12月5日、日産自動車/ニスモは富士スピードウェイで、これまでGT500クラスで活躍してきたニッサンGT-RニスモGT500に代わる2022年導入のニューマシン、『ニッサンZ GT500』を富士スピードウェイでお披露目した。
R34スカイラインGT-Rの後を継ぎGT500クラスに登場したフェアレディZは、2007年までGT500クラスで活躍。それに代わって2008年から登場したニッサンGT-Rは2008年、2011年、2012年、2014年、2015年と合計5回のチャンピオンを獲得。2021年までの14シーズンを戦い41勝を挙げてきた。そんなGT-Rは、11月27~28日に開催されたスーパーGT第8戦富士でその役目を終えていた。
ニッサン/ニスモ、2021年限りでのGT500におけるR35 GT-Rの参戦終了を発表。2022年車両は後日発表
そんなGT-Rの戦いの系譜を継ぎ、2022年から参戦する新たなGT500マシンが、第8戦富士を終えたばかりの12月5日、富士スピードウェイでお披露目された。マットブラックのカラーリングに、マシンサイドには『Z』のエンブレム、そしてボンネットとサイドには『Z』のロゴがグロス調のブラックで入る。この日はドライバーとしては松田次生とロニー・クインタレッリ、そして平手晃平、またZの歴史に、二代にわたり深くその名を刻む柳田真孝が姿をみせた。また2021年にGT-Rを使用した各チームの監督も姿をみせている。
現在ニッサンは現在進めている事業構造改革『NISSAN NEXT』でブランド価値の再構築に取り組んでいる。Zはブランド価値再構築の取り組みのなかの一台であり、そのレースシーンへ挑戦することで取り組みを加速させるべく、2022年から果敢に挑戦するニッサンブランドのDNAを象徴するZでGT500クラスへ挑むことになった。
Zはこれまで、S30時代からサーキットで活躍。1970年代初頭にアメリカのレースシーンでも活躍した。また、1990年代にはIMSA GTOクラスで多くのチャンピオンを獲得。また先述のとおりZ33は2004年にJGTC全日本GT選手権のGT500クラスにデビュー。チャンピオンを獲得したほか、GT300でも活躍した。またZ34もスーパー耐久やGT4規定レースなどさまざまなレースで活躍してきた。
そんなZの系譜を継ぐニッサンZ GT500は、レギュレーションに合わせベース車両による空力の有利、不利がないようスケーリングと呼ばれる作業が行われながらZのボディを再現している。スケーリングを経ているものの、フロントを中心に素性の良さを感じさせるボディだ。また市販が予定されているZと同じく、サイドウインドウ上部にシルバーのモールが配され、Zらしさを強調する。一方GT500車両としては、これまでのGT-Rとは異なるラテラルダクト形状も見られている。またこの日は、役目を終えたMOTUL AUTECH GT-RもZとともにサーキットに登場した。
このニッサンZ GT500の発表に合わせ、富士スピードウェイを訪れた日産自動車のアシュワニ・グプタCOOは「ニッサンDNAのチャレンジャー・スピリットを象徴するニッサンZでふたたびレースに挑戦し、お客さまやファンの皆さまにワクワクをお届けします。70年代のアメリカにおいて240ZでSCCAの選手権に参加した頃と同じ気持ちで、革新的なクルマを世に出し続けるとともに、レースでは勝利を目指して戦っていきます」と語った。
またニスモの片桐隆夫社長兼最高経営責任者は「2022年シーズンのスーパーGTに、ニッサンDNAを象徴する新型Zの車両で熱い気持ちをもって挑戦してまいります。引き続きニッサン系チームへのご愛顧、ご声援を賜りますようよろしくお願い申し上げます」と語った。
Youtube上で公開されているイベントで生中継されているとおり、この日は平手がドライブするMOTUL AUTECH GT-Rに続くようにしてZ GT500がピットアウト。GT-Rからバトンを引き継がれるような様子が演出された。
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