「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、スマート フォーツーEDだ。
スマート フォーツーED(2010年:日本未導入モデル)
2012年の市販化を目指して世界中で実証実験中のスマート フォーツーの電気自動車が日本にもやって来た。その名も、「フォーツーED」。「ED」とは、もちろん「Electric Drive(エレクトリック ドライブ)」の略だ。メディアに向けてテスト車両の試乗が許されたので、さっそく乗り出して、そのパフォーマンスを確認してみることにした。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
メタリックグリーンのホイールと、「electric drive」や「zero emission」などのロゴは目立つけれど、外観やサイズはガソリンエンジン版のスマート フォーツーとまったく変わらない。室内では、ATセレクターのポジションがP-R-N-Dしかないこと、スピードメーターの下に最大出力のインジケーターが、センターダッシュ上にチャージレベルゲージとエネルギーステータスゲージのサブメーターが備わるのが識別点だ。
チャージレベルゲージは充電状態を%で示すメーター。エネルギーステータスゲージは充電された電気が消費されると-、回生ブレーキなどで充電されると+に指針が動くメーターだ。
車両重量は公表されていないが、車検証を見ると970kgと記載されていた。エンジン車より140kg重いことになる。そのせいか、ゼロ発進はちょっとタルい。それでも、アクセルペダルを踏み続ければ「ウイーン」と電車のようなインバーター音を発しながらスムーズに加速していく。アクセルペダルにはキックダウンスイッチがあり、通常の最高出力は20kWだが床まで踏み込むと30kWにアップするという。
電気を意識せずに普通に乗れるから、けっこう楽しい
市街地走行では、まわりのクルマの流れに遅れを取ることはなく、スムーズに走ってくれる。ちなみに、公表値の0→60km/h加速は6.5秒、最高速度は100km/h(リミッター作動)。高速道路でも左車線を80km/hプラスで淡々と走るなら問題はないだろう。車両重量のせいか、エンジン車より高速安定性は良さそうに感じられた。
だが、その重くなった車両重量のため足まわりを固めているようで、乗り味は少しゴツゴツしている。ブレーキは最初のタッチは重めだが、とくに違和感はない。
市街地走行では積極的に電気を回生させるようで、アクセルをオフにするとエネルギーステータスゲージはけっこう+に振れる。このゲージをなるべく+に維持し、チャージレベルを減らさないようにして走ると「電費」は良くなる。
今回の試乗では、都心から海ほたるPAの往復で約80kmを走行し、バッテリーの残量は約53%。フル充電からの航続距離は公表値で135kmだから、この数値は十分クリアできるだろう。クルマとしての完成度は高く、シティコミューターとしてなら成功は間違いないと思わせてくれた。
(編集部註:スマート フォーツーEDは日本でも2012年に販売されました)
■スマート フォーツーED(プロトタイプ) 主要諸元
●全長×全幅×全高:2740×1560×1540mm
●ホイールベース:1865mm
●車両重量:970kg
●パワートレーン:電気モーター
●モーター最大出力:30kW(41ps)
●モーター最大トルク:120Nm(12.2kgm)
●トランスミッション:無段変速機
●駆動方式:RWD
●タイヤ:前155/60R15、後175/55R15
●充電時間:AC200Vで8時間/100Vで16時間
●航続距離:135km
●0→60km/h加速:6.5秒
●最高速度:100km/h(リミッター作動)
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