マクラーレン・レーシングがF1で表彰台の頂点に舞い戻り、インディカーのタイトルに迫った記憶に残る2021年を終えたあとでは、2022年がさらにエキサイティングになるとは信じがたいかもしれない。しかし、F1、インディカー、エクストリームE、そしてeスポーツと、今年は4つのシリーズで戦うという事実を考えれば、2022年は2021年を超えるためのすべての材料を備えている。ここではその理由を明かそう。
■レース
4つの異なるシーズに参戦することは、モナコGPの魔法からインディ500の熱狂のスペクタクル、魅惑のサルディーニャ島に至るまで、我々が現実でもバーチャルの世界でも、モータースポーツの世界で名高いレースに出場することを意味する。2022年最初のレースは、2月19日と20日にかけて行われるサウジアラビアはネオムでのエクストリームEデビュー戦だ。そして、11月20日にアブダビで開催されるF1最終戦と12月のF1 Eスポーツグランドファイナルで、今年のレースは幕を閉じる。つまり10カ月もの間、マクラーレンのレースを見ることができるのだ。
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おすすめのレースを挙げろと言うなら、9月9日~12日のF1イタリアGPはその第一候補だ。2021年に忘れがたい1−2フィニッシュを決めたモンツァに我々は帰ってくるのだ。もちろんエクストリームEのチリでのXプリやラグナセカでのインディカー最終戦も外せない。
F1だけでも話すことはたくさんある。トリプルヘッダーに、(おそらく)昨年以上のスプリント予選、そして日本GPの舞台である鈴鹿や、ダニエル・リカルドのホームレースとなるオーストラリアGPのアルバート・パーク・サーキットなど、世界で最も崇高なサーキットがカレンダーに戻ってくる。スプリント予選の開催はまだ確定してはいないが、過去最多の23グランプリを誇る今シーズンは、決してスプリントとは言えないだろう。あとは……
……私達はマイアミに行くのだ。
今年マクラーレンが参戦する全てのレースはそれぞれに魅力があり、多様で活気に満ちたモータースポーツのカレンダーに特別な何かをもたらしてくれる。しかし、マイアミGPはとりわけ重要だ。F1はこれまで、アメリカには本当の意味では進出できていなかった。しかしネットフリックスの『フォーミュラ1:栄光のグランプリ』や『マクラーレン・ファン強盗(McLaren Fan Heist)』(アメリカのファンを取り込もうというマクラーレンのキャンペーン)によって視聴者数と関心は飛躍的に高まり、それはもう少しの所まで来ている。さらに、ハードロック・スタジアム周辺の5.41kmのストリートコースで行われる初開催のマイアミGPは、その大きな一翼を担うだろう。
もちろん私達が今年アメリカのサンシャインステート(フロリダ州の愛称)に行くのはこれだけではない。インディカーのシーズンもフロリダはセント・ピーターズバーグのストリートコースで2月27日に幕を開ける。
■ドライバー
もしあなたが2022年シーズンのドライバーの顔ぶれを見て興奮しないと言うなら、私達にはどうすることもできない。ランド・ノリスは2021年自己最高のシーズンを過ごし、今年を迎える。22歳のイギリス人であるノリスは、4度の表彰台に、ポールポジション、ファステストラップを獲得し、グランプリ初優勝にあと一歩のところまで迫ると、ドライバー選手権5位を獲得した。彼の才能は今年も輝き続けるだろう。それはアロー・マクラーレンSPのパト・オワードにも言える。このメキシコ人ドライバーは2021年にインディカー初優勝を飾っただけでなく、さらに1勝を重ね、最終戦までタイトル争いに加わっていた(シーズン序盤にはランキング首位にも立った)。彼はさらに上を狙っているし、チャンピオン争いに名乗りを上げることだろう。
昨シーズンのイタリアGPでマクラーレンの一員として勝利を収めたダニエル・リカルドは、2022年シーズンも同様にさらなる成功を求めている。昨年も高いパフォーマンスを見せていたが、それでもダニエルにとっては決して一筋縄ではいかない一年であった。MCL35Mを乗りこなすには時間がかかったが、2022年はチームに完全に馴染み、新しいマシンで勝負に臨む。10年以上にわたるF1キャリアを持つ彼は、きっと力を発揮してMCL36の性能を最大限に引き出すに違いない。
