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いいクルマだったのに…トヨタ・ポルテ/スペイドが12月上旬で生産終了する理由

トヨタは販売チャンネルと同時に車種整理も進めている

少子化が進む日本社会。クルマ離れマインドがどうであろうと、自動車市場がシュリンクすることは確実です。生き残りを賭け、トヨタは販売チャネルの統合を実施、どの系列のディーラーであってもすべてのトヨタ車が買えるようになりました。それに合わせて車種整理も進んでいます。

その一つとして、「ポルテ/スペイド」の生産終了が発表されました。

助手席側がスライドドアの左右非対称ボディが特徴

もともとは「ポルテ」として2004年に誕生したモデルで、ユニバーサルデザインを考えた一台でした。「スペイド」は2012年にポルテがフルモデルチェンジした際に誕生した姉妹車です。初代、二代目とも1.3L・1.5Lエンジンを積むコンパクトカーですが、なんといっても特徴的なのは助手席側が大型の電動スライドドアになっていること。運転席はヒンジドアなので左右非対称ボディというわけです。

この大きなスライドドアと低床フロア設計により乗降性は非常によく、また助手席を格納できるなど車内での移動がしやすいパッケージとなっています。たとえば、子育て世代において乳児を抱きかかえながらスライドドア側から乗り込み、後席のチャイルドシートに座らせ、そのまま運転席に座るといった動線が可能で、こんなことは他のクルマでは不可能でした。初代ポルテが登場したときの、その独特の使い勝手は衝撃だったのです。

さらに大きな開口部と低床フロアという要素は高齢者にもやさしい作りといえ、全長4m足らずのコンパクトカーながら福祉車両的な用途としても活用されるオンリーワンの価値を持つクルマでした。いえ、そのパッケージングがもつ価値はいまでも十分に輝いています。では、なぜゆえに生産終了となってしまったのでしょうか。

軽自動車やルーミー、ソリオなど強力なライバルが出現

ポルテの登場により後席から運転席へ移動できることのメリットを市場が認識するとライバルも多数登場します。たとえばスーパーハイトワゴン軽自動車。「ホンダN-BOX」は助手席のロングスライドを実現することで、ポルテによって知られるようになった「助手席側のスライドドアから乗り込み、そのまま運転席に座る」という動線を可能にしました。N-BOXのライバルである「ダイハツ タント」は運転席をロングスライドさせるという手法により、同様の動線を実現しています。

維持費などの面から軽自動車でも同じような使い勝手が味わえるとなれば、相対的にポルテ/スペイドにとっては不利な状況になります。

また、ポルテのデビュー時には存在していなかったリッターカーのスライドドア車として「トヨタ ルーミー」、「ダイハツ トール」といったモデルが存在していることも、マーケットに影響していることでしょう。

たしかにポルテのパッケージングでしか実現できない価値というのはありますが、より幅広いユーザーに刺さるのはルーミーやトール、またそのライバルとしてフルモデルチェンジしたばかりの「スズキ ソリオ」といった両側スライドドアを持つモデルであることもまた事実です。

市場の縮小がニッチモデルを生産終了に追い込んでいく

自動車マーケティングの世界では、スライドドア世代という言葉が使われることもあります。生まれたときからスライドドア車に乗り続け、両側スライドドアの使い勝手がクルマ選びの最低条件となっているクラスタが増えてきていることも、片側スライドドアでは商品性を失いつつあるのかもしれません。

1.5Lクラスのスライドドア車としてトヨタは「シエンタ」をラインナップしていますから、そこに被るような商品企画もナンセンスです。かくしてポルテ/スペイドは生産終了の憂き目にあうことになりました。

もともとポルテが狙っていたターゲットは限られていたといえます。市場が大きいときにはそれだけでも十分に新型車の開発費がペイできる規模でしたが、シュリンクする日本市場ではりターゲットを絞った商品企画を成立させるのが難しくなっていくのは間違いありません。少子化などによる市場縮小が新車ラインナップに与えるネガティブな影響の一面を、ポルテ/スペイドの生産終了は示唆しているのかもしれません。

文:山本晋也(自動車コミュニケータ・コラムニスト)

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