危険すぎる!? 転倒続出の雨のル・マン
皆様こんにちは。レーシングライダーの大久保光です。今回は世界耐久選手権第1戦ル・マン ラウンドの決勝の前半部分について書いていきたいと思います。
【画像】難コンディションで転倒続出!! EWC開幕戦 ル・マン24時間レースでブガッティサーキットを走る大久保光選手を画像で見る
まずは決勝日、予報通り天気は下り坂。スタートライダーは今回、私が務めることとなりました。24時間レースでは、「もし天気予報がハズレて雨が降らなかったら」、「もしハーフウェットの状態が続くレースとなったら」などと、あらゆるシミュレーションをチーム内で話し合い、じっくりと作戦を立てていきながら本番に備えていきます。
チームとしての作戦は、もしドライコンディションで行けるのであれば私と渡辺選手がなるべく新品タイヤを履いてプッシュしていき、伊藤選手と奥田選手が中古タイヤでなるべく頑張って順位を守るというものでした。
しかしレース開始の1時間前に雨が降ってきてしまい、コンディションは完璧なウェットとなります。
私のチームを含め、このウィークに雨の走行はなかったので、各チーム見切りという形でマシンのセットアップを変更。
しかし耐久レースということもあり、途中でコンディションが変わる可能性は大いにあるため、そこまで雨のセットに傾けることもできない為、前後サスペンションのイニシャルを抜く程度の変更でレースに挑むこととなりました。
鈴鹿8耐でもそうですが耐久レースのスタート前には様々なイベントがあり、大体スタート前進行はレース開始の1時間前ぐらいから始まります。
ル・マン24時間はフランスでも人気の高い耐久レースということもあり、メインスタンドは空いているところがないぐらい観客は満員。例年とても盛り上がるこのスタートの時に、私のテンションも徐々に上がっていきました。
EWC(FIM世界耐久ロードレース選手権)のスタートは、ル・マン式スタートと呼ばれるメカニックがマシンを押さえているところまで、ライダーがコースの端から走って乗り込みスタートする方式。スタートの合図もシグナルではなく、コントロールラインの下で国旗が振り下ろされてのスタートとなります。
もちろん今回の開催国はフランスなので、スタート時に振り下ろされる国旗はフランス国旗。 そんなスタート直前の状況でグリッドに並んだところ、ひとつ大きな問題が発生してしまいます。なんと前後のライダーの体格が大きく、振り下ろされる国旗が見えなかったのです(苦笑)。
覗き込むような姿勢をとって、何とかスタートの合図となる国旗を確認することができましたが、そんな姿勢からうまく走り出すことができず、スタートの時には大きく出遅れる形でマシンのところまで走っていきました。
しかし、そこからバイクを始動させて発進させる流れは上手く行き、オープニングラップはクラストップで通過することができました。
しかし突然の雨、そしてとてもスリッピーで有名なル・マンのアスファルトに翻弄されるライダーが続出し、オープニングラップから転倒の続く波乱のレーススタートとなり、私も7周目の最終コーナーでスリップダウンしてしまいます。
幸いマシンにダメージはほとんど無く、すぐに再スタートをする事ができましたが、20秒ほどのタイムロス。他チームも続々と転倒していき、気がつけばクラス3位で私の第1スティントを終える事ができました。 続いてのライダーは伊藤選手。初めての世界耐久レースがこのようなコンディションとなり、正直不安な気持ちもありましたが、彼の実力を信じてバトンを託しました。
伊藤選手は初レースにもかかわらず、冷静に徐々にペースを上げていきましたが、難しいコンディションに足元をすくわれる形でスリップダウン。幸いこちらもほぼダメージはなく、すぐに再スタートを切ることに成功し、大きな順位変動をすることなく、無事にスティントを終えることができました。 伊藤選手の次は渡辺選手にライダーチェンジ。この難しいコンディションの中でもハイペースを維持し、クラストップまで順位を上げるとそのまま後続引き離していく勢いだった矢先、コーナー進入で転倒。マシンも大きく破損してしまい緊急ピットインを余儀なくされました。
幸いライダーに怪我はなく、マシンも10分ほどで修復完了となりましたが、この転倒で順位を大きく落としてしまいます。ここまで波乱のレース展開が続いていますが、まだレースは3分の1にも達していない時間帯でした。
私たちのチームだけでなく、数多くのチームが転倒、修復を繰り返す近年稀に見るサバイバルな展開に、私たちも諦める事無く再度コースに復帰してレースに戻りましたが、まだまだ先は長くそして更なるトラブルに見舞われます。
これも24時間という長丁場な耐久レース。この続きはまた次の記事で書いていきたいと思います。
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