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「エリーゼ」「エキシージ」「エヴォーラ」の生産が終了した新生ロータスのこれから

掲載 更新 7
「エリーゼ」「エキシージ」「エヴォーラ」の生産が終了した新生ロータスのこれから

連載/石川真禧照のラグジュアリーカーワールド

 英国のロータスは、1952年にコーリン・チャップマンという優れた技術者であり、優秀なビジネスマンであった人物が創業したブランドだ。当初は、大衆車をベースにしたレーシングカーを造っていたが、同時に組み立てキットでも造れる「セブン(7)」を発売し、会社を軌道に乗せた。

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以来、フォーミュラ1のマシンを次々開発し、世界チャンピオンに何度も輝き、名声を手に入れた。市販車の世界でもフォードと手を組んだり、独自のスポーツカーを生産し、存在感を示してきた。

 近年のロータスは「エリーゼ」を1995年に発売し、ブリティッシュ・ライトウエイト・スポーツを復活させた。この「エリーゼ」の成功から「エキシージ」「エヴォーラ」など、次々とライトウエイトのバリエーションを拡大していった。しかし、次世代を見据えたスポーツカー造りに専念することを決意し、2021年1月にこの3台の生産中止を発表した。

ハイパースポーツカー「Evija」

 2021年でロータスの3種類(エリーゼ、エキシージ、エヴォーラ)が生産終了となる。そして、ロータスの次世代がスタートする。すでに2019年に世界初のフル電動ブリティッシュハイパーカー、「Evija」が発表されている。このクルマは2019年9月に富士スピードウエイで行なわれた「ジャパン ロータスデイ 2019」にプロトタイプカーが公開されている。



 ロータスのレースカー、ロードカーにはすべて開発コードが付いているが、「Evija」は「タイプ130」と呼ばれている。それを記念して生産台数は130台。価格は2億6000万円~2億9000万円で、手付金として3600万円を支払うことになっている。当初の計画では2020年の間に生産を開始することになっていた。「タイプ130Evija」は2人乗りのミッドシップスポーツカー。超軽量カーボンファイバーのモノコックボディーが特徴で、そのスタイリングはルマンに出場しているレーシングカーからヒントを得たという空力性能を誇る。



 フロントボンネット両サイドの空気口から入った空気は、リア両サイドの排出口までつながっている。この空気の流れでボディの安定性とバッテリーの冷却効果を高めているユニークな構造を採用している。ドアミラーはフロントウイングに組みこまれた電動式カメラがせり出し、ルーフに内蔵されたカメラが中央から見た視界を確保し、室内のスクリーンに表示される。



 車体中央に搭載されるパワーユニットは、2000kWのリチウムイオンバッテリー。ロータスとジョイントアドベンチャーを組むウイリアムズアドヴァンストエンジニアリング(WAE)が供給している。ウイリアムズといえば、F1マシンコンストラクターとしても有名な会社だ。そのウイリアムズとロータスが手を組んでこのピュアEVスポーツカーをつくりあげたのだ。

 バッテリーパックは室内の背後、中央に収まっている。バッテリーカバーはリアガラス越しに見える。バッテリーパックから供給された電力は2基の電気モーターに送られる。モーターは前1基、後1基で車軸を動かす。インバーターと遊星歯車のトランスミッションが4WDパワートレインの車軸に搭載されている。

目標最高出力2000PS、目標最大トルク1700Nmで、最高速は320km/h以上。0→100km/hの加速は3秒以下、目標最大航続距離400km。7分間はレースモードで出力を低下させることなくフルパワーを維持できるという。さらに充電も9分で800kWまでの充電を目標にしている。

 室内に乗りこむにはデイヘドラルドアを採用。ドアハンドルはなくリモコンキーで開閉する。室内からのドア閉はルールコンソールのスイッチを用いる。運転席はカーボンファイバーのシエルシートでアルカンタラ張りの厚いパッドが施されている。ハンドルはF1と
同じく横長四角のタイプ。

 走行モードボタンは、レンジ/シティ/ツアー/スポーツ/トラックが選べる。メーターは1つですべてのディスプレイを呼び出して操作する。このような新しさもロータスの魅力のひとつと言える。実車が日本に上陸するのは今秋と見られている。

新しいライトウェイトスポーツ「タイプ131」

ロータスの新シリーズスポーツカーの開発番号。ロータスは、創業からの製作車の開発番号は通し番号になっている。なので、131番目のクルマ。詳細は明らかになっていないが、発表された資料を見る限りでは「タイプ130」「Evija」と共通の空力哲学を実践したスタイリングのミッドシップ2シーターといわれている。

 2021年にロータスの英国へセル工場でプロトタイプの生産を開始。へセルはロータスの本社所在地で「タイプ131」の生産開始に伴ない、140億円以上の投資を株主の吉利(ジーリー)とエティカが実施する。
実車の登場は2022年頃だと思われる。

■関連情報
http://www.lotus-cars.jp/news/news/lotus-evija/

文/石川真禧照 

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みんなのコメント

7件
  • これでロータスからコーリン・チャップマンのDNAは完全になくなっちゃうんでしょうね。
  • ロータスって庶民が頑張ったら買えるスポーツカーだった筈!
    初心忘れた車造ってたら御大が化けて出てきますよ😓
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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