニーズも多く、楽ナビの機能をコンパクトなワンボディに納めたポータブル型も数機種ラインナップされています。

今から10年ほど前の時点で、現在でも通用するほどの能力を備えていた楽ナビですが、ライバルに先んじて積極的に通信機能を取り入れたり、大画面モデルへのバリエーション拡大、ディスプレイの高画質化など、ユーザーのニーズにきめ細かく対応して随所に磨きをかけていきました。

もちろん時代の流れに合わせてスマホとの連携も強化していき、最新モデルについてはApple CarPlayやAndroid Autoの利用もできます。

このように楽ナビはデビュー当初からのコンセプトを曲げることなく進化を続けてきました。今後も多くのユーザーを満足させるコスパ抜群のモデルに期待できるでしょう。

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