マクラーレンは、今季のF1開幕時点ではパフォーマンス不足に苦しんでいたが、シーズン中のアップデートで競争力が大きく向上。現時点で、レッドブルに次ぐ安定感と速さを見せているといってもいいだろう。
先日のアメリカGPでは、ランド・ノリスがスプリントと決勝共に2位を獲得。決勝ではスタートでポールシッターのシャルル・ルクレール(フェラーリ)を交わすと、レース前半で首位をキープした。
■ノリス、今季中の初優勝はもう望み薄?「マクラーレンが得意なサーキットはもう残っていない」
一方でノリスはタイヤのマネジメントに苦労し、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とルイス・ハミルトン(メルセデス/レース後にマシンの技術違反で失格)に抜かれてしまっており、まだ課題が残っているのも否めない。
今のマクラーレンMCL60は高速サーキットを得意とするマシンとなっているが、今季の残りのレースであるメキシコ、ブラジル、ラスベガス、アブダビはそうした特徴からは外れており、ノリスは自分が今季中に初優勝を果たすチャンスはもうないと考えている。
さらにチーム代表のアンドレア・ステラは、マクラーレンがレッドブルに戦いを挑むためにペースやタイヤのデグラデーションを劇的に改善する”魔法の”アップグレードを準備しているわけではないと言う。
「我々は今シーズンに関して現実的に考えている。ラップタイムを向上させたり、タイヤのデグラデーションという観点から状況を大きく変えるような改善が見込めるような、マシン開発上の魔法があるわけではない」
「でも同時に、この(サーキット・オブ・ジ・アメリカズの)コースで、1スティント半にわたってレースをリードできるとは思っていなかった。これからのレースを楽しみにしているし、成功できることを願っている」
思い返せば今季の開幕戦バーレーンGPでは、ノリスもチームメイトのオスカー・ピアストリも予選Q3に進出できず。決勝ではピアストリがリタイア、ノリスが完走最下位の17位に終わっている。
しかし、アゼルバイジャンGPでは新たなフロアを投入し、オーストリアGPからは ”ほぼすべての空力パーツ”を変更する3段階のアップデートを実施。一気に表彰台を争えるまでのパフォーマンスを手にした。
こうした大きな進歩を果たしたことによって、逆にアメリカGPで優勝を逃したことに複雑な気持ちを感じてしまうとステラは話した。
「表彰台を祝うと同時に、第1スティントを終えて、最終的に勝利をつかむのに十分なペースがあるように見えた」
「表彰台にはとても満足しているということを再確認すると共に、レース後の最初の数秒間は、誰もが『ああ、優勝できなかったのは残念だ』と思ったんだ」
「今シーズンのスタート地点を考えれば、表彰台をいくつも重ねることの重要性は誰もが理解しているはずだ。でも、もうそろそろ次のステップを探そうというこの決意も好きだ」
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