ホイールベースは3008から170mmプラス
4桁数字を車名とするプジョーは、いまではSUVということになっている。でも、かつてはそうではなかった。
【画像】各部にフランス車らしさあり!3列シートSUV『プジョー5008』 全38枚
1007は電動スライドドアを持つシティコミューターだったし、ここで紹介する5008の初代は、当時のシトロエンC4ピカソとプラットフォームやパワートレインを共有するミニバンだった。当時ミニバンは、背の高いボディ全般を指していた記憶がある。
しかし3008と2008がSUVとして登場し、5008も2代目でその流れに乗るように、3008をストレッチした7人乗りになった。この判断はマーケット的にはマルだったようで、通算3代目となる新型も3列シートのSUVになっている。
そんな5008が今年1月の東京オートサロンで日本初公開され、2月20日に発売開始となった。
新型のボディサイズは全長4810mm、全幅1895mm、全高1735mmと、先代より170mm長く、55mm幅広く、85mm高くなっている。2900mmのホイールベースは60mm伸びた。
これを3008と比較すると、全幅は同じだが、全長は245mm、全高は70mm、ホイールベースは170mmプラスしている。先代5008と3008のホイールベースの差もこのぐらいだったが、長さと高さはここまで伸びてはいない。
キャビンに余裕を持たせるとともに、クーペSUVっぽくなった3008との性格分けを明確にしたいという意志が、全長と全高の大幅拡大から伝わってくる。
自然になったプロポーション
スタイリングは、フロントドアまでは3008とほぼ同じ。リアも高い位置に置かれたコンビランプ、その下のフラットなパネルなど、3008に近い。3008ではグラスエリアが小さく、腰高に感じたけれど、5008はバランスが取れている。
ボディサイドは、ルーフをリアまでほぼまっすぐに伸ばし、ルーフレールを加えつつ、サイドウインドウ上端のモール後端をスロープさせて、立ち気味のリアウインドウをカモフラージュしている。
いずれも先代譲りのテクニックだが、リアオーバーハングが長くなったことで、プロポーションは自然になった。先代とは逆に、3008より5008のほうが、バランスが取れていると感じるほど。
個人的には5で始まるプジョーの先輩、504や505に用意されていたロングホイールベースの3列シートワゴンを思い出した。スマートなプロポーションだけでなく、この2台のホイールベースが2900mmだったためもある。
キャビンも前席まわりは3008と共通。相変わらずモダンでクールだ。2列目シートは4:2:4の3分割で、それぞれスライドとリクライニング、背もたれの前倒しができる。
2列目シートはやや座面が小ぶりに思えたものの、もちろんスペースは3008より広い。しかもドアは大きく開くので乗り降りしやすく、サイドウインドウが前後に長いので眺めも良いうえに、エアコンのコントローラーやロールアップ式サンシェードを用意するなど、装備も充実している。
昔のプジョー205などを思い出す動き
3列目シートへのアクセスは、2列目が前にスライドしつつ背もたれが前に倒れる一般的なウォークインではなく、スライドしながらシート全体が前に持ち上がるというアクションになる。昔のフィアット500やプジョー205などを思い出す動きだ。
広さは2列目のスライドを少し前にすれば、身長170cmの僕なら問題なく座れるけれど、フロアが高めなので短時間向け。長旅を3列でこなす人は、同じプジョーのミニバン、リフター・ロングにしたほうが良いだろう。
むしろワンタッチでフラットに畳め、約748Lもの荷室容量が確保できることを知ると、ステーションワゴンとして考えたほうが良いかも、と思うようになった。
パワートレインは1.2L直列3気筒ガソリンターボエンジンに、モーターを内蔵した6速DCTを組み合わせたハイブリッドシステムで、3008と共通。ステランティスではお馴染みのユニットである。
気になるのは、長くなったボディにより車重が1740kgもあること。ちゃんと走るのか? という不安もあった。でも実際は問題なし。
勢いよく加速する時はエンジンを回し気味になるけれど、モーターのアシストが効いているのだろう、不満はなかった。小さなエンジンで大きなボディを走らせるのは、かつてのフランス車のお家芸だったし、ギアの数が6つというのもステップアップがわかりやすく、走らせている実感がある。
乗り心地はしっとりして、静粛性も高い
新世代のSTLAプラットフォームを採用しているだけあって、乗り心地はしっとりしていて、静粛性も高い。とはいえ3008も快適性のレベルは高いので、この面では大きな差は感じなかった。
一方で長さが手に取るようにわかるのがハンドリング。ターンインは小径ステアリングによる俊敏さが味わえるのだが、その後はリアタイヤが遠くにあることがはっきりわかる動きで、後ろがゆったりついてくるような感触なのだ。
ブランドを問わずロングホイールベースを特徴としていた、かつてのフランス車を思わせる身のこなしでもあり、昔からこの国のクルマに親しんできた人であれば、好感を抱くはず。
高速クルージングでも、ロングホイールベースは直進安定性をさらに素晴らしいレベルにしている。でも小径ステアリングの反応はリニアなので、プジョーらしい操る楽しさはしっかり堪能できる。
自分のライフスタイルを考えれば、相応しいのは3008のほうだけれど、伸びやかなプロポーションとゆったりした走りのリズムに魅せられて、5008を選んでしまいたくなりそうだ。
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