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BMW Z4/気になる中古車【試乗判定】

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BMW Z4/気になる中古車【試乗判定】

車のニュース [2022.09.05 UP]


BMW Z4/気になる中古車【試乗判定】

GMジャパン キャデラック120周年記念サイト開設 足跡振り返る

2019年 BMW Z4 sDrive20i
文●竹岡 圭、ユニット・コンパス 写真●ユニット・コンパス
※中古車参考価格はすべてグーネット2022年8月調べ。
(掲載されている内容はグーワールド本誌2022年10月号の内容です)
※ナンバープレートはすべて、はめ込み合成です。

一般ユーザーが乗っている使用過程車をテストすることで、新車ではわからない実力をチェックするのがこのコーナー。売れ線中古車の本当のトコロを厳しい目線でインプレッション! 果たしてその結果やいかに!?


member Profile
自動車ジャーナリスト【竹岡 圭】

カーライフのサポーターとしてTVやラジオなどでもおなじみの人気自動車ジャーナリスト。全日本ラリーにも参戦経験を持つ。2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。


日独共同プロジェクトで復活した2シーターオープン

BMWの走りを堪能できる2シーターオープンカー
編集部●気になる中古車を実際に試乗することで、その実力をチェックしようというのがこのコーナー。今回はBMWが誇る2シーターオープンであるZ4の登場です。お借りした車両は2L直4ツインパワーターボの「sDrive20i」で、走行距離は約4万2000kmです。
竹岡●うわ、けっこう走ってるねー、でも、それだけ運転したくなるクルマってことだよね。
編集部●オープンカーということを考えれば、かなり走り込んでいる車両かもしれません。それだけ中古車としてリアルなサンプルになるかと。
竹岡●気がついたらZ4もずいぶん
長く売られているよね。
編集部●はい。前身ともいえるZ3のデビューは1995年、Z4は初代が2002年ですから、ちょうど20年になります。この初代が2008年までつくられて、リトラクタブルハードトップが採用された2代目が2009年から2016年まで、そして今回試乗いただく3代目が2019年に登場しました。
竹岡●Z3が出たときは話題になったよね。映画「007」でボンドカーにも使われたし。私はあの気軽な感じがすごく気に入ったんだよね。ドラポジはすごく取りづらかったけど(笑)。それがZ4になってクルマの完成度が一気に高くなったことを思い出した。ドラポジの違和感も解決したし、いいクルマになったなぁと。
編集部●たしかにZ4はその後、高級車路線に進化しました。ルーフもメタルトップになって、装備もかなり充実しました。
竹岡●そうそう、SLKとかメタルルーフが流行った時期があったあった! それで2代目Z4はいいクルマになったんだけど、Z3のときに感じた身近な雰囲気がちょっとなくなってきて、そこは少し残念だった。
編集部●そういった意味では現行型Z4はソフトトップになって、Z3に近いカジュアルな魅力が戻ってきたように思えます。わずか10秒ほどで開閉できますし、時速50km以下であれば走行中にも作動します。
竹岡●現行型Z4に初めて乗ったのが高性能モデルのM40iだったから、そのときは「気楽に乗れるレベルを超えたすごく速いクルマ」っていうイメージだったけど、今日の試乗車は2L直4ターボの「sDrive20i」でしょ。だから楽しみにしてたんだよね。
編集部●はい。そんな現行型Z4のグレード構成ですが、非常にシンプルです。2L直4ツインパワーターボの「sDrive20i」(スタンダード/スポーツライン/Mスポーツ)と3L直6ツインパワーターボの「M40i」となっていて、デビュー当初は、トヨタスープラとの共同開発も話題になりました。
竹岡●日本とドイツのメーカーがコラボでスポーツカーを作る時代がくるなんて想像もしなかったな。スープラはかなりポルシェを意識していたっていうから、当然Z4も速さにも妥協はなしと。オープンカーとしてのカジュアルさとスポーツカーとしての性能も両方できてしまうのは、さすがBMWって感じ。
編集部●「M40i」はニュルブルクリンクの北コースを7分55秒で走り抜いたそうです。ではそろそろ、試乗に向かいましょう。

「オープンカーとして気軽に付き合える感覚が現行型Z4の大きな魅力」


DETAIL CHECK

BMWが持つ走りの世界を高い純度で楽しめる
編集部●さて、試乗から戻ってきましたので感想をお願いします。
竹岡●楽しかった! スポーティなんだけど、ちょっと緩いというか、カジュアルな雰囲気が漂っていて、すごく好きなタイプ。「M40i」はサスペンションも硬くて、ステアリングをしっかり握っていないといけないような真剣なムードだったけど、この「sDrive20i」はもっとリラックスして乗れる。それこそ街中では日常の足にできて、ドライブモードを「スポーツ」に切り替えたらスポーティにも走れる。まさにBMWの「駆け抜ける歓び」を味わえるクルマだと思うよ。
編集部●そうでしたね。試乗してみて、走行距離が伸びていた理由がよくわかりました。非常に乗りやすいですし、運転が本当に楽しい。オープンカーは魅力的ですね。
竹岡●普段からあまりオープンにすることはないかもしれないけど、風に包まれる気持ちよさは、普通のクーペでは味わえないもんね。ところで、現行型Z4の中古車相場はどんな感じなのかな。
編集部●2019年デビューという部分と、オープンスポーツカーというキャラクター性から物件数は多くないです。価格も一部がようやく400万円を切るくらいで、400万円後半が中心です。
竹岡●もうちょっと安いとうれしいんだけど(笑)、まあしょうがないか。
編集部●おそらく今後相場が大きく下がることは期待できないので、コンディションのいいクルマを今のうちに楽しむことをオススメします。
竹岡●それはそのとおり。なにより満足度の高さは折り紙付きです。


