現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 初期型「Ninja H2」オーナーが2020年型「Ninja H2 CARBON」をインプレ! く、くやしくなんかないんだからねっ!

ここから本文です

初期型「Ninja H2」オーナーが2020年型「Ninja H2 CARBON」をインプレ! く、くやしくなんかないんだからねっ!

掲載 5
初期型「Ninja H2」オーナーが2020年型「Ninja H2 CARBON」をインプレ! く、くやしくなんかないんだからねっ!

■2014年衝撃デビュー、初期型購入から5年……こ、この進化はっ!!

 2014年にケルン(ドイツ)のINTERMOTで鮮烈なデビューを果たした、カワサキのクローズドコース専用マシン「Ninja H2R(ニンジャ・エイチ・ツー・アール)」。その公道市販モデル「Ninja H2」の発表をミラノ(イタリア)で開催されたEICMAへ見に行き、その場で注文し、2015年初期型オーナーとなった筆者(小林ゆき)。あれから5年経ったいまでも街での注目度は満点でほくそ笑む毎日ですが、現行モデル(2020年型)が気にならないはずもなく……。

大注目のカワサキ「Z H2」に新色! ベールを脱いだ新型車に早くも新展開

 というのも、デビューから2年目の2016年型でいきなりアシスト&スリッパークラッチが導入されたり、ECUの最適化が行なわれるなど、端的に言えば「乗りやすくなった」と聞いていたからです。

 その後も細かな正常進化、マイナーチェンジが重ねられていると聞く「Ninja H2」シリーズ。外装の一部をカーボン仕様にした「Ninja H2 CARBON(ニンジャ・エイチ・ツー・カーボン)」(2020年型)、ツアラーとして2018年以降に誕生した「H2 SX」や「H2 SX SE」も発売され、進化が止まらないことは重々承知しているつもりでした。

「それにしても……!」

 そんな思いがありつつ試乗の機会をいただきました。撮影現場に到着し、初対面となった「Ninja H2 CARBON」は、外装や色を除けば、見た目こそわたしの初期型H2とほぼ変わりません。

 大きく変わった部分は、リアサスペンションがKYB製からオーリンズ製に、メーターパネルはスピードメーター側に大型化されたフルカラーTFT液晶ディスプレイが採用されました。細かなところでは、エンジン右側面に貼られたスーパーチャージャーの銘板のデザインや、ナンバー灯が電球からLEDになって取り付け部も小変更されています。

 ほかにも変更がないのかなとじっくり見て回ると、一般的には指摘されていない違いに気付きました。正面から見ると、どう見てもアッパーカウルの高さが異なるのです。果たして、これは目の錯覚なのか? それとも個体差なのか? 

 ともあれ、H2 CARBONに乗って初期型H2との違いを比べてみることにしました。

 またがった感じは、なんら初期型H2と変わらないのですが、クラッチを握り発進した瞬間、レバー入力の軽さと出力のなめらかさに驚きました。

「こ、これはベツモノっ!」

 初期型H2の特性と言えば「H2かくあるべし」という思想が具現化したものと理解しています。目指したものは「最高の性能を安全に楽しめるバイク」なので、鬼トルクとハイパワーに対応するクラッチスプリング、スーパーチャージャーのじゃじゃ馬っぷりを楽しめる出力設定になっています。

 いいんです。われわれ初期型H2オーナーは日々、握力養成クラッチで手指を鍛えているのです。停止線を踏んだときですらトラクションコントロールが効いてしまうようなじゃじゃ馬を飼い馴らすために日々、繊細なスロットルワークを磨いているのです。

「く、くやしくなんかないんだからねっ!」

 そうは言っても、H2 CARBONはクラッチが軽くなって出力特性が変わっただけだろうとタカをくくっていました、高速道路の導入路にたどり着くまでは……。

「H2かくあるべし」のもうひとつの神髄は、スーパーチャージャーによるパワーを存分に発揮することができる車体や外装です。これはつまり、クローズドコースにおいては最高速への到達時間と高い速度を実現させることを意味し、直線番長的な車体のジオメトリーやサスペンションセッティングになっていると感じます。このため、コーナリングでは積極的に身体の軸をイン側に入れていくようなライディングが必要となります。

 そんな初期型H2の走りが身体に染みついているまま、H2 CARBONで高速道路に入っていったところ、あれっ? 思ったより曲がるぞ? というか、お尻をずらすようなことをしなくても、見た方向へ自然に曲がっていく!

