現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ユニークだけどダメだった!? アイデアは良かったけど定着しなかった車3選

ここから本文です

ユニークだけどダメだった!? アイデアは良かったけど定着しなかった車3選

掲載 更新 26
ユニークだけどダメだった!? アイデアは良かったけど定着しなかった車3選

■優れたアイデアが投入されたけど、長続きしなかったクルマを振り返る

 新型車を開発する際には、ライバル車にはない新たな技術やメカニズム、装備を搭載することをアピールポイントとします。しかし、斬新なアイデアを搭載することは簡単なことではありません。

デザインが酷い! 走りが悪い!? 酷評された車5選

 さらに、いくら優れたアイデアであっても、定着することなく、すぐに消えてしまったものも存在。

 そんな斬新な企画や技術が投入されながら長続きしなかったモデルを、3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「セリカ」

 1970年に、スペシャリティーカーとして誕生したトヨタ初代「セリカ」は、高性能なDOHCエンジンの普及の礎となったモデルです。

 そうした技術面で意欲作だっただけでなく、斬新な販売方法を採用。

 それは、一部グレードを除きエンジンや内装をユーザー自身が自由に組み合わせて、好みのクルマをつくることが可能なセミオーダープランの「フルチョイスシステム」を採用していたことです。

 そのバリエーションはエンジン、外装、内装の組み合わせだけで27通りあり、さらにトランスミッションや塗装、各種オプション品を合わせると、選択肢は数百万通りにもおよびました。

 生産については、全国の販売店からオンラインでその日の受注車両情報を工場が受け取り、オーダーのなかから優先順位や生産の平準化などを考慮して1日分の組立順序計画を作成し、生産現場に指示を出す、「デイリー・オーダー・システム」を構築。

 最短で8日、平均でも10日から11日で、ユーザーのオーダーどおりのクルマが納車可能だったとされています。

 しかし、実際には値引きや納期の関係でそれほど自由に組み合わせを選ぶことができないという声が上がり、オーダーの内容に偏りがあったことなどから、モデルライフの途中でフルチョイスシステムは廃止されてしまいました。

 その後、同様のセミオーダープランはトヨタ「パブリカ スターレット」の「フリーチョイスシステム」や、日産初代「セフィーロ」の「セフィーロ・コーディネーション」などがありましたが、どちらも短期間で終了。

 現在、欧州車を中心に少量生産の高級車では、こうしたセミオーダープランは一般的ですが、50年前に量産車で実現していたことは高く評価されています。

●日産「エクサ」

 日産のFFコンパクトカー「チェリー F-II」の後継車として、1978年に発売された「パルサー」は、新時代のファミリーカーというコンセプトで開発されました。

 そして、2代目パルサーでは、スポーティな2ドアクーペの「パルサーエクサ」が加わり、198年のフルモデルチェンジの際に「エクサ」に改名され、独立した車種となります。

 エクサはクーペタイプの3ドアハッチバックで、リアハッチの形状が2種類あり、ひとつは「クーペ」で、もうひとつはステーションワゴンのような荷室の「キャノピー」をラインナップ。

 どちらのタイプもリアハッチの取り外しが可能で、リアシート側をオープンにすることができ、フロント部分の屋根もTバールーフになっていたので、オープンエアドライブが楽しめました。

 しかし、外したリアハッチの置き場をどうするかという問題があったため、住環境によってはフルオープンにするのは難しかったようです。

 なお、日本仕様のエクサではクーペとキャノピーでリアハッチの互換性がなく、お互いに載せ替えることが出来ないようになっていましたが、海外仕様では載せ替えが可能でした。

■志は高かったけれど消滅してしまったホンダ車とは

●ホンダ「1300」

 本田技研工業の創業者、故・本田宗一郎氏は、空気でエンジンを冷やす「空冷」至上主義だったことは有名です。

 空冷エンジンはシンプルな構造でラジエーターやウォーターポンプが必要ないため、信頼性が高く、軽量で低コストだったのは間違いありません。

 そして、1969年4月にホンダ初となる4ドアセダン「1300」を発表します。1300は非常にユニークな空冷エンジンを搭載したクルマで、1.3リッター直4空冷エンジンをフロントに横置きに配置し、前輪を駆動するFF車です。

 ラインナップはエンジンの仕様で大きくふたつに分けられ、シングルキャブで最高出力100馬力のスタンダード仕様「77シリーズ」と、4連キャブで最高出力115馬力と高性能な「99シリーズ」で、どちらも当時の水準ではかなり高性能なエンジンといえます。

 ホンダは1300シリーズを「2000ccクラスのパワー、1500ccクラスの居住性、1000ccクラスの経済性を兼備した車」と表現していたほどです。

 しかし、空冷エンジンの利点である軽量シンプルな構造とはかけ離れた「二重空冷」という複雑な構造の重いエンジンは、操縦性にも悪影響をもたらしてしまい、ヒットしたとはいえませんでした。

 そこで1972年に、車名を「145」に改め、水冷エンジンに換装されたことで、ホンダの4輪用空冷エンジンは終焉を迎えます。

 後に1300は失敗作と揶揄されますが、このときに蓄積された生産技術についてのノウハウと、システム化された開発手法は、軽自動車の「ライフ」や大ヒットした「シビック」に生かされたといいます。

