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ボルボの2023年 「着実進化」MY23モデル試乗 S90リチャージ&XC60リチャージ&V60

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ボルボの2023年 「着実進化」MY23モデル試乗 S90リチャージ&XC60リチャージ&V60

S90リチャージは上質な伏兵

S90はこれまで48VのMHEVモデルが導入されていたが、MY23からは最上級のリチャージ・アルティメットT8 AWDプラグインハイブリッドが導入されることになった。

【画像】PHEVもMHEVも着実進化【ボルボMY23の3モデルを詳しく見る】 全163枚

試乗車はデニムブルーメタリックという濃いブルーで、ダークな仕上げのグリルなどと相まってフォーマルかつアグレッシブな印象を受けた。

SUVやエステートは度々試乗しているがS90は久しぶり。

その第一印象はオトシンに優れている! というものだった。

運転席に座っていてリアタイヤ周りからの音の侵入が少ないことが感じられたし、路面からの入力をスッと静かに往なしてしまう能力が高い。

例えばV90に乗っていても決してリアボディが緩いなどとは感じない。けれど音や振動といった細かいことも含めて評価すれば乗用車としての完成度はS90の方が上。

前後ドアのガラスがともに静音性の高い合わせガラスだった点にもS90の本気度が感じられた。

一方、MY23のボルボPHEVの定石どおりEV走行レンジも長く、S90は81km(等価EVレンジ)となっている。

今回の試乗でも少し強めにスロットルを踏んだ程度では2L 4気筒ターボ・エンジンが目覚めることはなく、ピュアEVに乗っている感覚でいられた。

S90(1089万円)のスペックはやはりPHEVのメルセデスのE350 eスポーツ(951万円)に近いのだが、両者には138万円もの価格差がある。

だがE350 eスポーツの駆動がFRで、EV走行レンジが49km(等価EVレンジ)であることを考えれば、AWDで81km走るS90の方が、将来性があるように思う。

熟成され、電動化へ XC60

今回試乗したXC60リチャージ・アルティメットT6 AWDプラグインハイブリッドはシリーズの最上級モデルとなる。

以前はT8のXC60が頂点に君臨していたが、CISG(クランクインテグレーテッドスタータージェネレーター)の出力がアップしたことでスーパーチャージャーがいらなくなったのである。

インフォテインメントこそグーグル化されているが、室内の印象は依然とほとんど変わっていない。

メーターパネルのデザインが少し変わり、目盛りが振られたことなど、言われないと気づかないような変更ばかりなのだ。 

「ハイブリッド」モードで走りはじめると、先のS90と同じでエンジンが掛かる気配はない。

車体の前後にモーターを備えたピュアEVを運転している感覚なのである。

モーターのパワーは強すぎるわけでもなく、うまい具合にシャシーと調和している。

またスロットルオフでスーっとやさしく減速するワンペダルドライブの挙動も完成度が高く、ピュアEVらしさに拍車をかけている。

XC60のスタートプライスはやはり2022年から導入が開始されたプラスB4(FFモデル)の689万円。

ところが試乗車は約300万円アップの987万円なので、この価格帯になるとさまざまな選択肢が視野に入ってくる。

だがそこは最新のハイブリッド・ボルボの売りである長いEV走行距離(81km、等価EVレンジ)や、すっかり熟成なったドライバビリティ、ADASの完成度などがアドバンテージになるはずだ。

だからドイツ製のライバル数台と秤にかけてもなお、XC60リチャージを選ぶ理由は充分にあると思う。

V60 新エンジンでも走りは古典的?

