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プルマンにまつわる8のトリビア。メルセデス・ベンツ製ショーファードリブンが王者たる理由

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プルマンにまつわる8のトリビア。メルセデス・ベンツ製ショーファードリブンが王者たる理由

メルセデス・ベンツの最高峰「プルマン」

ジョン・レノン、ローマ教皇ピウス11世、昭和天皇。ときに政府高官の公用車として、ときに素封家の相棒として、メルセデス・ベンツが生んだプルマン(Pulluman)は選ばれし人々に愛用されてきた。

プルマンにまつわる8のトリビア。メルセデス・ベンツ製ショーファードリブンが王者たる理由

プルマンがそれほどまでに「やんごとなき人々」の眼鏡にかなったのはなぜか。孤高のショーファードリブンにまつわる8の蘊蓄を紐解きつつ、その理由を探ってみたい。

その1:プルマンという名前の由来

100年前、「プルマン」は快適で豪華な寝台列車の名称だった。アメリカのエンジニア兼起業家であったジョージ・モーティマー・プルマン(1831-1897年)が1860年代に開発。人々は絢爛豪華な列車の旅を謳歌したが、次第に自動車での旅行を求める層が増えていった。

20世紀初頭、快適で豪華な移動を人々にもたらす存在は、列車から自動車へと変化していった。「プルマン」という名前が自動車に充てられるようになったのは、自然な流れであったといえる。

現在メルセデス・ベンツ物館の一角に列車模型が展示されている。ちいさなブリキ製の精巧な玩具は、1965年に生まれた600 プルマン(W100)の起源を声高に語る証言者なのだ。

その2:エミール・イェリネックとの関係

旅に可能な限り最上の快適性をもたらすこと。それはメルセデス・ベンツの歴史を通して、常にとても重要な要素であり続けている。

メルセデス・ベンツ創業のキーパーソンであるエミール・イェリネックは、当時のダイムラー社のフラッグシップモデルである1904年製のメルセデス-シンプレックス 60PSを所有していた。1907年、彼はその愛車を豪華なツーリングサルーンへと改良。

贅を尽くした造作と繊細な工芸品のような意匠、当時最高峰のダイナミズムを兼ね備えたイェリネックのサルーンは、まさにのちの「プルマン」へ繋がる出発点だ。

その3:100年後も消えないネーミング

プルマンの名が地球上に誕生してからおよそ100年、その7文字のアルファベットはいまもメルセデス・ベンツの最上位で輝き続けてきた。

近代になってもその名前は消えない。1991年に登場したSクラス(W140)にもプルマンの名がロングホイールベース仕様として現れており、2018年にも「メルセデス-マイバッハ S650 プルマン」が発表されている。

その4:防弾仕様車という系譜

メルセデス・ベンツが初めて作った特別防弾仕様車は、1928年の「ニュルブルク 460 プルマン(W 08)」だった。このクルマと、日本の皇室よりオーダーされた2台の770“グローサー・メルセデス(グランド・メルセデス)”プルマン サルーン(W 07)こそが、同社の防弾仕様車の歴史のルーツといえる。

最新のラインナップ、「メルセデス-マイバッハ S 650 プルマン ガード」は2018年にデビューしている。このセグメントで最も広い後部足元空間を実現するロングホイールベースモデルで、防護レベルはVR9を満たす。やはり後席左右にエグゼクティブシートを備えるとともに、プルマンならではのレイアウトとして、電動格納式パーティション裏に後ろ向きの補助シートを設けている。

その5:プルマンを選んだ「選ばれし人々」

1920年代より、プルマンは君主や重鎮、各界の雄から支持されてきた。そのほんの一握りではあるが、プルマンを愛用した代表的な3人をご紹介する。

ローマ教皇ピウス11世(ニュルブルク 460 プルマン、1930年)、昭和天皇(770 グローサー・メルセデス プルマン、1935年)、ジョン・レノン(600 プルマン、1970年)。

もしかしたら、プルマンがなければ生まれぬ歴史もあったかもしれない。

その6:世界初のディーゼルを標準搭載した乗用車

プルマンはセレブリティだけのためのクルマではない。世界で初めてディーゼルを標準搭載した乗用車、メルセデス・ベンツ 260 D(W138)にはキャビンを拡張したプルマンが用意されていた。最大6名まで乗車できるプルマンは、なんとタクシーとして使用された。

その7:商用車との繋がり

プルマンの頭文字「P」は、メルセデス・ベンツの卓越した快適性を象徴するアルファベットとして商用車にも使われている。1955年のLP315や1958年のLP333“Millipede(=ヤスデの意味。前2軸操舵構造をもつため)にもその例を見ることができる。

その8:最高のスペースに最上の装備を

プルマンといえばロングホイールベース化による広大な後部空間がまず頭に浮かぶが、そこに「最高の居心地」を与えるのはスペース効率だけではない。

たとえばビートルズのジョン・レノンのプルマンには、当時最高のハイファイシステムが搭載されていた。もちろんプルマン基準の静粛性があってこそ、その音質が最大限に活かされた。

トリビア、開発ストーリー、乗った人々の人生の物語。メルセデス・ベンツを象徴するショーファードリブンにまつわる話は尽きない。だからこそ「プルマン」の響きは、時代を超えて人々にロマンを与え続けているのだろう。

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