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6速MTのみの「特別すぎる」レガシィ!「S402」は世界最強のグランドツーリングカーだった

掲載 更新 11
6速MTのみの「特別すぎる」レガシィ!「S402」は世界最強のグランドツーリングカーだった

Sシリーズはインプレッサだけじゃなくレガシィにも存在した

 Sシリーズといえば、STI(スバルテクニカインターナショナル)が手掛けるコンプリートカーシリーズの最高峰に与えられるネーミングだ。

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 2000年に登場した初代インプレッサWRX STiバージョンをベースとしたS201に始まり、海外のSTIファンのために作られたともいわれる最新のS209まで、多くのモデルが存在する。ほとんどの人はSシリーズと聞くとWRX系をベースとしたモデルを想像するだろうが、じつは少数ながらレガシィベースのモデルも存在するのだ。

レガシィ初のSモデル「S401」はセダンのみの設定だった

 SシリーズにはインプレッサまたはWRXをベースとした「S2○○」と、レガシィ系をベースとした「S4○○」が存在する。いずれもSの称号を与えられるモデルというだけあり、内外装から足まわり、エンジンに至るまでベース車とは一線を画す格別のモデルだ。

 レガシィ初のSシリーズは、2002年に登場したS401から始まる。S401は3代目レガシィB4をベースにしたセダンボディのみの設定だったが、不等長の独特なサウンドが5ナンバーサイズで楽しめるうえ、6速MTやブレンボキャリパーなどの特別架装を備えた貴重なモデルであった。

 その後はBP/BL型と呼ばれる4代目レガシィをベースにした「tuned by STI」が2005年/06年/07年と3年連続で発売。現在のtSシリーズに通じる足まわりを中心にSTIがチューニングしたモデルで、Sシリーズとは別のシリーズであり、Sシリーズの系譜であるエンジン関連のチューニングは施されず、ATモデルも設定されていた。

エンジンはもちろん強靱なシャーシが誇る卓越した走りを実現

 そして2008年に満を持して登場したのが「S402」だ。このモデルは、4代目レガシィをベースに輸出仕様のEJ25型2.5L水平対向4気筒DOHCツインスクロールターボに6速MTを組み合わせていた。

 4代目レガシィで2.5Lターボ&6速MTの組み合わせを味わえるのは唯一S402だけ。等長等爆エキゾーストシステム、ツインスクロールターボの組み合わせも希少な存在であった(2.5XTやWRX STI A-Lineはシングルスクロール)。最高出力210kW(285ps)/5600rpm、最大トルク392Nm(40.0kg-m)/2000~4800rpmの高性能を発揮し、4代目レガシィのなかで最高のスペックを誇った。

 サスペンションはSTIが誇るフレキシブルシリーズをはじめとしたシャーシチューニングに加えて、STIチューニングのビルシュタイン製ダンパーとスプリングをマッチング。その他、STI製ピロボールブッシュリヤサスリンク、BBS製鍛造18インチアルミホイール+235/40R18タイヤなども専用装備。ハイパワーエンジンと抜群のフットワークに加えて、制動性能もフロントにブレンボ製18インチ2ピースブレーキローター&対向6ポットモノブロックキャリパー、リヤにもブレンボ製17インチローター&対向2ポットキャリパーを採用。卓越した走りを高次元でバランスさせていた。

Sシリーズ唯一のツーリングワゴンをラインアップ

 前述のとおり、ボディ形状はS401がセダンのみの設定であったのに対し、S402は待望のツーリングワゴンも設定。現時点ではSシリーズで唯一無二のワゴンボディである。

 限定数はセダン/ワゴン合わせて402台。4代目レガシィのパワーユニットは2L 4気筒エンジンが主力であったが、2.5Lのターボモデルはアウトバックの特別仕様車「2.5XT」以外では、S402だけに搭載された。

 ちなみにS401では型式名が標準モデルのBE5型に対し、BESという専用型式が与えられ、S402の場合はツーリングワゴンがBP9改、セダンがBL9改というベースモデルからの構造変更車という扱いであった。

 また、エクステリアはSTI製のカーボンフロントアンダースポイラーや金属調ドアミラー、専用オーナメント類が目を惹く。だが、なんといってもフェンダーグリルを備える片側20mmずつ拡幅された専用フロントワイドフェンダーがエクステリア最大の特徴といえる。

 マニアックな部分ではベースモデルの2.0GTスペックBには非装着のヘッドランプウォッシャーが備わる点にも注目。あらゆる環境で視界を確保する究極のグランドツアラーらしい装備である。

 対してインテリアは、エクステリアやメカニズムに対して控えめな印象だ。専用のトリム類が採用されているものの、一見ベースモデルと同じように見えるカップホルダーには赤色のイルミネーション(ベースモデルはブルー)が採用されたほか、STIロゴや表皮だけと思わせるシートは座面に専用低反発クッションが備わるなど、形状だけでは計り知れないこだわりの専用アイテムが与えられていた。

発売から13年が経過した今でも「誉れ高い」走りを体感させてくれる

 さて、気になる乗り味でだが、筆者はつい先日、中古のS402の購入を検討しているオーナーに代わり、購入前の試乗を知人から依頼された。新車当時にもステアリングを握ったが、13年を経過した今、あらためて試乗できたのは貴重な機会だった。

 実際にステアリングを握ると経年変化を感じさせる部分もあるが、低回転から湧き上がるトルク、踏み込めばグイグイと背中を押されるような加速感はいまでも一級品であることを感じさせる。ステアリングフィールは13:1というクイックなギヤレシオのおかげで、切り始めからシャープに鼻先が向きを変えてくれる。

 新車当時は若干硬さを感じた乗り心地も、年月を経たことでヘタっている訳ではなくいい意味でジェントルだと感じられ、乗れば乗るほどに味わい深い走りを実感。その欧州車にも負けない走行フィールは、日本車離れした上質さと、発売から13年近くが経過した現在でもグランドツーリング性能を損なうことがなく好印象は当時のままであった。

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みんなのコメント

11件
  • フェンダーの偽ダクトがMのパッチもんみたいですね
  • 今のゴリゴリなデザインのレヴォーグにはない綺麗な佇まいです。
    昔のことばかり言っても仕方が無いですがどうしても言いたいです。

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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