現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > アラフィフおっさんが心ときめかせた幻のスポーツカー 日産MID4とダイハツX021

ここから本文です

アラフィフおっさんが心ときめかせた幻のスポーツカー 日産MID4とダイハツX021

掲載 更新
アラフィフおっさんが心ときめかせた幻のスポーツカー 日産MID4とダイハツX021

世の中にスポーツカーは数あれど、なかには幻に終わったクルマもあります。けれど、幻に終わったからこそ心に残るというもの。筆者にも、かつて東京モーターショーの煌びやかなステージで魅せられた、忘れられないスポーツカーがあります。ここではそんな幻のスポーツカー3台を紹介します。

日産が本気でつくったミッドシップスポーツカー、MID4

The Japan Origin 日本至高のスポーツカー K-sportsを見逃すな!

 1985年、中学生だった筆者は当時晴海で開催されていた東京モーターショーで、1台のクルマに心奪われました。それが、日産MID4です。ミッドシップの本格スポーツカーというだけでもスゴイことでしたが、このクルマのポイントはMID「4」という名前の通り、4WDを採用していたのがポイントです。今でこそスポーツカーに4WDというのは珍しくありませんが、当時4WDのスポーツカーなんてポルシェ959があったくらい。そうした意味でも、先進性に溢れたスポーツカーでした。

 エンジンは当時Z31のフェアレディZなどに搭載されていた、3.0リッターV6エンジンのVG30をDOHC化したVG30DE。パワーは230psと今でこそ大したものには感じませんが、85年当時は同じVG30のSOHCターボであるVG30ETが230psで国産車最強だった時代。ターボに頼らず、NAで230spをマークするというのはスゴイことでした。

 モーターショーのコンセプトカーはカタチだけの「ハリボテ」であることも少なくありませんが、このMID4は走行可能。秋に富士スピードウェイで行なわれた世界耐久選手権、WEC JAPANでもペースカーをつとめるなど、高い完成度を誇っており、市販も間近いのでは? と噂されていました。

 とにかくMID4の登場は筆者には衝撃的で、帰りに晴海からの水上バスの列に並んでいるときも、友人とMID4について熱く語っていたのを憶えています。当時MID4がどのくらい注目されていたかというと、コンセプトカーでありながらプラモデルが発売されてしまったくらい。もちろん筆者も買ってつくりました。

 このように国内外で注目を集めたMID4ですが、市販化は行なわれなかったもののさらに開発を進め、次回1987年の東京モーターショーで、MID4−IIに進化します。

その後の日産スポーツモデルの礎となったMID4-II

 1987年の東京モーターショーには、さらに洗練された姿でMID4-IIが登場しました。筆者のお目当てももちろんコレで、開場と同時に日産ブースにダッシュして、最前列でかぶりつきながら眺めたものでした。

 スタイルはスーパースポーツカーらしい流麗なフォルムになり、よりスポーツカーとしての完成度を高めたMID4-II。その中身の進化度合いも優れたもので、エンジンは先代MID4のVG30DEをツインターボ化したVG30DETTとなり、パワーは330psにまでアップします。エンジンのマウント方法も先代の横置きから縦置きに変更。サスペンションも前後ストラットから、フロント:ダブルウィッシュボーン、リヤ:マルチリンクへと進化しています。東京モーターショー後には試乗会も行なわれ、当時の自動車雑誌の誌面を賑わせました。当時まだ免許のなかった筆者はその記事を読んで、クルマを運転する感覚すらわからないながらも、妄想を逞しくしたものでした。

 MID4-IIの注目度は先代にも増して高く、これもプラモデル化されました。MID4、MID4-IIのプラモデルは2台とも今でも入手できます。当時の熱狂振りに思いをはせながらつくってみるのもいいのでは。

 このように、いつ市販化されてもおかしくない完成度を見せたMID4-IIですが、結局市販化は見送られることになりました。ですが、完成車という形では世に送り出されなかったものの、エンジンやインパネデザインはZ32フェアレディZに。ステアリングはR32スカイラインに。マルチリンクサスペンションは日産901活動の一環に…というように、MID4-IIのエッセンスはその後の日産車に受け継がれているのです。

 ちなみにMID4びいきであった筆者は、その後発表されたホンダNS-X(発表当時はハイフン入りのNS-X表記でした)を見て「MID4-IIのパ○リじゃん…」などど不埒なことを思ってしまったのは秘密です。

まるでフォーミュラカーのようだったダイハツX021

 時はバブル絶頂期。スポーツカーもGT-RやS13シルビア、RX-7、MR-2、NSXとまさに黄金時代。まわりの友人もFC3SやR32タイプMなどを買い、隣に乗せてもらっては羨ましがっておりました。ただFC3Sのリヤシートに乗ったときだけはカンベンしてくれと思いましたが。

 このころ筆者は夢追い人(世間一般では浪人と呼ぶらしい)でして、クルマを買うなんてとてもとても状態……ですが、1991年の東京モーターショーであるクルマに心を奪われました。

 そのクルマとはダイハツX021。コンパクトなオープン2シータースポーツで、エンジンこそ1.6LのSOHCですがポイントはボディ。軽量なのはもちろん、インボードタイプのサスペンションを採用し、まるでフォーミュラカーのようでした。

 丸目のファニーなルックスに、中身はフォーミュラばりのガチシャシー。このジキルとハイド的な2面性に惚れ込んでしまったのです。その思いが高じて、近所のダイハツディーラーに行き、市販予定はないのか、などと聞いたあげくに、X021が如何に優れたスポーツカーであるかをディーラーマンに対して滔々と語るという、今思うと若気の至りここに極まれりな恥ずかしい行動に出てしまったものでした。

