■トヨタ新型ランドクルーザー、正式発表前にすでに受注停止?
2021年は、トヨタ「ランドクルーザー」の前身であるトヨタ「ジープBJ型」が誕生してから70年目の年にあたることもあって、ランクルファンの間では何かと盛り上がりを見せています。
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その節目に、日本での正式発表が目前に迫っているトヨタ新型「ランドクルーザー(300系)」は14年ぶりのフルモデチェンジとなりますが、すでに先行予約時点で受注停止となっているといいます。早くも高い人気となる300系とはどのようなモデルなのでしょうか。
200系の後継モデルである新型(以下300系)は、デザイン的には進化、キープコンセプト、原点回帰のすべてが感じられるものです。
ランドクルーザーの原点は、アメリカのジープを模倣したミリタリーカーでしたが、40系の北米市場での成功がそのバリエーションを増やすことに繋がりました。
とくに1967年に登場した55型は、ランドクルーザーの現在の方向性を決めた記念すべきモデルです。
四輪駆動車の市場では、ジープやランドローバー、そしてランドクルーザー40系に代表される質実剛健なワークスホースが求められる一方で、より快適な移動が追求されたワゴン系モデルが人気を博すようになっていきました。
ジープ「ワゴニア」などが市場を開拓し、それに刺激されるようにランドクルーザーも1967年に55型を発表します。
その後のライバルとなるランドローバー「レンジローバー」の登場が1970年のことですから、コンセプトとしてはかなり早い時期に考えられたモデルであったことが分かります。
55型、56型は非常にユニークなデザインを持っていました。40系のヘビーデューティなデザインと、ワゴンのソフトなデザインを巧みに融合。
その愛嬌のあるマスクデザインから、北米ユーザーからは「ムース(ヘラジカ)」の愛称で親しまれ、現在でも名車の誉れ高いレアモデルとして愛されています。
その後、ランドクルーザーはワークホース系を70系に、快適ワゴン系は60系へと体系をはっきりと分けて、さらに70系とワゴンを融合した「ランドクルーザープラド」を誕生させています。
300系への流れを作ったのは55/56型ですが、そのコンセプトを確立させたのは60系です。
とくに後期モデルのHJ61Vは、その後の80系、100系、200系に繋がるコンセプトとデザインを確立したモデルでした。
300系のエクステリアデザインを見ると、標準ラインのフロントのスリットやフェンダーの形状には55/56型、ヘッドライトやグリルには100系、200系の意匠を見て取ることができ、「GRスポーツ」のデザインは60系後期モデルを彷彿とさせます。
噂によれば、300系はその開発行程において、エクステリアデザインをやり直したと聞きます。
開発初期のデザインは分かりませんが、結果的にランドクルーザーの原点に回帰しつつ、優れたDNAを現代流に昇華させた秀逸なデザインになったのではないでしょうか。
さて、まだ日本では正式発表前の300系ですが、2021年7月中頃にはすでに受注停止となっています。
現状では納車1年以上待ちともいわれていることから、日本のユーザーの評価も上々のようです。
■新型ランクル、ユーザーからの反響はどう?
果たして、従来のランドクルーザーユーザーには新型ランドクルーザーはどのように受け止められているのでしょうか。都内にあるトヨタモビリティ数店舗に聞いてみました。
「新型は最上級グレード・ZXが、よりオンロード指向の強いSUVルックになったことから、これまで200系に乗っていたお客さまの乗り替えがかなり多いです。
一見すると特徴のあるフロントデザインとなりましたが、ボディカラーがブラックの場合はグリル回りのスリットが目立たなくなるため、200系から乗り替えの抵抗感も少ないようです」(販売店営業スタッフ)
一方で、80系や100系といった古いモデルのオーナーは、二の足を踏むことが多いと別の営業スタッフはいいます。
「やはり標準のラインはSUVのイメージが強いため、クロスカントリー4WDの雰囲気が好きな人はGRスポーツに興味を示すようです。
GRスポーツは悪路走破性を高めるE-KDSSという新しい機構が付いているほか、タイヤサイズもオフロード走行を意識した18インチが採用されています。
往年のランドクルーザーを彷彿とさせるデザインも、ずっとランドクルーザーに乗ってこられた人には好評です。しかし、ネックは史上最高の価格ですね」。
販売店によれば、GRスポーツはガソリン車で770万円、ディーゼル車は800万円となるといいます。
その内容を見れば決して高いプライス付けではないのですが、現在の日本経済から考えれば高級車。
ユーザーのなかには、「AX(標準の中級グレード)にGRスポーツのフロントパーツを移植できないか?」という人もいるようです。
ちなみに、旧トヨペット店系列では、トヨタの高級ミニバン「アルファード」からの乗り替え組も多いといいます。
「新型はアルファード/ヴェルファイアに似たフロントマスクになったことから、300系に買い替えられる30代、40代のお客さまがかなりおられます。
子育ても一段落して、ミニバンよりもスポーティな外観のランドクルーザーのほうがいいと思われるようです」(旧トヨペット店営業スタッフ)
しかし、現状で先行予約をしているユーザーの多くが、やはり従来からのランドクルーザーユーザーが多いと、どの営業スタッフも口を揃えていいます。その理由はボディサイズにあるようです。
ディーラーによると300系の全長は200系とほぼ同じ、もしくはグレードによってはわずかですが200系を超えています。
全長は5m弱、全幅は2m弱というボディサイズは日本でビッグサイズです。海外の道路事情で考えればさほど大きくはありませんが、都心部ではこのサイズが入る月極駐車場を探すのも大変です。
「すでに駐車場所を確保できている既存のユーザーなら問題ありませんが、新たにランドクルーザーに乗りたくても、家の前の道幅や駐車場などの問題から諦めざるを得ないお客様もかなりいます。兄弟車のプラドが都市部で売れて理由は、そこにあるといっていいと思います」(前出営業スタッフ)
※ ※ ※
すでに2万台近くの先行受注が入っているともいわれている300系。さまざまな条件から諦めた人がいる一方で、間違いなく世界的なヒットを予感させます。
まだまだベールに包まれた部分が多い300系ですが、今後その実力がつまびらかにされたとき、さらに受注が増える可能性が大きいのではないでしょうか。
ちなみに受注再開は1年後ともいわれていますが、トヨタがいかに早く日本向けの増産ができるかに、今後の市場の動向がかかっているといえます。
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ジムニーもそうだけど、カスタムショップの改造新車が中古車サイトにたくさん並んでますし。