ドライバーの集中力を妨げない位置に操作スイッチがある
 ドライバー・オリエンテッドな運転席まわりは、BMWの哲学が息づくもの。また、10.25インチのコントロール・ディスプレイには、「BMW インテリジェント・パーソナル・アシスタント」も標準装着。音声会話で車両の操作ができる。


狭くても、広すぎてもダメ!Z4は適度な空間が心地いい
 狭すぎず、広すぎないインテリアは、クローズ時でも快適な時間を約束してくれる。また、シートはサイドサポートがしっかりしたスポーツ寄りの形状となる。写真の赤いレザーは、2シーターオープンによく似合っている。


大人2名で小旅行可能!実用的なトランクルーム
 ソフトトップを採用したことにより、トランク容量はオープン/クローズ時ともに281Lを確保している。ちなみに、ソフトトップは、走行時(時速50km以下)も10秒でオープン/クローズすることができる。


最大トルクは1450回転から!日常使いにも優れたエンジン
 試乗車の「sDrive20i」は、BMWの名に恥じぬスポーティな走りと高い経済性を両立した新世代エンジン。197馬力のパワーを、優れた制御の8速ATと組み合わせて、どの速度域からでも不満のない走りをみせる。


試乗判定レビュー

※各項目に対して10点満点評価。 ※ナンバープレートは、はめ込み合成です。

竹岡 圭

ポジショニング[10点]
 2シーターのロードスターとなると、なかなかユーザーを選ぶクルマではありますが、やはりこういう趣味性の高いクルマがあってこそ、ブランドとしても楽しみが増すような気がします。なかなかありそうでないクラス感ですし、ある意味「駆け抜ける歓び」を体現したBMWらしい1台なんですよね。トヨタとの協業という取り組みもユニークです。


装備[9点]
 スペース的にも限られたなかでの装備なので、必要にして十分という感じではありますが、パッケージング力はなかなかのもので、実際のボディサイズや外からの見た目よりも、広くて使いやすいように感じられます。ドライバーオリエンテッドのBMWらしいコックピットスタイルの室内は、座っただけでその気にさせてくれるのもいいところですよね。


走り[10点]
 あえてこのグレードが乗りやすい!と改めて思わせてくれました。日常をスポイルしないんですよね。もっとスパルタンなものもありますが、このちょっとネクタイを緩めたくらいの感じが心地イイんです。ディメンション的にもかなり特殊なスタイルなので、限界を超えたらピーキーな顔も見せそうですが、その限界点はかなり高めなので本気の方もOK。


グーワールド 編集部

ポジショニング[10点]
 マツダ ロードスターが作り上げた現代的な2シーターオープンというジャンルをBMW流に解釈したのがZ4というクルマ。内外装デザインの仕立ても、まさに大人のためのスポーツカーといったおしゃれな仕立てで、老若男女を問わず乗り手を素敵に演出してくれます。ルーフの耐候性も高いので、普段はクーペ感覚でプライバシーも守れます。


装備[9点]
 自動ブレーキといったドライビングアシストや駐車をサポートするパーキング・アシスト、「OK BMW」で起動するボイスコントロール対応のインテリジェント・パーソナル・アシスタントを搭載。スポーツカーであってもBMWに期待する装備はすべて標準装備しています。ソフトトップがわずか10秒ほどで開閉可能なのも、使い勝手がとてもいいですね。


走り[10点]
 スポーツカーであっても、つねに肩に力を入れて運転したいときばかりではありません。そんなときにもZ4は運転していて楽しめます。オープンカーは構造的にクーペよりもカッチリ感では劣ってしまうのですが、それが決して嫌な感じではなく、心地よさにつながっているのです。特に今回試乗した「sDrive20i」は、スイートスポットが広い印象でした。


[BMW M40i]プレミアム・オープン・スポーツらしいパワフルなレスポンス
 197馬力の「sDrive 20i」でも十分スポーティな走りを実感できるが、340馬力の「M40i」の切れ味鋭い走りは、いちど味わうと癖になる。ハイパワーをアダプティブ Mスポーツサスペンションがしなやかに路面に伝える感じが最高だ。


Mシリーズらしく、よりスポーティな雰囲気となる「M40i」。ホイールごしにちらりと見えるブルーの大径キャリパーもそのパフォーマンスを表している。
BMW Z4の主要変遷やスペック情報はこちら

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