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「スカイラインGT-R」に続き「スープラ」も! 古い車の復刻パーツを自動車メーカーが再販する理由

掲載 更新 17
「スカイラインGT-R」に続き「スープラ」も! 古い車の復刻パーツを自動車メーカーが再販する理由

■古いクルマに長く乗りたい人には朗報の復刻パーツ再販

 トヨタは、「スープラ」の補給部品を復刻し、2020年中に発売すると発表しました。

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 1986年から1993年に発売されたA70スープラと1993年から2002年に販売されたA80スープラを対象とした「GRヘリテージパーツプロジェクト」とは、どのような取り組みなのでしょうか。

 フルモデルチェンジして従来モデルの生産が終了しても、通常、部品はしばらくの間販売されます。

 しかし、生産終了から10年もすると、需要のない部品は製造が廃止され、在庫のみを販売。在庫がなくなるとほとんどはそのまま欠品となり、購入することができなくなります。

 クルマを長く乗り続ける人にとっては、部品の供給が終了すると修理不可になるという問題が発生しますが、トヨタは、長い間スープラを愛用しているユーザーに、これからも愛車として乗り続けてもらえるよう、廃版となった補給部品を復刻・再生産し、純正部品として販売することを決定しました。

 復刻される部品は、A70スープラが「プロペラシャフト」「ドアハンドル」「フューエルセンダーゲージ」「ウェザーストリップ」「フロントエンブレム」。

 A80スープラでは「ヘッドランプ」「ドアハンドル」「ブレーキブースター」となり、いずれも2020年中に発売予定とされています。

 価格や発売時期などの詳細情報については、発売の目処が立った部品から、2020年春頃より公開される予定です。

 部品の復刻をおこなうTOYOTA Gazoo Racingの担当者は、次のように説明します。

「復刻パーツの選考基準は、私どもで調査したなかで、アフターパーツとして製品化されていないことと、継続車検を取得する際に重要なものを選んでいます。

 たとえば、A80のヘッドライトは異型なこともあり、今回復刻パーツとしてラインナップしました。70のライトのガラス部分は汎用品を使っていることもあり、復刻パーツとして設定していません。

 また、70のリトラクタブルヘッドライトは開閉動作する部分のパーツの要望がありましたが、これに関しては補修対応が可能だということがわかりました。

 トヨタ車として過去にラインナップされていたスポーツモデルについては、復刻パーツに対応できるかと思います。『AE86』についても部品が欲しいというユーザーが多いようです。

 また、わたくしどもでは想定外だったのですが、『チェイサー』の部品を要望される人もいるようです。なお、現在、ホームページにて復刻して欲しいパーツの要望を募集しています」

■日産は「スカイラインGT-R」用の復刻パーツを販売

 古い車種の部品復刻は、他のメーカーにおいてもおこなわれています。

 日産では、「スカイラインGT-R」のR32型、R33型、R34型用に「ニスモヘリテージパーツ」を販売しています。

 この時代のスカイラインGT-Rはいずれも中古車価格が高騰しており、海外での人気も高いのですが、もっとも新しい最終型の「R34型 スカイラインGT-R」でも2002年に生産を終了しており、部品も欠品が多くなっていました。

 そこで日産/ニスモ/オーテックジャパンの3社は、2017年12月にR32型の部品を再生産。その後、2018年11月に、部品供給の対象をR33型とR34型に拡大し、外装部品、ホース/チューブなどの部品の発売を開始しました。

 また、R32型スカイラインGT-R向けには、それまで販売していた走行や車検に必要不可欠な重要部品に加え、ウェザーストリップやバンパーレインフォースなど、長く安心して乗り続けるための部品を追加しています。

 スカイラインGT-R向けの設定部品数は、合わせて約160部品を販売しており、復刻生産が困難な純正補修部品については、リプレイス品や修理での対応を実施しているといいます。

 当時のニスモ社長の片桐隆夫氏は、次のように話していました。

「スカイラインGT-Rも年数が経つにつれて部品がなくなってきています。海外の人も含めてみなさん大事に乗ってくださっていて、そこをバックアップしなければならないと思っていました。

 大事な部品が入手できないという状況で、ニスモとしてできることを話し合ったとき、パーツを復刻するというアイディアが出ました。

 しかし、ニスモだけでは実現できないので、日産、オーテックジャパンと共同でプロジェクトを立ち上げ進めました」

※ ※ ※

 マツダも2017年に初代「NA型ロードスター」のレストア(再生)サービスを始め、ほかにもハンドルやシフトノブ、フロアマット、ソフトトップなどの補修用部品を復刻して販売しています。

 さらに、マツダはブリヂストンと共同して、NA型ロードスターが発売された当時の純正タイヤ「SF-325」を復刻しました。

 また、ホンダは2017年に軽自動車「ビート」の補修用部品を再生産、再販売しています。

 日本では、初度登録から13年経過したクルマは自動車税が増税になります。13年を経過したクルマは環境性能が劣っているとされることから、環境の良いクルマに乗り換えることを促進する目的がありますが、一方で、愛車を長く乗り続けたいユーザーが存在することも事実です。

 少しでも安心して古いクルマを乗り続けられるようなトヨタや日産、ホンダ、マツダなどの取り組みは、ユーザーには朗報といえるものではないでしょうか。

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