 結局X021も市販化されることはなかったのですが、21世紀になって製作を担当した童夢の倉庫で発見され、レストアして走らせた、というニュースが流れました。あのつくりは童夢だからこそかぁ…などと得心したものです。

 ここまでおっさんの思い出話を語ってしまいましたが、やはりスポーツカーというのはクルマ好きの心を躍らせてしまう何かがあります。この先もそんなスポーツカーの登場をワクワクしながら待ちましょう。

こんな記事も読まれています

あえて今、「マニュアル車」という選択肢! “電動化時代”におけるその存在意義とは
あえて今、「マニュアル車」という選択肢! “電動化時代”におけるその存在意義とは
Merkmal
マツダ「CX-80」を世界初公開! 最上級3列シートの新型SUV、日本での発売はどうなる?
マツダ「CX-80」を世界初公開! 最上級3列シートの新型SUV、日本での発売はどうなる?
くるくら
三菱「新型パジェロ」!? 登場“2026年”か!? 復活待望の「本格SUV」はタフ顔&高級感アゲアゲに? 大胆デザインの予想CG登場
三菱「新型パジェロ」!? 登場“2026年”か!? 復活待望の「本格SUV」はタフ顔&高級感アゲアゲに? 大胆デザインの予想CG登場
くるまのニュース
唯一無二の存在感をレゴで再現 「レゴテクニックKawasaki Ninja H2R」発売
唯一無二の存在感をレゴで再現 「レゴテクニックKawasaki Ninja H2R」発売
バイクのニュース
500%も! akippaがゴールデンウィークの駐車場混雑を予想
500%も! akippaがゴールデンウィークの駐車場混雑を予想
レスポンス
【ブレイズ】電動3輪スクーター「EVデリバリー」が豊橋農業協同組合に導入
【ブレイズ】電動3輪スクーター「EVデリバリー」が豊橋農業協同組合に導入
バイクブロス
ディーゼルは「オワコン」なんかじゃない! 「水素×ディーゼル」もアリのカーボンニュートラルに向けた可能性
ディーゼルは「オワコン」なんかじゃない! 「水素×ディーゼル」もアリのカーボンニュートラルに向けた可能性
WEB CARTOP
ヤマハ、復活へ向けて本腰。MotoGPスペインGP翌日のヘレス公式テストで”ニューマシン”をテストへ
ヤマハ、復活へ向けて本腰。MotoGPスペインGP翌日のヘレス公式テストで”ニューマシン”をテストへ
motorsport.com 日本版
駐車枠の予約に詳細な満空情報! 普段見慣れたSA・PAがもの凄い勢いでいま進化している
駐車枠の予約に詳細な満空情報! 普段見慣れたSA・PAがもの凄い勢いでいま進化している
WEB CARTOP
マツダ「和製スーパーカー」実車公開! 「ロータリー・ミッドシップ」降臨に衝撃! 斬新「RX500」幕張に登場で反響集まる
マツダ「和製スーパーカー」実車公開! 「ロータリー・ミッドシップ」降臨に衝撃! 斬新「RX500」幕張に登場で反響集まる
くるまのニュース
フェラーリF1、マイアミGPでSF-24のカラーリングを変更。2種類のブルーを取り入れたスペシャルバージョンを導入へ
フェラーリF1、マイアミGPでSF-24のカラーリングを変更。2種類のブルーを取り入れたスペシャルバージョンを導入へ
AUTOSPORT web
苦戦から一転。RBリカルド、F1中国GPでは「速さを感じていた」決勝ではあえなくストロール追突でリタイア
苦戦から一転。RBリカルド、F1中国GPでは「速さを感じていた」決勝ではあえなくストロール追突でリタイア
motorsport.com 日本版
カワサキ、2024年限りでWSBKのファクトリー参戦終了。復活するビモータにエンジン供給
カワサキ、2024年限りでWSBKのファクトリー参戦終了。復活するビモータにエンジン供給
motorsport.com 日本版
「岡山環状道路」2024年度延伸へ! 2本の国道結ぶ「南西区間」開通で岡山港方面も便利に
「岡山環状道路」2024年度延伸へ! 2本の国道結ぶ「南西区間」開通で岡山港方面も便利に
乗りものニュース
セゾン自動車火災保険、10月から「SOMPOダイレクト損害保険」へ
セゾン自動車火災保険、10月から「SOMPOダイレクト損害保険」へ
日刊自動車新聞
トヨタが「新ランドスケープ」発売! 685万円のゴツ×アゲな「クロスオーバー」公開! みんなの声は?
トヨタが「新ランドスケープ」発売! 685万円のゴツ×アゲな「クロスオーバー」公開! みんなの声は?
くるまのニュース
Uターン苦手なバイク初心者も大歓迎! ライディングを基礎から学ぶ「ヤマハ バイクレッスン」に、ほぼほぼ初心者ライダーの北向珠タがチャレンジしてみました!!
Uターン苦手なバイク初心者も大歓迎! ライディングを基礎から学ぶ「ヤマハ バイクレッスン」に、ほぼほぼ初心者ライダーの北向珠タがチャレンジしてみました!!
バイクのニュース
“メルセデス・ベンツの大定番”はどう進化? 新型「Eクラスステーションワゴン」公道での印象は? “人気低迷中のワゴン”でも人気が衰えない秘密とは
“メルセデス・ベンツの大定番”はどう進化? 新型「Eクラスステーションワゴン」公道での印象は? “人気低迷中のワゴン”でも人気が衰えない秘密とは
VAGUE

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

539.9920.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.02800.0万円

中古車を検索
フェアレディZの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

539.9920.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.02800.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村