 H2 CARBONは、切り返しの向き変えの軽やかさも、サスペンションの動きも、何もかもが初期型H2とはベツモノになっていました。

 サスペンションのセッティングとタイヤの銘柄が変わるだけで、こんなに特性が変わるとは。ちなみに、外装の一部(アッパーカウル)にカーボン素材を採用しているものの、車重(238kg)は初期型H2と変わりません。

 いいんです。われわれ初期型H2オーナーは、豪快に身体を動かすライディングを楽しめばいいんですから。

「く、くやしくなんかないんだからねっ!(再)」

 というわけで、今回の比較試乗では、初期型H2は明確に当初カワサキが作りたかったことを尖った方向で具現化したモデルであること、そしてH2 CARBONは、正常進化を遂げるとここまで乗りやすいモデルになるのだということを、身をもって実感しました。

「Ninja H2 CARBON」の、これだけの技術と仕上がりが詰め込まれて363万円という価格(消費税10%込み)は、十分な価値があるのではないでしょうか。

 初期型H2にしても、技術者が作りたかった哲学をまざまざと感じさせてくれます。ほかの人にとってはアバタになる部分も、全て技術的な理由があることを知っているからこそ、エクボになっているのだと、オーナーとして思っております。

こんな記事も読まれています

加藤陽平TD、転倒後も「表彰台にはチャレンジできるなと思っていた」。新加入ダン・リンフットの印象も/EWCル・マン24時間
加藤陽平TD、転倒後も「表彰台にはチャレンジできるなと思っていた」。新加入ダン・リンフットの印象も/EWCル・マン24時間
AUTOSPORT web
ダッシュボードは大改善 フォルクスワーゲンID.5 GTXへ試乗 「7」と同モーターで339ps
ダッシュボードは大改善 フォルクスワーゲンID.5 GTXへ試乗 「7」と同モーターで339ps
AUTOCAR JAPAN
「ミウラ」「カウンタック」「ストラトス」はガンディーニの作でした! オートモビルカウンシル2024で「追悼展示」が急遽開催
「ミウラ」「カウンタック」「ストラトス」はガンディーニの作でした! オートモビルカウンシル2024で「追悼展示」が急遽開催
Auto Messe Web
クルマの買取もグーネットアプリにおまかせ!相場価格がわかる新サービス、3つの便利なポイント
クルマの買取もグーネットアプリにおまかせ!相場価格がわかる新サービス、3つの便利なポイント
グーネット
「お金なさすぎて家賃払えなくて…」大阪出身“売れっ子芸人”が高級SUV「Gクラス」を納車! 東京で“人生初”の車購入「盛山さんがベンツ購入って感慨深い」「夢あるなー」と反響
「お金なさすぎて家賃払えなくて…」大阪出身“売れっ子芸人”が高級SUV「Gクラス」を納車! 東京で“人生初”の車購入「盛山さんがベンツ購入って感慨深い」「夢あるなー」と反響
くるまのニュース
キドニー・グリルからキンクまで 「BMWらしいデザイン」とは何か 8つの特徴を紹介
キドニー・グリルからキンクまで 「BMWらしいデザイン」とは何か 8つの特徴を紹介
AUTOCAR JAPAN
マツダ、北京モーターショーで新型電動車2機種を初披露。2024年中に1車種を発売
マツダ、北京モーターショーで新型電動車2機種を初披露。2024年中に1車種を発売
driver@web
3/4サイズの「セブン」は50ccの原付きカー! ワンオフで製作してナンバー取得済み。左足アクセル仕様の理由とは【マイクロカー図鑑】
3/4サイズの「セブン」は50ccの原付きカー! ワンオフで製作してナンバー取得済み。左足アクセル仕様の理由とは【マイクロカー図鑑】
