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【現実世界で使えるかどうか】スバル次世代アイサイト 本当に使えるのか? 疑似交差点で体験してみた

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【現実世界で使えるかどうか】スバル次世代アイサイト 本当に使えるのか? 疑似交差点で体験してみた

スバルの次世代アイサイトとは何か?

text:Kenji Momota(桃田健史)

【画像】見分けつく? 新旧レヴォーグの違い【比べる】 全212枚

新型「レヴォーグ」から採用される、次世代アイサイト。

その実力については、2020年8月のレポートでは、高速道路を想定したアイサイトX実体験の模様をお伝えした。

今回は、交差点など市街地を想定して体験だ。その模様を詳しくご紹介したい。

まず、次世代アイサイトとアイサイトXの違いについて触れておきたい。

スバルは、予防安全技術に関する技術として、2008年からアイサイトという名称を採用している。その後、性能の向上に伴い、バージョン2、さらに現行車ではバージョン3に進化した。

ハードウェアとしては、日立オートモーティブシステムズ製で2つのカメラを人間の目のようにして使う、ステレオカメラ方式を用いてきた。

一方、次世代アイサイトはアイサイトバージョン4ではなく、ハードウェアやソフトウェアなどを刷新した、まったく新しいモノだ。これまでスバルが蓄積してきた、様々なノウハウを活かしつつも、モノ自体が違うのだ。

スウェーデンのヴィオニア製となり、カメラのイメージセンサーや画像認識に関する半導体などはアメリカ製だ。

車内の装着位置はこれまでのアイサイトと同じだが、モノとしてはひと回り小さくなっており、視界をあまり妨げない。

次世代アイサイトは、新型レヴォーグでは全グレードで標準装備となる。

次世代アイサイトどんな時に役立つ?

一方、アイサイトXはプラス35万円のオプション設定。高速道路で三次元地図とGPSから情報を照らし合わせる。

機能としては、料金所付近での自動的に減速し、高速コーナーでも安全な速度まで減速する。また、渋滞時を想定して約50km/h以下でハンズオフ走行が可能。前車が動き出すまでハンズオフ状態で自動停止を続けて、前車が動くと自動的に発車する。

では、市街地での性能はどうか?

キーポイントは、ステレオカメラの性能向上と、新たに加わった前方向けのミリ波レーダーである。

現行アイサイトでは、斜め後方から接近するクルマに対して、ドライバーにアラートを出すために、車両後部の両サイドに周波数帯域24GHzのミリ波レーダーを装着している。

次世代アイサイトでもこの機能を継承した上で、車体前部の両サイドに検知精度が高い周波数帯域77GHzのミリ波レーダーを採用した。

では、シチュエーション別に見てみる。

交差点では、大きく3つのケースがある。

1つめは、右折時での対向車の検知。自車速度が1km/hから約20km/hで作動。

2つめは、右左折時の歩行者の検知。自車速度が10km/hから約20km/h以下で作動。

3つめは、目の前を自転車が横切った場合の検知。自車速度が約20km/kmから60km/h以下で作動。

これらすべて、旧型比で2倍に広角化したステレオカメラのみで対応する。

実体験 出会い頭の事故防止の重要性

もう1つが、一般的に出会い頭の事故例が多い、見通しの悪い信号機のない交差点での対応だ。

ここで斜め前方向けのミリ波レーダーが効く。

自車速度約60km/h以下で、車内に警報が鳴り、自車速度約20km/h以下で衝突被害軽減ブレーキが作動する。

つまり、ステレオカメラを広角化してもカバーしきれない、自車の進行方向に対して真横の領域について、ミリ波レーダーで対応する。

この機能をスバルは、前側方プリクラッシュブレーキ・前側方警戒アシストと呼ぶ。

では、実車で体験してみると、どう感じるのか?

スバルが用意した疑似的な、信号機のない見通しの悪い交差点で、新型レヴォーグの助手席に乗車した。

停止状態から、時速10km/h程度でジワジワと交差点に差し掛かると、交差する道の左からクルマが接近。このスピードだと、警報が鳴ってすぐにブレーキがかかった。

ほっとして、右折しようと思うと、横断歩道に歩行者の姿。ステレオカメラが作動しブレーキをかけ、歩行者との衝突を無事回避した。

筆者自身の日常生活と照らし合わせてみて、確かにこうしたシチュエーションは十分に想定でき、改めて次世代アイサイトの実力に感謝した。

現実で「本当に使える」先進安全技術

同乗走行の後、ダミー障害物に対する衝突被害軽減ブレーキ作動の模様を見学した。

接近速度は約70km/hと、一般道路ではかなり高速である。アイサイトバージョン3では約60km/h想定だったが、さらに高性能化した。

背景にあるのは、ステレオカメラが刷新されてことに加えて、電動ブレーキブースターの採用がある。

次世代アイサイトからの制御指令に対するブレーキ開始までの時間が短くなり、結果としてより高い速度からでも衝突を回避できるようになったのだ。

今回の体験でも、また8月のアイサイトXの体験でも、共通しているのは「リアルワールド」という点だ。

スバルは次世代アイサイトの開発の狙いを「リアルワールドで安心して『本当に使える』先進安全技術」だと強調する。

90年代から先進安全技術の開発を地道に進めてきたスバル。2010年代になり、世界各国で自動運転の実証試験や、高度運転支援システム(ADAS)の量産化が進む中、スバルとしては、一貫してリアルワールドでの使い勝手を最優先している。

リアルワールドで、どのような状況で事故が起こっていて、そうした事故を可能な限り回避するために、大手メーカーと比べると開発投資に制約があっても、スバルとして何かできるのか?

そうした毎日の小さな努力の積み重ねが、次世代アイサイトの精度を上げている。

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