使いきれないほどの機能が充実
テスラは面白い。いや、さんざんいろんな体験を書き連ねてきたが、いまだにすべてを知り尽くしたわけではない。前に所有していたモデルYでもそうだったが、しばらく経ってから見つかる機能や体験するものがあるのだ。「え、こんな機能があったの?」というものが次々と出てくる。速い、静か、充電がラク、そういう基本的な話はこれまでしてきた。
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でも今回取り上げたいのはもっとニッチな部分だ。ほかのクルマでは絶対に見ることがない、ちょっとクセのある機能たちを改めて整理してみた。これがまた、便利だったり楽しかったり、と知れば知るほど沼から抜け出せなくなる理由のひとつでもある。
<空気をバリアにする「対生物兵器モード」>
モデルYには「Bioweapon Defense Mode(対生物兵器モード)」が搭載されている。いや、冗談ではなくマニュアルにそう書いてある。名前のインパクトが強すぎて最初は笑ってしまったが、機能の中身は至って真剣だ。このモードは、HEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルターを最大限稼働させて車内の空気を強力に浄化しながら、キャビン内の気圧を外気よりわずかに高く保つことで、花粉や微細な汚染物質が外から入り込むのを防ぐ仕組みである。
マニュアルによると、このHEPA フィルターは、大気汚染・アレルゲン・バクテリア・花粉・カビ胞子・ウィルスなどの微粒子を効率的に排除する超高性能フィルターで、加えて、HEPA フィルターと補助フィルターシステムの両方に活性炭が使用されているので、あらゆる種類の臭いやガスを除去できるそうだ。
花粉がつらい季節には、乗車する少し前にアプリから「対生物兵器モード」をオンにしておくと、車内の空気が非常にクリーンに保たれていて外気の侵入を最小限に抑えるため、花粉症の私にとって確実にその恩恵を感じている。とても“使える”機能のひとつだ。
<「ペットモード」と「キャンプモード」——クルマが過ごせる空間に>
ペットを飼っている人に重宝するのが通称「ドッグモード」と呼ばれることもある「ペットモード」。ペットをクルマに残して離席するとき、エアコンをかけたまま駐車できる機能で、ディスプレイに現在の車内温度とともにペットが保護されていることを通行人に伝えるメッセージが大きく表示される。「犬が閉じ込められている!」と思った人が窓を割ろうとするのを防ぐための配慮で、海外での実例から生まれた機能だという。こういう細かいところにも目を配る発想が、いかにもテスラらしい。
同じく「キャンプモード」を使えば、エアコン・照明・音楽を動かしながら過ごせるよう設計されている。なにせエンジンがないのでアイドリングもなく寝るときも静かそのもの。モデルYは後部座席を倒せばフラットになるので、簡易ベッドを敷けば車中泊の選択肢になる。一晩中エアコンを使用しても消費電力は比較的少なく、実際の消費量は季節や設定温度によって変わるが、おおむね数%~十数%程度で収まることが多い。エアコンなしでも自動車用の電気毛布を使えば、より少量の電力で夜を過ごせる。アウトドア好きにはかなり刺さる機能だと思う。
クルマはもはや走るだけの道具ではない
<「セントリーモード」が録画と爆音でテスラを守る>
駐車中に人や物が近づくと全周囲のカメラが自動で録画を開始する「セントリーモード」も、ほかのクルマではなかなか代えがきかない機能だ。駐車場でのドアパンチや当て逃げ被害に遭っても、映像がそのまま証拠になる。周囲を監視し、不審な動きを検知すると映像を保存する設計なのでバッテリーへの負荷も抑えられている。録画のためのUSBメモリは購入時から装着されているし、より大容量なものに変更すれば長時間録画も可能。ひとたびセットしてしまえばあとは自動だ。
この「セントリーモード」の効果は盗難に対しても有効で、不審者がイタズラをすると録画はもちろんのこと、同時にクラクションとバッハの”「トッカータとフーガ」ハードロックバージョン”も爆音で鳴り響く。そのおかげか米国道路安全保険協会のデータでは、車両盗難保険金請求頻度が全米でもっとも低いグループに入っていて、テスラのモデル3とモデルYは1位と2位にランクインしている。それにしてもなんでバッハなんだ……!? しかもハードロック(笑)。
<「シアター」「アーケード」「おもちゃ箱」——クルマがエンタメ空間になる>
駐車中に別の顔を見せるのも、テスラならではだ。「シアター」ではNetflix、YouTubeなどの動画をタッチスクリーンで楽しめる。ブラウザを使用すればアマゾンプライムなども観ることができる。利用にはWi-Fi接続か、有料のプレミアムコネクティビティ契約のどちらかが必要だ。“プレコネ”未契約の私はスマートフォンのテザリングでWi-Fi接続して利用しているが、充電待ちではかなり重宝している。
「アーケード」ではゲームが遊べる。これもまた充電中に楽しんでほしいという機能だ。Bluetoothコントローラーやステアリングのボタンでプレイできる。Wi-Fiなしでも楽しめるものが多く、「おもちゃ箱」には音楽制作ツール「TRAX」、タッチスクリーンでお絵かきができる「スケッチパッド」、車内のアクセントライトを音楽にあわせてシンクロさせる「ライト同期」なども入っている。自分自身が遊んでもいいし、子どもと一緒なら、充電中に暇を持て余すことなく、楽しむことが可能なのだ。
以前、テスラを「タイヤが4つついたデバイス」と表現したが、こうして機能を並べてみると、その言葉がますます的確に思えてくる。たぶん、まだまだ見つけていない機能もあるはずだ。おもしろい、楽しいものが見つかったら、また紹介していこう。
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皆そんなに欲しくない。