Auto Messe Web
「しっとり」と「猛烈」の共存 BMW i5 M60 xドライブ 電動の旗艦が見せた幅広い守備範囲に脱帽
「しっとり」と「猛烈」の共存 BMW i5 M60 xドライブ 電動の旗艦が見せた幅広い守備範囲に脱帽
AUTOCAR JAPAN
自動車のカタログ好きは集まれ! ACC・JAPANが東京交歓会を開催
自動車のカタログ好きは集まれ! ACC・JAPANが東京交歓会を開催
driver@web
B-Max Racing Teamが厚木基地の日米親善春祭りにレースカーを展示。乗車体験やサイン会で盛り上がる
B-Max Racing Teamが厚木基地の日米親善春祭りにレースカーを展示。乗車体験やサイン会で盛り上がる
AUTOSPORT web
ホンダ「ヴェゼル」マイナーチェンジ!アウトドアスタイルの新パッケージ「HuNT」登場!
ホンダ「ヴェゼル」マイナーチェンジ!アウトドアスタイルの新パッケージ「HuNT」登場!
グーネット
メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
メルセデスベンツ『Gクラス』にEV誕生、4モーターで587馬力…北京モーターショー2024
レスポンス
マルチクラッシュ決着を突破したタイラー・レディックが今季初勝利。MJも現地で祝福/NASCAR第10戦
マルチクラッシュ決着を突破したタイラー・レディックが今季初勝利。MJも現地で祝福/NASCAR第10戦
AUTOSPORT web
藤原慎也、2026年にダカールラリー挑戦へ「自分史上最大のプロジェクト。果てしない過酷な道を走破したい」
藤原慎也、2026年にダカールラリー挑戦へ「自分史上最大のプロジェクト。果てしない過酷な道を走破したい」
AUTOSPORT web
“6速MT”もある新型「トルネオ」!? SUV風デザインが超カッコイイ! 日本でも”最高にちょうどいい“「コンパクトミニバン」とは
“6速MT”もある新型「トルネオ」!? SUV風デザインが超カッコイイ! 日本でも”最高にちょうどいい“「コンパクトミニバン」とは
くるまのニュース
ホンダアクセス、新型ヴェゼル用・純正アクセサリーを発売開始
ホンダアクセス、新型ヴェゼル用・純正アクセサリーを発売開始
月刊自家用車WEB
これからの物流の要となる小型EVトラック普及の鍵! EV充電スポットが「小型EVトラック」にも開放された
これからの物流の要となる小型EVトラック普及の鍵! EV充電スポットが「小型EVトラック」にも開放された
WEB CARTOP

みんなのコメント

5件
  • 塗装は断然初期型が見栄えいいですよ。
    維持出来れば。
    鏡面みたいな塗装を辞める理由も
    まあなんとなく分かりますが。
    数百代作る車両メーカーが量産で
    盛り込む塗装じゃないと思います。
    金型頑張って無塗装ピアノブラックとか
    出来たらいいんですが、安っぽくなりそ
    だからだめかな。

    これだけは乗りやすさじゃなくて
    「誰も体験したことのない加速感を
    そこそこ安全に」って思想であって欲しい。

    買いたいな。
    その前に4台あるのを減らさないと
    なんですが。

    次のモーターショーは、
    ロングスイングアームとかで
    カワサキH2 ターボ(参考出費)とか
    超魔改造メーカーとして
    頑張って欲しいです。
  • タイトルがヲタ臭い感じで気持ち悪い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村