たとえ家族でも愛車の貸し借りはしないほうがいい!?
1台の愛車を30年間も乗り続ける。これだけでも、クルマ好きとして充分過ぎる情熱を感じるが、その愛車が全損……。しかし代替え車を見つけ出し、パーツ移植を経て、愛車を復活させたのが、この真っ赤なマツダ「サバンナRX-7」のオーナー、福田治夫さんだ。世の中に存在するクルマの数だけ、その愛車に対する想いは人それぞれ。しかし、愛車を失うという悲しみを乗り越えての復活劇は、誰もが簡単に経験できるものではない。福田さんのその熱い気持ちを、同じクルマ好きの皆さんに感じ取ってもらいたい。
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新車購入から30年間……ずっとそばにいた愛車に悲劇が訪れた
福田さんが最初にマツダ「サバンナRX-7」(2代目FC)を手に入れたのは、1990年のことだった。この2代目RX-7は1985年に登場。13Bと呼ばれる2ローターエンジンを搭載し、ターボ仕様で185psを発生した。発売当時は車体デザインが某ドイツ車に似ていることを揶揄されたこともあったが、その優れた性能は世界的に評価され、1991年12月まで約6年間にわたって、ロータリースポーツ車としての威厳を保っていた名車である。
もちろん福田さんもこの愛車の性能に大満足していた。少しずつカスタムを重ねながら楽しんだ愛車との蜜月は30年にも及び、言うまでもなく「一生ものの愛車」のつもりでカーライフを楽しんでいた。ところがある日、息子さんにこの愛車を貸したところ、高速道路で横転させるという自損事故が発生。運転していた息子さんご本人にケガが無かったのは不幸中の幸いだったが、福田さんの愛車は屋根が潰れた状態に。結果、30年間も一緒に過ごした最愛のRX-7は、泣くにも泣けないほどの思いで、廃車となってしまったのだ。
クルマの神は存在する!? 奇跡的な1台との出会い
クルマは廃車。でも、息子さんはケガもなく生きている。息子さんが無事なのは嬉しいが、マツダRX-7が手元にいない喪失感たるや、こればかりは当事者の福田さん以外で、その気持ちを代弁できる人間などいるわけもない。そんな悲しさや苦しさを一気に忘れさせてくれる出来事。それが、現在のこの赤い個体との出会いだった。
「事故から1カ月ぐらいが過ぎたときです。全損になった愛車への思いを忘れることができず、インターネットでクルマを見ていたら、広島県でこれを見つけたんですよ」
重要だったのは、2代目FCである、ということだけではなかった。福田さんいわく「メーカーは不明」だが、ずっと装着していたお気に入りのエアロを身にまとった「サバンナRX-7」を見つけてしまったのだ。
「前後フェンダー、サイドステップ、フロントバンパー、リアアンダースポイラーと、すべてのエアロがまったく同じ商品だったんです。これはもう奇跡以外の何物でもないですよね(笑)。この車両に運命を感じて、即決したのです」
福田さんにとって、購入するかどうかを躊躇する時間など不要だった。じつは、全損事故の際に、使えるパーツはすべて残していたのだ。その内容は、エンジン、トランスミッション、デフと内装すべて。シフトブレーキやメーター、細かいところでは足元のフロアマットなど、さまざまなパーツが手元にある。事故でダメージを負ったのはフロントと屋根部分のみで、全損事故には違いないが、思い出のパーツ類はしっかりと保存していたことも、この奇跡に繋がったといっても過言ではないだろう。
初代のパーツを移植し2代目を完成させる
「広島で見つけた中古車は、車体すべてと足まわり一式をそのまま使いました。他はとにかく、過去の愛車の遺品をすべて移植しています。もともとの愛車はボディがホワイトだったので、これも同色に仕上げたかったのですが、全塗装で約80万円はかかるとのことで、さすがにこれは諦めました。だから、この赤い車体色と車高調などは購入した当時のままです。まだまだ完璧ではないですが、少しずつ手を入れて、本当に昔の愛車を再現したいですね! ここまで愛情を注いで、手間暇かけて作り直しているのですが、ちなみに息子には一切ハンドルを握らせていません(笑)」
ちなみに、RX-7だけにそのチューニング内容が気になるが、エンジンの仕様は基本的にノーマルのまま。タービンを変更し、マフラーは福岡県北九州市でチューニングやカスタム業を営むroot(ルート)による可変バルブ付きのワンオフマフラーを装着している。福田さんいわく「いい年齢なのに、うるさい音で走り回るのは近隣の迷惑になるので、住宅地では静かに走れるようにこのマフラーにしました」とのこと。見た目は大人しくというスタイルは、ダッシュボードの中に隠された追加メーター類にも表れている。
愛車を失った悲しみから、中古車発見からのパーツ移植で現在に至るまで、すでに4年の年月が経過。この2代目とは今年で5年目を迎え、先代の愛車と同年数に至るにはあと25年という時間が必要になる。「自分がこの2代目を手放すときは来るのかな?」そう自問自答する福田さんだったが、もしその時が来るのならば、次のオーナーは息子さん以外に適任はいないはずだ。
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みんなのコメント
難癖つけてるコメントが散見されるけど、別の車で前と同じ気持ちになれるなんて、夢があっていいな。