29歳で、中古のフェラーリを購入したGQ JAPANライフスタイル・エディターのイナガキが、ひょんなことから35年落ちのシボレー「コルベット」を増車した! 第1回は、購入経緯を綴る。
2桁ナンバーが欲しい!
俳優・永山絢斗の“ヤングタイマー”探訪記第2部「少年探偵団編」のVol.22──シボレー・タホ(初代)
筆者は熱烈なアメ車ファンではない。コルベットについても情報はちょっとあやふや。年次改良とか細かいアップデートなんて、もちろんよく知らなかった。
その程度の知識と熱量だから、どうしてもコルベットに乗りたい! 絶対にコルベットが欲しい! という熱い思いはなかった。
が、どうしても欲しいクルマはあった。それは“2桁ナンバー”の中古車だ。
ここでいう「桁」とは、ナンバープレートの分類番号(地名のとなりに記載)のことだ。近年は3桁が主流になり、2桁は少なくなっている。調べると、3桁の分類番号は1998年5月から横浜や名古屋などの一部地域でスタートし、1999年5月14日からは、全国に拡大された。この3桁化と同時に、希望番号制も導入された。
つまり、2桁ナンバーのクルマというのは、23年以上前のクルマを意味する。近年見かける台数がグッと減ったのも当然だ。
もし今、2桁ナンバーのクルマを所有したいのであれば、新車では不可能。まずは23年以上前の2桁ナンバーをつけた中古車を見つける必要がある。そして、そのナンバーを継承するしかない。ナンバーを継承するには、管轄する運輸支局が、名義変更する際の運輸支局と同じでなければならない。
そもそも、なぜ2桁ナンバーのクルマが欲しくなったのか? というと、ロマン。当時のクルマを当時のナンバーで乗ることに憧れていたのだ。
「29歳、フェラーリを買う」を、もっと読む。
29歳、フェラーリを買う──Vol.150 今までありがとうございました(最終回)『GQ JAPAN』の編集者・イナガキが2019年、中古のフェラーリ「360モデナ」を買ったことから始まった本連載は、今回が最終回。いままで本当にありがとうございました!29歳、フェラーリを買う──Vol.149 今だから明かす購入金額『GQ JAPAN』の編集者・イナガキが2019年、中古のフェラーリ360モデナを買ったことから始まった本連載も、いよいよ最終章に突入。連載終了に向けて、今まで明かさなかった愛車の購入金額を発表したい。29歳、フェラーリを買う──Vol.123 アラーム・トラブル再発!『GQ JAPAN』の編集者・イナガキ(29歳)が、ひょんなことから中古のフェラーリを購入した! 勢いで買ってしまったフェラーリのある生活とは? 今回は、トラブルに関する続報。バブルに憧れる
Bobby Caldwellや杏里、杉山清貴、ヴェルサーチ(現ヴェルサーチェ)、イタ飯、ティラミス、「抱きしめたい!」などのトレンディドラマ、スキーなどなど、ボクは1980年代カルチャーをこよなく愛している。1980年代のモノを当時のままの状態で所有することに大いなる憧れを抱くほど好きなのだ。たとえば音楽も、配信をストリーミングで聴くのではなく、コンパクト・ディスクやレコードで聴くことに価値を見出している。それによって、憧れの1980年代を妄想するのだ。
1980年代といえば、「バブル」という名の好景気で日本中が浮かれた。みんな正規社員で、給料はどんどん上がり、分厚いボーナス袋が手渡しされた。輸入車もその波に乗って多数がわが国に上陸。BMW「3シリーズ」が“六本木のカローラ”と言われたほどだ。とくに東京都心部では品川ナンバーの最新輸入車が幅を利かせていたという。
かくいうボクは、生まれこそ、1989年だからバブル真っ只中であったけど、物心ついたころには平成不況に突入。山一証券の野澤正平社長(当時)が「社員は悪くありませんから!」と発した会見や北海道拓殖銀行の破綻ニュースなど、なんとなくではあるが覚えている。父が銀行員だったこともあって、暗いニュースばかりなのが悲しい。
それもあってか、バブリーな時代に憧れている。華やかで、明るく、日本はどんどん良くなっていく! という超ポジティブ・シンキング時代を味わってみたかった。
それもあって、バブル景気に販売された輸入車にも憧れていた。乗るなら、当時の薫りがプンプン漂う2桁ナンバー! と、決めていた。しかも、今住んでいるマンションは目黒区だから、東京運輸支局管轄内。つまりは品川ナンバーだ。
2桁の品川ナンバーって最高にバブリーではないか! 1度でいいから乗ってみたい! 今のマンションに引っ越してきたゆえに、その夢がようやく叶えられる。
しかし、大きな問題があった。それは、ごくごく単純な話で、品川2桁ナンバーの中古車なんて滅多に出ないのだ。2桁ナンバーの中古車こそ、全国で10~20台ほど流通しているけれど、「横浜」や「京都」、「練馬」などで品川は意外と少ない。
あっても1000万円オーバーのポルシェ「911(964型)」やフェラーリなどのスーパーカーが多く、とてもじゃないけど買えない。今乗っているフェラーリ「360モデナ」を処分すれば購入出来るかもしれないが、売る気はない。
品川34のコルベット
というわけで、この1~2年、ひたすら品川2桁ナンバーの輸入車を探し続けていた。
探し続けた、と大袈裟に書いたけれども、中古車情報サイトをこまめにチェックしていたのであって、分厚い情報誌をなめるように読んでいたわけではない。中古車探しもずいぶんと楽になったものです。
ある日、キーワード検索で、いつも通り「品川33」ないしは「品川34」、「2桁ナンバー」などを入力し、検索していたところ、見慣れぬ1987年型のコルベットがヒットした。しかも商品説明に「品川34ナンバー」と記されているではないか!