※ ※ ※

 近年は各メーカーとも、ユニークなアイデアが登場することが少なくなった印象があります。

 もちろん、技術的な進歩は日々続いていますが、失敗することが許されないため、斬新なアイデアを搭載するのが難しくなったのでしょうか。

 これまでも、誕生しては消えていったユニークな技術が数多く存在しますが、やはり後世まで受け継がれるものは少なく、それほど自動車開発は難しいということです。

こんな記事も読まれています

ホンダ「オデッセイSUV」あった!? 車高アップ×タフデザインが超カッコイイ! 上質内装も採用した「オデッセイ “クロス”」とは
ホンダ「オデッセイSUV」あった!? 車高アップ×タフデザインが超カッコイイ! 上質内装も採用した「オデッセイ “クロス”」とは
くるまのニュース
新事実[ロードスターは世界一] ナンバーワンのスポーツカーである8つの理由
新事実[ロードスターは世界一] ナンバーワンのスポーツカーである8つの理由
ベストカーWeb
日本に1台のアルティマ「カンナム スパイダー」とFSWで遭遇! 超希少車でサーキットを全開走行する正当な理由とは
日本に1台のアルティマ「カンナム スパイダー」とFSWで遭遇! 超希少車でサーキットを全開走行する正当な理由とは
Auto Messe Web
マツダ全幅1.9mの「オフロードSUV」 デザインが良い! 並行輸入で約1000万円!? 「CX-50」欲しい?
マツダ全幅1.9mの「オフロードSUV」 デザインが良い! 並行輸入で約1000万円!? 「CX-50」欲しい?
くるまのニュース
日産歴代最強のSRターボ [SR20VET]搭載車は初代エクストレイルGTだった……なぜS15シルビアや初代シルフィに積まれなかった?
日産歴代最強のSRターボ [SR20VET]搭載車は初代エクストレイルGTだった……なぜS15シルビアや初代シルフィに積まれなかった?
ベストカーWeb
新店舗「レンタル819府中」が4/19オープン!
新店舗「レンタル819府中」が4/19オープン!
バイクブロス
開発テーマは原点回帰──トヨタ ランドクルーザー 250が発売|TOYOTA
開発テーマは原点回帰──トヨタ ランドクルーザー 250が発売|TOYOTA
OPENERS
自動車業界に相次ぐ不祥事……日産が約30億円不当減額!! 公取委が下請法違反で勧告
自動車業界に相次ぐ不祥事……日産が約30億円不当減額!! 公取委が下請法違反で勧告
ベストカーWeb
隣のレーンなら空きがあるのに周回できない! EVを充電したあと休憩できない! 「SA・PA」頼むから改善してくれませんポイント5つ
隣のレーンなら空きがあるのに周回できない! EVを充電したあと休憩できない! 「SA・PA」頼むから改善してくれませんポイント5つ
WEB CARTOP
5年ぶりF1中国GPが復活! FP1はストロール最速。角田裕毅12番手……スプリント開催もコース炎上の珍トラブルも発生
5年ぶりF1中国GPが復活! FP1はストロール最速。角田裕毅12番手……スプリント開催もコース炎上の珍トラブルも発生
motorsport.com 日本版
トヨタ新型「ランクル250」正式発売! 15年ぶりに全面刷新! 従来プラドから何が変わった? 角目・丸目設定で520万円から
トヨタ新型「ランクル250」正式発売! 15年ぶりに全面刷新! 従来プラドから何が変わった? 角目・丸目設定で520万円から
くるまのニュース
バイク未来総研によるリセールプライスランキングで「カワサキ・ELIMINATOR」が初の首位を獲得!
バイク未来総研によるリセールプライスランキングで「カワサキ・ELIMINATOR」が初の首位を獲得!
バイクブロス
レクサス、新型GXの国内導入の概要を発表。100台限定のローンチモデル「GX550 ”OVERTRAIL+”」の抽選注文受付を開始
レクサス、新型GXの国内導入の概要を発表。100台限定のローンチモデル「GX550 ”OVERTRAIL+”」の抽選注文受付を開始
月刊自家用車WEB
ランス・ストロールがトップ。ピアストリ、フェルスタッペン続く。角田裕毅は12番手|F1中国FP1速報
ランス・ストロールがトップ。ピアストリ、フェルスタッペン続く。角田裕毅は12番手|F1中国FP1速報
motorsport.com 日本版
ヘッドライトが自動で点灯! 「オートライト機能」は、夕暮れ時の事故を防ぐ“切り札”になれるでしょうか?
ヘッドライトが自動で点灯! 「オートライト機能」は、夕暮れ時の事故を防ぐ“切り札”になれるでしょうか?
Merkmal
新型レクサスGX、1000万円超で発売開始!──GQ新着カー
新型レクサスGX、1000万円超で発売開始!──GQ新着カー
GQ JAPAN
レクサス「GX550」を2024年秋より通常販売。これに先立ち、6月上旬より「GX550 オーバートレイル+」を抽選で100台限定販売
レクサス「GX550」を2024年秋より通常販売。これに先立ち、6月上旬より「GX550 オーバートレイル+」を抽選で100台限定販売
Webモーターマガジン
レクサス、ランクル250と兄弟車のGXを発表。初回は100台を販売
レクサス、ランクル250と兄弟車のGXを発表。初回は100台を販売
driver@web

みんなのコメント

26件
  • エクサのリア部分の載せ替えが出来なかったのは認可が下りなかったからです。
  • 技術が進んだし需要が多すぎるからユニークなアイデアの入り込む隙が無くなったな
    バイクの方が面白いぞ、いまだ3輪とか新型サスペンションとか出てくるぞ

※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

181.7240.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.7650.0万円

中古車を検索
セリカの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

181.7240.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29.7650.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村