現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > いまやトヨタのエースSUV ヤリスクロスHVは限界氷上性能でも優れていた!!

ここから本文です

いまやトヨタのエースSUV ヤリスクロスHVは限界氷上性能でも優れていた!!

掲載 更新 11
いまやトヨタのエースSUV ヤリスクロスHVは限界氷上性能でも優れていた!!

 クルマの限界性能を測るのであれば、(雪上よりも水を撒いたアスファルトよりも)「氷上」がベスト。本企画では、いまやトヨタのエースSUVといっても過言ではない売れ筋モデル「ヤリスクロス」を氷上に持ち込んで、自動車ジャーナリストの鈴木直也氏に試乗してもらった。

 ヤリスをベースにしたSUVの限界性能はどれくらいなのか? 往復の高速道路440km(片道220km)での乗り味も含めて、じっくり分析していただいた。

スーパーカーだけが「スーパーなカー」ではない!! 探せ!! 庶民のためのスーパーカー10選

文/鈴木直也 写真/西尾タクト

【画像ギャラリー】トヨタの大人気SUV「ヤリスクロスHV」を画像で見る

■ヤリスクロスHVは月販1万台近くキープのバカ売れグルマ!

 今回の目的地は長野県の女神湖。氷結した冬の女神湖はアイスドライビングのメッカとして知られているが、キリッと冷え込んだ高原の空気には、たぶんコロナウィルスも少ないはず。

 タイミングよくスタッドレスを履いたヤリスクロス(ハイブリッドのFF)の試乗車があるっていうし、ベストカーWEBのT編集長と連れ立って関越道へと向かったのであります。

 さて、ヤリスクロスHVだが、コロナ禍にも負けずここのところバカ売れなのはご存知のとおり。直近ではコンスタントに月販1万台近くをキープ。ヤリスと合算される車名別ランキングだと、15万1766台を売って2020年の登録車ナンバー1に輝いている(軽を含めると1位はN‐BOXの19万5984台)。

コロナ禍にも負けず、バカ売れ!月販1万台近くをキープしている

トヨタ ヤリスクロス内装

 なんでこんなに売れるのかといえば、これはもうトヨタらしい商売のうまさだね。

 まずは、尖兵となったヤリスが、新しいGA‐Bプラットフォームと新型3気筒エンジンを引っさげて先行デビュー。ウルトラ燃費を叩き出すハイブリッドで人気に火をつけ、「今度のヤリスはトヨタが本気で力を入れてる」という雰囲気を盛り上げる。

 そこに畳み掛けるようにヤリスクロスを追加ですよ。

 コンパクトSUVの人気が急上昇しているのは、ライズ・ロッキーが2020年上半期ベストセラーになったことでもわかってたけど、ヤリスクロスがライズ・ロッキー並みにお買い得価格で攻めてくるとは思わなかった。

 FF1.5CVTのGが202万円。FFハイブリッドのGで239万円。オプションなしの“素"の価格ではあるけど、内容を考えると悪くない。

ヤリスクロスとライバル主要諸元(ライズ、キックス、ヴェゼル)

 ライズ・ロッキー/ヤリスクロス/RAV4とトヨタのSUVラインナップが揃った中で、多くの人が「いちばんお手頃」と思えるのがヤリスクロスなんでしょうね。

■走りも燃費も超優等生! 乗り心地は..?

 走りについても、ことドライバビリティと燃費に関しては超優等生といっていい。

 車重約1200kgに対してエンジンとモーターを足したシステム最高出力は116psだから、全開にしてもそれほどパワフルという実感はない。けれども、日常的な使い方ではモータートルク(14.4kgm)のアシストが効果的。ふだん使いのドライバビリティがいいのだ。

 パワコンの高出力化とリチウムイオン電池の採用で、ハイブリッドシステム出力は16%向上してるらしいけど、やっぱりハイブリッドに関してはトヨタは一歩先を行ってるという感じですね。

 ただ、ドライバビリティと燃費は文句ないんだけど、足回りがBセグのアベレージにとどまっているのが惜しい。

 課題が残るのは乗り心地。たとえば、市街地スピードで路面ジョイントを越えた時や、ふつうに高速を巡航しているような状況。もうちょっとスムーズに走って欲しいんだけど、細かい路面のアンジュレーションがフロアを通じてドライバーにぷるぷる伝わってくる。

