進化が続く自動運転技術。自動車メーカー各社が開発を進めているが、以前から熱心だったのが日産だ。ジャパンモビリティショー2025にて、日産自動車の土井執行職に自動運転モビリティサービスの進捗と課題についてお話を伺った。
※本稿は2025年11月のものです
【画像ギャラリー】未来はすぐそこまで来ている!! 日産が実証実験を行った自動運転モビリティサービス(12枚)
文:ベストカー編集部/写真:日産、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』2026年12月26日号
自動運転実現への進捗状況と課題
高齢化そして地方の過疎化が進む日本において、自動運転によるモビリティサービスの必要性は、今後ますます高まっていくのは間違いない。
多くのメーカーが研究や実験を行っているが、日産では2025年10月3日、横浜市での自動運転モビリティサービス実証実験の詳細を発表。
そこで、同年10月末から開催されたジャパンモビリティショー2025の場で、日産自動車の土井執行職に、日産の自動運転の現状と課題についてお話を伺った。その内容をご紹介したい。(文中、敬称略)
――早速ですが、御社は自動運転モビリティサービスに対し、かなり前から取り組まれていましたね。
土井執行職(以下、土井):2018年くらいからでしょうか、リーフで初めにやってます。もともと自動運転と電気自動車って、わりと相性がいいものですから。
――自動運転に必要な技術やデバイスには、いろいろあると思うのですが、例えばLiDARであったりとか、そちらのほうも昔より進化しているのですか?
土井:LiDARも年々小さく、性能もよくなってきました。性能っていうのは遠くまで細かく見るということですが、そういう性能はだいぶ上がっている。価格も安くなってきましたね。
2025年の2月に、たぶん国内では初めてなのですが、市街地を混走で無人、というのをやりました。その時は助手席にハードストップのボタンだけ持った人がいましたけども、基本的には無人で走れる技術はできてきました。
――ハードストップの人が乗っているだけでも、それはレベル2になるんですか?(※自動運転におけるレベルは1~5まであり、「2」は特定条件下での自動運転機能(ドライバーによる監視付き)。「4」以降はシステムがすべての運転タスクを行ない、4が特定条件下における自動運転、5が完全自動運転となっている)
土井:そうですね、そのへんのルールがけっこう難しくて、あの時は遠隔で操作を行える人がいました。
操作はしないのですが、遠隔の部屋でハンドルを握って、横に免許を置いて「この人がドライバーです」って言って、警察から許可を得て、やったんです。
やっぱり今、ルール上レベル4は、遠隔であってもドライバーがいないのが原則です。安全を期す目的で、たとえ遠隔であれドライバーを置くと、それでレベル2扱いになります。
――2025年度の横浜での実証実験の概要とパートナー企業を発表した8月のリリースに、「『日本国内における自動運転によるモビリティサービスの事業化に向けたロードマップ』のフェーズ1に位置づけられる」との表記がありましたが、フェーズはいくつまであるんでしょうか。
土井:3です。2025年と2026年がフェーズ1。その次はいろいろな市町村から話をいただいているので、ほかのところでも横浜と同様の取り組みを拡げるというのがフェーズ2。フェーズ2は神戸で始めることが決まっています。で、フェーズ3が、本格的な事業化。レベル4での事業化ですね。
――フェーズ3に移行するのは、いつくらいになりますか?
土井:技術的にはだいぶできているので、2030年くらいまでには。
AIを過信せず適所に使用する
――私は素人なので、「自動運転=AI大活躍」のように思ってしまうのですが……。
土井:これからAIを使った「レベル2+」というのが乗用車で始まりますが、いずれはそれがレベル4の世界にも入ってくるのだと思います。
ただ、もうじき国連のWP29の中で、レベル4の規定がもっと明確にされます。レベル4における自動運転車の運行設計領域では、オペレーションする領域をきちっと定めてやらなければいけないというルールがあるので、レベル2と4でハッキリ線引きされるはずなんです。(※WP29=自動車基準調和世界フォーラム)
となると、ブラックボックスの人工知能をそのままでは持ってこれない。
だから今、ウチがやっているのはルールベースというやつで、例えば横浜の「みなとみらい」で走らせるのであれば、「すべて歩車分離されています」とか、「交差点は必ず信号があります」とか、そういうことを規定できる。
で、規定がされると、どういうことが起きるか全部書き出せるので、その全部に対応できるようにプログラムを組んでいるというのが、今回のクルマです。あまりAIに依存していない。
――ブラックボックスでどうなるかわからないAIに、レベル4走行を任せていいのか、ということですか。
土井:そういうことです。
――2030年くらいまでに本格事業化を、との話がありましたが、今現在「壁」はあるのでしょうか。
土井:たくさんあります。まず技術の壁はまだあって、レベル4で走れるようにはなりましたが、ほかの場所でやるとなると、システムをその環境にフィットさせる必要がある。
今、うちでやっているレベル4だと高精度3次元地図が必要なので、マップを作って、その上を走らせて、エンジニアがロジックを追加していったりしています。
これは時間もお金もかかって、やっていたら絶対事業にならない。その作業を軽くするための手段のひとつとして、AI化は考えています。
あともうひとつはバックヤードのオペレーションコスト。自動運転システムのモニターや配車だけでなく、車内でお客さんが体調を崩すこともあるわけで、有人の業務は残ります。
これをひとり一台モニターしてたら、まるで採算が合わない。そこで、そこにもAIを使ってモニターさせようというのを、これからやろうとしています。
――なるほど。では最後に行政側に望むことはありますか。
土井:道路に望むのは白線をキチンと引いてほしいですね。カメラで見えるものは基本、対処できるので。都市部では植栽の手入れをしっかりしてほしい。景観上植栽は必要ですが、伸びてくると歩道を歩いてる人を認識できなくなる。
――い、意外と地味なお願いですね。(←失礼)
土井:もちろん支援のほうもお願いしたいですよ(笑)。
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