現在のボルボV60のラインナップの中でエントリーモデルとなるのは559万円のV60プラスB4。その上位モデルが今回試乗したV60アルティメットB4だ。

パワートレインは2L直4ターボ+48Vマイルドハイブリッドによる前輪駆動。

電動化にまっしぐらのボルボにとって、もはやMHEV系はあまり重要ではないモデル(?)のように思えたのだが、 そうではないらしい。

なんと彼らはこのタイミングで2L 4気筒ターボをミラーバーン化し、さらにターボやオイルポンプを変更してきたのだ。

またV60は昨年末にギアボックスも従来の8速トルコンATから7速DCTに変更されている。

これらの改良によりWLTC燃費も2.5km/Lほど伸びて15.4km/Lに達している。

エンジン搭載モデルの終焉に向け持てる弾をすべて投入してきたという感じだろうか。

ハイブリッドやピュアEVのボルボはパワフルだが、モーターやバッテリーなどの分だけ車体は重め。

その点V60アルティメットB4は目が覚めるような軽さが特徴だ。

1710kgという車重は、V60の最上級グレードより300kg以上も軽い。

かといってエンジンマウントが柔らかいFF車特有の腰の軽さ、安っぽさのようなものは一切感じられなかった。

マンションなどで駐車場に充電設備がない人や、ガソリンエンジンが主体となるベーシック・ボルボの素性の良さを味わいたいという人向けの堅実な選択肢といえるだろう。

ボルボS90リチャージ・アルティメットT8 AWDプラグインハイブリッドのスペック

価格:1059万円(本体価格)
全長:4970mm
全幅:1880mm
全高:1445mm
ホイールベース:2940mm
車両重量:2100kg
パワートレイン:直列4気筒1968ccターボ+モーター
最高出力(エンジン):317ps/6000rpm
最大トルク(エンジン):40.8kg‐m/3000-5400rpm
最高出力(モーター):(前)70.7ps/3000-4000rpm(後)145.5ps/3280-1万5900rpm
最大トルク(モーター):(前)16.8kg‐m/0-3000rpm(後)31.5kg-m/0-3280rpm
ギアボックス:電子制御前進8速オートマティック

ボルボXC60リチャージ・アルティメットT6 AWDプラグインハイブリッドのスペック

価格:969万円(本体価格)
全長:4710mm
全幅:1915mm
全高:1660mm
ホイールベース:2865mm
車両重量:2180kg
パワートレイン:直列4気筒1968ccターボ+モーター
最高出力(エンジン):253ps/5500rpm
最大トルク(エンジン):35.7kg‐m/2500-5000rpm
最高出力(モーター):(前)70.7ps/3000-4000rpm(後)145.5ps/3280-1万5900rpm
最大トルク(モーター):(前)16.8kg‐m/0-3000rpm(後)31.5kg-m/0-3280rpm
ギアボックス:電子制御前進8速オートマティック

ボルボV60アルティメットB4のスペック

価格:639万円(本体価格)
全長:4780mm
全幅:1850mm
全高:1435mm
ホイールベース:2870mm
車両重量:1710kg
パワートレイン:直列4気筒1968ccターボ+モーター
最高出力(エンジン):197ps/4750-5250rpm
最大トルク(エンジン):30.6kg‐m/1500-4500rpm
最高出力(モーター):13.6ps/3000rpm
最大トルク(モーター):4.1kg‐m/2250rpm
ギアボックス:電子制御前進7速オートマティックギアトロニック

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みんなのコメント

1件
  • 分かりやすいレビューだと思います
    いずれもなかなかいい車ですよ、他の御三家のゴージャス豪華絢爛ではなく、北欧デザインの上質な空間の車となると他にはなかなかないと思います

    あとは違いはすべてにgoogleになったということと、シリーズが再編されてVとSからはB5がなくなったことでしょうか
    排気管が隠しスタイルになった
    また、HVバッテリーが2022lateモデルから18.8kwhに変わり航続距離が伸び、パワーも上がったこと

    センサー感度が上がってより積極的に細かくコントロールするようになった?ことでしょうか
    自動駐車は相変わらず左側だけの検知なのかな…
    一応車が主体なのだから「ok,google」じゃなくて「おい、ボルボ」とかのほうがいいような気がする

    他の御三家考える人も一度はボルボディーラーに行って試乗してみられてはどうでしょうか
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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