ベースとなったヤリスと比較してみると、ヤリスよりももっと落ち着いていて挙動が穏やかである

 最近のトヨタ車はこの辺の処理が上手になってきていたはずなのに、ヤリスクロスはここがんまり感心しない。今回はスタッドレスとのマッチングが今ひとつだったのかもしれないが、これだったらヤリスの方が固めながらシャッキリしててむしろ一貫性がある。

 ま、乗り心地の質感には不満はあったけれど、蓼科周辺の山道を走ってみるとハンドリングそのものは悪くない。

 ベースとなったヤリスはコンパクトHBらしいキビキビ軽快なフットワークだが、ヤリスクロスはもっと落ち着いていて挙動が穏やか。ロールスピードもバネ上の動きもゆっくり動くように味付けされている。

 高速で不満を感じた乗り心地も、サスペンション入力の大きい山道ではそれほど気にならず、こういうシチュエーションでは操安と乗り心地のバランスはOKといっていいんじゃないかと思う。

■ついに氷上! 忍耐力とアクセルワークの修行

 そんでもって、4時間ほどのドライブで到着しましたよ、女神湖。一泊して翌日は朝からベストカークラブのみなさんと氷上で滑りまくって遊ぶという趣向だ。

 明ければドピーカンの快晴。女神湖の氷上は毎日のように走行会が開催されているから、コースは基本的にツルピカに磨き上げられたミラーバーン。クルマから降りると立っていられないくらいミューが低いから、どんなスタッドレスを履いていてもツルツル滑りまくる。

 しかも、最初に書いたとおり今回のヤリスクロスは4WDではなくFF。アンダーを殺すとかいうレベルではなく、どうやってアンダーと折り合いをつけるか。忍耐力とデリケートなアクセルワークの修行という感じでした。

今回は4WDではなく、FF どうやってアンダーと折り合いをつけるか..

 前輪のグリップに全神経を集中して、歩くくらいのスピードで定常旋回や8の字旋回を続けていると、微妙な路面ミューの変化でわずかにグリップが変化するのがわかる。

 そこを一定のアクセル開度で抜けるか、あるいはわずかにトルクを出し入れしてやってほんとに微小な荷重移動を与えてやるか、これがけっこうクルマに発生するヨーモーメントの違いとなって現れてくる。

■コントロール性良好!氷上走行は面白いドライブだった

 ヤリスクロスで走っていて気づいたのは、モーター走行時のコントロール性のよさ。定常円旋回では時速5km/hも出ないから、ハイブリッドモードでもほぼEV走行。こういうデリケートなアクセルコントロールで、小さなトルクを加減するシチュエーションでは、これがやっぱりエンジンよりコントロールしやすいわけです。

 さすがにここまでデリケートな運転というのは、普段ではまずありえないのですが、そこでのコントロールがきちんと結果に反映されるのが氷上走行の面白いところ。時を忘れて、しばし練習に熱中してしまった女神湖氷上ドライブでありました。

