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大阪と世界遺産の高野山を結ぶ南海特急「こうや」はどうして車両が短い!? 人気の“レトロ特急”が「じつは高性能過ぎる」理由とは

掲載 更新 14
大阪と世界遺産の高野山を結ぶ南海特急「こうや」はどうして車両が短い!?  人気の“レトロ特急”が「じつは高性能過ぎる」理由とは

世界遺産・高野山の麓「極楽橋駅」までおよそ1時間半の旅

 大阪・ミナミの中心に位置する「難波駅」をターミナルとし、大阪府南部から和歌山県方面まで広がる路線網を展開している私鉄が南海電鉄です。

【画像】カッコよすぎ!人気の南海特急「こうや」を写真で見る(34枚)

 その南海電鉄の路線のひとつで、和歌山県の「極楽橋駅」まで運行しているのが高野線です。

 極楽橋駅は、平安時代に弘法大師(空海)が開いた高野山への玄関口にあたる駅として知られています。

 南海電鉄では、難波駅と極楽橋駅を結ぶ特急「こうや」を運行しており、平日は4往復、土曜・休日は最大8往復が設定され、高野山を訪れる観光客の足となっています。

 列車は4両編成で、座席はすべて指定席となっています。難波駅から極楽橋駅までの所要時間は列車によって多少異なりますが、おおよそ1時間20分ほどです。

 さらに極楽橋駅からは「高野山ケーブル」が接続しており、終点の高野山駅までを結んでいます。そのため、難波駅から高野山駅まではおよそ1時間40分で到達することができます。

 ところで、この特急「こうや」に使用されている車両は、JRや都市部の私鉄で一般的な20m級車ではなく、やや短い17m級車となっています。一般的には車両が長くなればその分定員も増え、輸送力の向上につながるとされています。

 それにもかかわらず、なぜ南海電鉄は17m級車を採用しているのでしょうか。

 その理由は、高野線の地形条件にあります。

 高野線で本格的な山岳区間が始まる高野下駅から終点の極楽橋駅までの直線距離は約4.5kmですが、その標高差は400m以上に及びます。これは鉄道にとって非常に厳しい条件であり、この高低差を克服するため、高野線は不動谷川に沿う形で西側へ大きく迂回するルートをとっています。

 しかし、この渓谷沿いの区間には半径100m以下という急カーブが連続しています。20m級の車両ではこうしたカーブを通過するのが難しいため、より曲線通過性能に優れた17m級車が採用されているのです。

 とはいえ、この区間は急カーブだけでなく勾配も厳しく、最大勾配は50パーミル(水平距離1000mで50mの高低差)に達します。これは日本の一般的な鉄道の中でも屈指の急勾配といえます。

 こうした急勾配を克服するため、特急「こうや」は4両すべてが電動車となる編成が採用されています。

 なお、現在この列車に使用されている車両は、1983年に運用を開始した30000系と、1999年に登場した31000系です。これらの車両は長く活躍を続けており、“南海電鉄は古い車両が多い”というイメージを形作る一因にもなっています

 ただし、そのレトロな見た目とは裏腹に、パワフルで高性能ということもあり、世界遺産となる高野山に行く外国人観光客にも人気となっています。

実際に乗ってみるとどう? 4月に登場する新観光列車「グラン天空」とは

 実際に特急「こうや」30000系に乗ってみました。

 登場から40年以上経っていることもあり、デザインは昭和の雰囲気を漂わせます。角目ヘッドライトや直線的なボディラインは、なにかハイソカーブームのときに圧倒的な人気を誇った「マークII三兄弟(マークII、チェイサー、クレスタ)」なんかと共通するものを感じます。

 デッキにあるプレートを見ると、この車両は昭和58年製(1983年製)とのこと。ちょうど5代目マークII三兄弟が登場した時期(1984年)と時代が被って、古い「のりもの好き」としてはなんか楽しくなってきます。

 特急こうやの座席シートは何度も新しくされているようで、きれいな状態を保っています。窓も大きく、大阪市街の都会から山へ向かう景色の移り変わりを楽しめます。また先頭の1号車に座席を予約したので、ちょっと背を伸ばせば前面の展望も心躍らせます。

 乗客には欧米系の外国人も多く、高野山という世界遺産の人気ぶりがわかります。春休みシーズンでしたが、平日だったこともあり日本人の姿は少なめに感じました。
 
 難波駅を出発しておよそ50分、橋本駅に到着。ここから山岳地帯に入っていきます。

 列車はキーキーという金属音を立てながら、曲率の小さいカーブを曲がり、上っていきます。勾配のキツさは座席に座っているだけでもわかるほど。特急という言葉でイメージするスピード感ではありませんが、単線のため途中駅で普通列車を待たせている姿は、なんか優越感に浸ることができます。
 
 そんな山岳路線を35分ほどかけて、極楽橋駅に到着しました。そこから高野山ケーブルに乗り高野山駅で降り、その後はバスで金剛峯寺など多くの寺院が並ぶ高野山内に向かいます。南海では、主要駅から高野山駅までの電車奥行く乗車券、それに高野山内のバス2日間フリー乗車券がセットになったお得な「高野山・世界遺産きっぷ」も販売しているので、それを使うと便利にオトクに観光することができます。

※ ※ ※

 この高野線には、まもなく新しい観光列車が登場します。それは「GRAN天空(グランてんくう)」で、2026年4月24日から運行を開始、4月1日10時から特急券が販売されます。

 グラン天空は、特急こうやと同じく難波と極楽橋をおよそ1時間半で結ぶ観光列車で、毎週水曜と第2・第4木曜日を除いて毎日運行、1日2往復走ります。

 座席のタイプはリラックスシートとワイドビューシートのほか、一緒に食事も楽しめるグランシート/グランシートプラスというソファー席までも用意します。特急料金はすでに発表されており、なんばから極楽橋は大人1700円です。

 また食事+フリードリンク付きのグランシートは、モーニング・アフタヌーンティー付きのグラン天空1・4号が大人1名1万1230円、グランシートプラスが1万1980円、ランチ付きのグラン天空2・3号のグランシートは1万3430円、グランシートプラスが1万4180円となっています。またワンドリンク付きの場合はグランシートが大人1名5510円、グランシートプラスは6260円です。

 難波駅では、グラン天空のためだけにしつらえた「0番のりば」を用意、旅の始まりを演出するといいます。(VAGUE編集部)

文:VAGUE VAGUE編集部

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みんなのコメント

14件
  • doa********
    記事中にもあるように「高野山・世界遺産きっぷ」を買った方が、金剛峯寺や奥の院まで行くには便利です。
    これを知らないと、追加料金ばかり払わせられてる気分になりますw
  • tet********
    ズームカーですね…
    古いズームカーは大井川鉄道で、通勤ズームは銚子電鉄で見られますね。初代天空も銚電で買い取ってくれないかな…観光列車として。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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