電動化を積極的に進めるボルボにまたひとつ新しいプラグインハイブリッドであるT6ツインエンジンが加わった。このモデルは「T8」と同じシステムを搭載しているのにかなり価格が抑えられており、ボルボが本格的にPHEVの普及を狙ったモデルである。(Motor Magazine 2019年8月号より)
T8と同じプラグインハイブリッドシステムを搭載
外部電源から充電した電力で走行している間のCO2排出量はゼロと見なされ、平均燃費の底上げが可能となるため、各メーカーが積極的にプラグインハイブリッド(PHEV)を展開している。
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ただ、エンジンとモーターのふたつのパワーユニットを持つため構造が複雑となり、同時にコストもかかる。さらにエココンシャスなのか、パフォーマンス重視か、ラグジュアリー志向か実用性追求なのか、今ひとつ立ち位置がわかりにくいことも多いように思う。
その点、わかりやすいのがボルボだ。このメーカーはシリンダー数が少ない方が高効率を追求しやすいと、生産するエンジンを4気筒までと早々と決めてしまった。そしてターボやスーパーチャージャーなどの過給方式を用意することで出力の異なるバリエーションを作り出しているのだが、これにモーターを組み合わせることによって、各シリーズのトップパフォーマンスモデルに据えているのが、T8ツインエンジンAWDと呼ばれるPHEVなのである。
T8ツインエンジンは、ターボとスーパーチャージャーの過給機を備える318ps(V90は320ps)/400Nmの2L4気筒エンジンで前輪を、87ps/240Nmのモーターで後輪を駆動する電気式のAWDだ。プロペラシャフトの必要がないため、その空間、車体中央のフロアトンネルにリチウムイオンバッテリーを置き、重量配分の最適化や衝突時の安全性確保もできるという、合理的な設計を特徴としている。
そんなボルボのPHEVに、もうひとつのバリエーションが加わった。登場当初からその存在が明らかになっていたV60 T6ツインエンジンがいよいよ本格的に上陸を開始したのだ。
減税や補助金を考慮するとかなりバリューな価格設定だ
このT6は、出力こそ控えめな253ps/350Nmとしているものの、ターボとスーパーチャージャーによるツインチャージのエンジン機構や、後輪駆動用のモーターなど構成はT8とまったく同じ。つまりかかっている手間はT8と同じにもかかわらず、価格をかなり手頃なレベルに留めた、戦略的モデルというわけである。
価格設定をもう少し具体的に見て行こう。V60にも高出力版のT8ツインエンジンAWDは設定されており、これが819万円。一方のT6ツインエンジンAWDはトリムレベルが同じ最上級のインスクリプションで749万円と70万円も安く設定されているのだ。
さらにこのT6には、装備を少し簡略化し、内装もカジュアルな仕上げとしたモメンタムグレードも用意されており、659万円というバリューな価格を実現している。PHEVはエコカー減税やCEV補助金の対象ともなるので、600万円そこそこで手に入ることになるわけである。ちなみに今回試乗したのは、上級トリムレベルのT6ツインエンジンAWDインスクリプションである。
V60は車重が軽いこともあり、ドライブフィールは以前試したV90などのT8ツインエンジンと大きな開きは感じなかった。回転し始めると同時に最大トルクを出す後輪駆動用モーターのおかげでスタートダッシュは非常にシャープ。ピュアエンジンのT5だと回転の上昇と共に車速が乗って行く感じだが、そうした待ちがないのがツインエンジンの魅力である。
しかもこのクルマ、バッテリー走行を優先させる「ピュア」や、クルマ任せで最大効率が得られる「ハイブリッド」など、走行モードを切り替えて、走るシーンやエネルギーのマネジメントを変えられる楽しみもある。
その辺のことは、とてもこの紙幅では書きつくせない。いずれじっくりと走り込んで、その経済性も含めて改めてレポートしようと考えている。(文:石川芳雄)
■ボルボV60 T6ツインエンジンAWDインスクリプション主要諸元
●全長×全幅×全高=4760×1850×1435mm
●ホイールベース=2780mm
●車両重量=2050kg
●エンジン= 直4DOHCターボ+スーパーチャージャー
●排気量=1968cc
●最高出力=253ps/5500rpm
●最大トルク=350Nm/1700-5000rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=8速AT
●車両価格(税込)=749万円
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