【画像ギャラリー】トヨタの大人気SUV「ヤリスクロスHV」を画像で見る

こんな記事も読まれています

見やすい位置で自由自在に角度調整!強力マグネット付き車載ホルダー3種発売【動画あり】
見やすい位置で自由自在に角度調整!強力マグネット付き車載ホルダー3種発売【動画あり】
グーネット
日産 新エネルギー車のコンセプトカーなど 北京モーターショー2024で披露
日産 新エネルギー車のコンセプトカーなど 北京モーターショー2024で披露
グーネット
845万円のヤリス誕生!! カーボンルーフまで採用のガチ仕様!! コスパ求めるならRCもいいぞ
845万円のヤリス誕生!! カーボンルーフまで採用のガチ仕様!! コスパ求めるならRCもいいぞ
ベストカーWeb
全日本ロード第2戦もてぎでのトライアウトで全9チームが鈴鹿8耐の出場権を獲得/EWC
全日本ロード第2戦もてぎでのトライアウトで全9チームが鈴鹿8耐の出場権を獲得/EWC
AUTOSPORT web
宮田莉朋加入のクール・レーシング、開幕戦で逆転勝利。日本人3名が表彰台獲得/ELMSバルセロナ
宮田莉朋加入のクール・レーシング、開幕戦で逆転勝利。日本人3名が表彰台獲得/ELMSバルセロナ
AUTOSPORT web
小さなランクル[新型ランドクルーザーFJ]は25年に登場!! カローラクロスサイズで予想価格は350万円!
小さなランクル[新型ランドクルーザーFJ]は25年に登場!! カローラクロスサイズで予想価格は350万円!
ベストカーWeb
日産R32「スカイランGT-R」を思い続けて30余年。カスタムの目標は「400R」に負けないパワーです!
日産R32「スカイランGT-R」を思い続けて30余年。カスタムの目標は「400R」に負けないパワーです!
Auto Messe Web
ホンダ、3台がリタイア。ザルコはスタート直後からマシンに不具合。原因は調査中/第3戦アメリカズGP 決勝
ホンダ、3台がリタイア。ザルコはスタート直後からマシンに不具合。原因は調査中/第3戦アメリカズGP 決勝
AUTOSPORT web
結局「コスパ1番」のEVは? ボルボと内側を共有:スマート#1 オーナーを満たす:ヴォグゾール(オペル)・アストラ お手頃EV 12台比較(1)
結局「コスパ1番」のEVは? ボルボと内側を共有:スマート#1 オーナーを満たす:ヴォグゾール(オペル)・アストラ お手頃EV 12台比較(1)
AUTOCAR JAPAN
「黒ベントレー」登場! 史上最高にダークな「ベンテイガSブラックエディション」は7色のアクセントカラーを選べます
「黒ベントレー」登場! 史上最高にダークな「ベンテイガSブラックエディション」は7色のアクセントカラーを選べます
Auto Messe Web
大型トラックが戦慄の行動… NEXCO「漫然運転しないで!」注意喚起で動画を公開
大型トラックが戦慄の行動… NEXCO「漫然運転しないで!」注意喚起で動画を公開
乗りものニュース
「大好きなの」大御所芸人が意外すぎる“愛車”を公開! 山田邦子“19年”乗り続けたマイカーとの別れに「すごい」「19年も乗られたのですね」の声
「大好きなの」大御所芸人が意外すぎる“愛車”を公開! 山田邦子“19年”乗り続けたマイカーとの別れに「すごい」「19年も乗られたのですね」の声
くるまのニュース
「実燃費と違いすぎ」で規制強化も? 欧州燃費テストの "欠点" 浮き彫りに WLTP改正の可能性
「実燃費と違いすぎ」で規制強化も? 欧州燃費テストの "欠点" 浮き彫りに WLTP改正の可能性
AUTOCAR JAPAN
最高時速500キロオーバー! レースアニメの実写版!? 女性ドライバーだけのレーシングチームが発足しました
最高時速500キロオーバー! レースアニメの実写版!? 女性ドライバーだけのレーシングチームが発足しました
Auto Messe Web
マセラティMC20チェロをサーキットドライブ 「ネットゥーノ」V6の核をなすプレチャンバーを解説
マセラティMC20チェロをサーキットドライブ 「ネットゥーノ」V6の核をなすプレチャンバーを解説
AUTOCAR JAPAN
EV版メルセデスベンツ『Cクラス』を激写! 室内には巨大なデジタルディスプレイが
EV版メルセデスベンツ『Cクラス』を激写! 室内には巨大なデジタルディスプレイが
レスポンス
ニッサン・フォーミュラEが初優勝達成。「戦略がしっかりしていた。誇りに思う」とローランドも喜び
ニッサン・フォーミュラEが初優勝達成。「戦略がしっかりしていた。誇りに思う」とローランドも喜び
AUTOSPORT web
新型「旧車風ミニバン」実車公開! 斬新2トーンがカッコイイ「新型ワーゲンバス」国内登場へ VW専門店が「IDバズ」を披露
新型「旧車風ミニバン」実車公開! 斬新2トーンがカッコイイ「新型ワーゲンバス」国内登場へ VW専門店が「IDバズ」を披露
くるまのニュース

みんなのコメント

11件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

190.7278.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

149.0370.0万円

中古車を検索
ヤリスクロスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

190.7278.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

149.0370.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村