ダニエルと同じように、2022年はアロー・マクラーレンSPのフェリックス・ローゼンクヴィストもマクラーレンでの2年目を迎える。21年にチームでの生活に慣れたフェリックスは、エンジン全開で今シーズンを迎えようとしている。経験とスピードの融合でいえば、ファン・パブロ・モントーヤに並ぶものはいない。このコロンビア人は最も輝かしい経歴を誇るドライバーの一人だ。昨シーズン、アロー・マクラーレンSPから自身3度目の優勝を狙ってインディアナポリス500に参戦したファン・パブロは、今年も我々とタッグを組みこの偉大なレースでの優勝を目指す。
我々は電気自動車によるオフロードシリーズ、エクストリームEという未知の領域にも初参戦する。しかし心配はいらない。昨シーズンのニュージーランドラリー選手権で優勝し、エクストリームEにも参戦していたエマ・ギルモアと、米国のラリークロスで4度のチャンピオンを誇るタナー・ファウストがステアリングを握ってくれる。
以上のドライバーはサーキットで、あるいはオフロードでマクラーレン・レーシングから参戦するドライバーたちであるが、バーチャルの世界で仕事をする者もいる。たゆまぬ努力と、数え切れないほどのシミュレーターでの走行を行っている、テスト・開発ドライバーのオリバー・ターベイとウィル・スティーブンスそうだし、近々発表されるマクラーレン・シャドウのeスポーツドライバーたちもそうだ。
■新型マシンと接近戦
ここ数十年で最大の技術レギュレーション変更により、F1は今シーズン新時代を迎える。グラウンド・エフェクトの重視、18インチホイール、低扁平率タイヤ、燃料における再生可能エネルギー含有量の20%への引き上げ、より美しくなった外見、新しいブレーキとサスペンションシステムなどにより、今シーズンのF1マシンは史上最も期待されている。さらにこれらの変更によって乱気流が減ることで、前を走るマシンの後ろにより近づきやすく、オーバーテイクも容易になる。
しかし注意が必要なのは、レギュレーション変更がフィールドの差を縮めることを保証するものはないということだ。実際、F1の歴史を通して、規則変更は反対の方向に働く傾向があり、ルールの安定はマシンデザインの収束と最速マシンと最遅マシンの差の縮小をもたらしてきた歴史がある。新しいルールをうまく身につければ、ライバルを出し抜くことができる。しかしそれを誤れば、2022年とそれ以降のレースで追いつかれる可能性もある。
接近戦は、インディカーやF1 Eスポーツにおいて保証されている。グリッド全体がコンマ数秒の差に収まることもしばしばで、スリーワイドや、インディカーではフォーワイドも見ることもできる。エクストリームEの第2シーズンは、各チームがマシンをより上手く操れるようになり、第1シーズンよりもさらに接近したものになるだろう。エマ・ギルモアをはじめ、昨シリーズに参加した人たちは、オデッセイ21のことをよく知っている。しかし、この400kw(550hp)のSUVは、マクラーレンにとって初めての完全な電気自動車であり、私たちにとっては非常に新しいものだ。しかし、冬の間に地球上で最も過酷な環境のひとつであるドーセットでテストを行い準備を進めてきた。レースが待ち遠しい。
■開発競争
F1では、ライバルに差をつけるため、あるいはペースの優位性を保つために、各チームがマシンをアップグレードしようと、毎年熾烈な開発競争が繰り広げられている。この開発競争は、パフォーマンスを左右する重要な要因となる。そして、最終的にはシーズン中にどれだけ成長できるかが、チームの運命を大きく左右することになる。
完全に新しいマシンにおいては、開発の余地は大きく残されている。まだ誰も今季型マシンのハンドルを切ってすらいないため、理解度はこれまでより小さい。各チームはサーキットで走行距離を重ね、ライバルの革新的なレギュレーション解釈を注視しながら、多くのことを学んでいくことだろう。
インディカー、エクストリームEそしてF1 Eスポーツはマシン開発が必要なレースではないが、まだパフォーマンスを引き出す余地はある。チームはシーズンを通して、セットアップを最適化し、最後のコンマ1秒まで引き出そうとするのだ。
こうやって書いてきたのだから、「聞いてない」とは言わないでほしい。2022年は忘れられない1年になるだろう。
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