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「カッコよく決めたかったなあ……」富士ラストアタックの立川。Q1担当の石浦「SNSアカウント削除を覚悟して臨んだ」

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「カッコよく決めたかったなあ……」富士ラストアタックの立川。Q1担当の石浦「SNSアカウント削除を覚悟して臨んだ」

 今シーズン限りでのスーパーGT500クラスからの引退を発表した38号車ZENT CERUMO GR Supraの立川祐路にとって、今回の第4戦富士の予選は最後のアタックとなる。スーパーGT歴代最多ポールポジション記録(24回)を保持する立川にとって、富士での最後のアタックはどのようなものだったのか。その最後の富士のアタックにつなぐチームメイトの石浦宏明にもその大きな重積がのしかかっていた。

 稀代の名ドライバー、立川の最後の走りを近くで見守ろうと、最後の富士となった38号車ZENTのピット周りには、常に多くのカメラマンが集まり、ピット裏には多くのファンが訪れていた。ある程度予想されていたとはいえ、立川、そして石浦のふたりはいつもと異なる光景に、期待と緊張感を感じていた。

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「Q1を突破できなかった時のTwitterのコメントを想像して予選に臨みました。ちょっと、恐ろしいですよね。Q1で落ちた時には、自分のTwitterのアカウント削除かなと」と話すのは、予選Q1を担当した石浦宏明。

「予選Q1の時には、クルマの周りにたくさんのカメラが来ているのを見て『コイツ、まさかQ1で落ちるんじゃねえぞ!』『Q2にしっかりバトン繋げよ!』という雰囲気を感じました。でも、そのプレッシャーが楽しさみたいに変わっていって、今週末はクルマの調子がいいというのもあるのかもしれませんが、思ったよりも平常心でアタックできました」

 異様な緊張を感じながらも、さすがプロ。石浦は自分の役割をきっちりとこなして予選Q1を5番手通過。予選Q2の立川の見せ場を作った。

「Q1は通過できるだろうと思っていましたので、立川さんにタイヤとかクルマのインフォメーションをきちんと伝えられるように、アタックしました。ただ、アタックに入る計測3周目の1コーナーでタイヤをロックさせたら、僕も引退だなと思っていましたので、ちょっと硬くなりました(編集注:第2戦富士の予選Q1で石浦はアタックに入る1コーナーでタイヤロックさせてしまい予選Q1敗退、そしてタイヤ交換によるピットスタート)。今回もしピットスタートとかになったら、さすがにもう……。とにかく、僕としてはバトンをつなげることができて、アカウントを削除することにならなくてよかったです」と、予選を振り返った。

 その石浦からのバトンを受け取った立川祐路。最多ポール記録の更新も期待された中、最後の富士の予選にはどのように想いで臨んだのだろう。

「予選Q1では石浦の気合いを感じました。Q2の僕に繋いでくれたので、その気持ちを汲んでアタックに行きましたが、Q1を見ていてもトップを狙える感じではないのは察していました。石浦もあのタイムがいっぱいいっぱいという感じだったので(最多ポール記録の更新は)狙える感じではなかったですけど、自分の走りをしようと。富士での最後の予選アタックだったのですけど……いつもどおりで変わらずアタックしましたね」と、立川。

 飄々としたいつもの立川らしさが見えるが、それでもやはり最後の富士には、平常心ではいられない、いつもとの違いも感じていたようだ。

「妙な緊張感と、きちんと見てもらえるのはありがたいのですけど『そんなに見ないでくれ~っ』という(苦笑)、ちょっと照れちゃいますね。いつもどおりでいましたけど……ただ、なんですかね、そんなに意識していないつもりでも何か意識しているんですかね。昨日、サーキットに来る時に何か調子が悪くて、コロナにでもなったのかなとか思っていたら、記者会見が終わったら治っていた。気のせいでしたね。今日も朝、走る前からなんか歯が痛いと思っていましたけど、今はなんともないのでたぶん気のせいですね。自分が意識していないと思っていても、何かあるのかなという感じがありますね」

 富士マイスターと呼ばれた立川、その最後のアタック自体はどのようなフィーリングだったのだろう。

「アタック自体はそこそこな感じで、大きなミスもなかったです。ただ、もうちょっとコンマ1~2秒、上げるだけで結構順位が違ったので、そこはもうちょっとカッコよく決めたかったなと自分的には思っています。あまりカッコよくなかったので、最後の富士のアタックとしては悔しい部分がありますけど……カッコよく決めたかったなあ……。その分、明日の決勝でカッコいいところを見せたいと思います」

 珍しく、つぶやくように本音を漏らす姿が印象的だった立川。最後の予選アタックには少し悔しさが残るようだが、クルマの手応えは良さそうだ。

「クルマの状態もいいし、明日に向けては勝負できる感覚はあるので、明日はさらに上位で表彰台圏内を目指して、最後の富士の表彰台に乗りたいなと思います」

 富士マイスター立川祐路の最後の富士。立川らしい走り、そしてキレッキレのオーバーテイクをしっかりと目に焼き付けたい。


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