コルベット、今まで考えたこともなかった。いや、正しくは古いコルベットは。なぜならミドシップ・レイアウトに変更された現行モデルは、購入を本気で考えたからだ。このときは納期の問題や、360モデナを手放したくなかったので見送った。
だから、まったく興味がなかったわけではない。とはいえ、ちょっと古いコルベットは未知の世界。強いて言うなら、現在参議院議員の三原じゅん子さんが乗っていた、という印象程度だ。ちなみに三原さんは、愛車のコルベットで、TBS系列で1991年に放送された『爆笑! 迎春ブッちぎり 所ジョージのオールスター自動車レース大賞』内の「オールスターキャノンボール大会」に参加し、優勝した。
古いアメ車はちょっと気になっていた。まわりに1960~1970年代のアメ車に乗っている人たちがいて、見るたびにヨーロッパ車や日本車とは異なる独特の雰囲気が、個性的でいいなぁ~と、思っていた。
もっともボクが見つけたコルベットは1987年型だから、もっと古いアメ車乗りに言わせると「新しいじゃん」というレベルだ。
ボクからしたら1987年型でも、こんな古いクルマ、果たして維持出来るのだろうか? と、買う前からドキドキした。
価格は238万円と、ボクの日頃の中古車チェックでは実にリーズナブル。ヤナセ物の正規輸入車という点も見逃せない。定期点検記録簿も残っている。
早速、販売する「U.N.E」に問い合わせると2オーナー車両とのこと。コンディションは悪くないそうで、壊れたら直すのが大変と言われているデジパネもしっかり作動しているという。
これは掘り出し物かもしれない……。ま、中古車に掘り出し物はないというけれど、2桁ナンバーを探していたボクにとっては、かなり気になる物件だ。YouTubeで当時の映像を観たらカッコいい。野太いエンジン・サウンドも、素敵。
こうなると、コルベットが気になって気になって仕方ない。が、この日はあいにくの雨。実車を見に行こうか、それとも雨の日に見に行くことはないか、と悩み、悩んでいる旨を、クルマ好きで同世代の俳優の永山絢斗さんならこの悩みをわかってくれる、と相談すると「行っちゃいなよ!」と、背中を押してくれた。
「29歳、フェラーリを買う」の最終回でも記したが、絢斗くんのあと押しがなければ、躊躇していた。この“行っちゃいなよ!”は、大きな意味があった。
しかも、U.N.Eの代表の宇根陽介さんとショートメッセージで来店時間の調整をしていたとき「GQジャパン たまに見てます。」という返信が来た。“稲垣邦康”でピンッときたらしい。まさか身バレするとは! これは、もう逃れられない……。
4月3日15時。強い雨が降るなか、クルマを練馬まで走らせた。品川34ナンバーの87年型シボレー・コルベットに会いにいくために。
続く
文・稲垣邦康(GQ)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
「運転席の横に“クルマが踊っている”スイッチがありますが、押したら滑りますか?」 謎のスイッチの意味は? 知らない「使い方」とは
「すごい衝突事故…」 東富士五湖道路が一時「上下線通行止め!」 ミニバンが「横向き」で“全車線”ふさぐ… 富士吉田で国道も渋滞発生中
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
「ノーマルタイヤで立ち往生」に国交省ブチギレ!?「行政処分の対象です」2年連続で大量発生…「スタックの7割が夏用タイヤ」今年も緊急警告
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
スバル新型「プレオ」発表に期待の声! “約100万円”の「コスパ最強」軽セダンは実用性バツグン! スバルらしい「水平対向エンジン×MT搭載」を求める声も!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
またこのシリーズ?
誰得なの?