こんにちは、伊藤梓です。普段は乗用車の試乗記などを書いている自動車ライターですが、プライベートではレースが大好きで、特にF1はフリー走行からチェックしたり、海外で現地観戦するなど、筋金入りのF1ファンになりつつあります。
今年は、スクーデリア・アルファタウリチームから角田裕毅選手が出場するということで、例年以上にF1を観るのを楽しみにしています。そして、先日、待ちに待った開幕戦「バーレーンGP」が行われました!
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すでに開幕戦から角田選手がその存在感と実力を見せつけるシーンがたくさんあって大興奮。「角田選手って、どうすごいの?」と思っていらっしゃる方もいると思うで、いちF1ファンとして、分かりやすくイラストと文章でまとめてみました。
文・イラスト/伊藤梓、写真/RedBull
【画像ギャラリー】7年ぶりの日本人F1ドライバーはスーパールーキー!! 角田裕毅がF1デビュー戦で入賞!!
■ルーキーイヤー開幕戦に9位入賞!!
角田裕毅選手入賞の歓喜をイラストで表現するライターの伊藤梓氏
角田選手は、今年からF1ドライバーとしてデビューしたルーキーにも関わらず、開幕戦から9位入賞、2ポイントを獲得しています。「9位?そんなに騒ぐこと?」と思われるかもしれませんが、すごいことなんです!
アルファタウリは、簡単に言うと、同じホンダパワーユニットを搭載するレッドブルの2軍のようなチームで、元々上位争いをしているチームではありませんでした。
F1は、ドライバーの実力ももちろん大切ですが、マシン性能差で順位が大まかに決まってしまうのが実情です。下位~中位チームが上位争いに食い込むためには、何かイレギュラーな展開がないと難しい場合が多かったりします。(もちろん上位争い以外も面白いのですが!)
ちなみに、アルファタウリの昨年のコンストラクターズランキングは、10チーム中7位。1チーム2台体制であることを考えると、およそドライバーの順位は大体14位になります(昨年のアルファタウリのドライバーランキングは、ピエール・ガスリーが10位、ダニール・クビアトが14位でした)。
今年は、昨年のマシンをほぼ引き継ぐ形になっているので、そうそう戦力は変わらないはず。「ということは、今年も中団くらいでの戦いになるかな?」と思っていました。
中団争いになれば、ポイントを獲得できるかできないかの瀬戸際です。ドキドキしながら、まずは予選を観戦。「とりあえず、角田選手は予選のQ3まで勝ち上がってもらえればいいな」と思っていました。
F1の予選は3段階になっていて、1回目の予選=Q1では、遅い順に20人中5人が脱落、Q2ではさらに5人が脱落、そして最後に勝ち残った10人で1~10のスターティンググリットを決めるQ3に挑むという形式です。
■Q1から大物の片鱗を見せつける
開幕戦時点で弱冠二十歳の角田裕毅。風貌にもまだあどけなさが残る
各チームと各ドライバーの実力が見えてくる大事な初戦のQ1。
なんと、ここで角田選手が、レッドブルのファーストドライバーであるマックス・フェルスタッペンに次ぐ、2位タイムを叩き出します!おそらくこの瞬間、世界中のF1ファンがざわついたことでしょう。
まだQ1とはいえ、F1チャンピオンの座を7回も獲得しているルイス・ハミルトンよりも、ルーキーの角田選手が速いタイムを叩き出したのですから。
そのざわつきが収まらないまま、Q2へ。ここでアルファタウリは、ミディアムタイヤでアタックする作戦に出ました。
F1では、Q2を突破したタイヤを決勝のスタートタイヤに使うという仕組みになっています。タイヤは、ソフトタイヤ/ミディアムタイヤ/ハードタイヤの3種類から選ぶことができ、左から「グリップは高いが劣化が早いタイヤ」で、右に行くほど「グリップは低いが劣化が遅いタイヤ」という特性を持っています。
予選では、1発のタイムが速いソフトタイヤを選びたいところですが、決勝まで持ち越して何十周もすることを考えると、ソフトタイヤではレース展開が厳しくなることが多々あります。
そのため、バーレーンのQ2では、上位のメルセデスやレッドブルも、ミディアムタイヤでのアタックを決行。中位チームであるアルファタウリも、今年は大幅にマシン性能が向上したとはいえ、ミディアムタイヤで突破するのは至難の技。
角田選手もミディアムタイヤでの予選アタックに苦戦し、結果、Q2は13位で敗退。決勝は13番手からのスタートとなりました。
■ホンダラストイヤーのレッドブルの影で……
通算4度のタイトルを獲得しているセバスチャン・ベッテルのマシンをオーバーテイク。ベッテルも驚いたに違いない
そして、決勝当日。2021年のF1の決戦の火蓋がついに切って落とされました。スタートの際、角田選手に注目して見ていると、どうでしょう。スタートに失敗したようで、15番手まで順位を下げています。「やっぱりルーキーには難しいのか……」。
その傍では、マックス・フェルスタッペンがポールポジションから見事なスタートを決めて、集団を先行しています。今年はホンダラストイヤーということもあり、「レッドブルには絶対チャンピオンを獲得してもらいたい!」その一心から、ついマックスのレースの行方に目移りしてしまいます。
約20周ほど経過して、王者ハミルトンとマックスの戦いに見入っていると、カメラがふいにアルファタウリのマシンを映しました。
そこには、後ろから猛追している角田選手の姿が。13番手まで順位を上げた角田選手は、あるマシンに食いかかかっています。そのマシンを駆るのは、4度のタイトルを獲得している、セバスチャン・ベッテル。
角田選手がチャンピオンに対して、オーバーテイクを仕掛けるシーンを見て思わず涙が滲みました。「彼は本当に世界で戦っているんだ!」と。
さらに、その前には、歴代チャンピオンであるフェルナンド・アロンソやキミ・ライコネンも……。角田選手はそれを物ともせず、チャンピオンたちを追撃し、どんどん順位を上げ、ついにポイント獲得圏内の10位まで到達しました。
そして、ファイナルラップ。9番手のランス・ストロールを目の前に捕らえ、1コーナーでオーバーテイクに成功!
特に角田選手の強みは、ブレーキングの上手さと、それによってタイヤを長く戦える状態にしておけるところ。F2時代も、最終周に近づくにつれて勢いを増し、オーバーテイクを重ねる角田選手に何度もシビれさせられました。「それがF1にも活きている!通用する!」と感じた瞬間でした。
そして、角田選手はデビュー戦で9位入賞を果たしました。
■本人は結果に不満!? 次戦を期待せずにいられない!!
デビュー戦での入賞という快挙にも関わらず、レース後に課題を口にした角田選手。次戦にも期待せずにいられない
その後の角田選手のインタビューなどを聞くと、今回の結果に満足しておらず、自分に課題があることを感じていたようですが、きっと次戦からはそれを活かしてさらに強くなって戻って来るはずです。
おそらく、角田選手の走りを見た人たちはそれを期待せずにはいられないのではないでしょうか?「いずれF1チャンピオンになるのではないか」と思わせてくれるくらい、ドライバーとして魅力ある選手だと思いますので、まだF1を観ていない方も、ぜひ角田選手の刻む歴史の一歩をその目で見てみてください!
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