親の愛情が生む危険
腕時計やネクタイピン、万年筆など、親から子へ受け継がれる品は少なくない。車もそのひとつだ。免許を取ったばかりの子に、自分が乗っていた車を譲る親は多い。あるいは、免許取得の祝いとして、安価な中古車を与えるケースもあるだろう。
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しかし、こうした選択については再考の余地がある。近年の研究で、製造から年数の経過した車両は、衝突事故時の運転者の死亡リスクが高いことが明らかになった。特に免許取得直後の10代の若者は、低年式車を運転する割合が高い。この傾向が、若年層の致死率を押し上げる要因となっている。
モータリゼーションが進んだ米国では、多くの州で16歳から運転免許が取得可能だ。オハイオ州では15歳、モンタナ州など一部地域では条件付きで14歳から免許取得が認められている。
こうした早期の免許取得は、通学や日常の移動手段を拡大させる一方で、自動車事故が10代の死亡原因の第一位となっている現実もある。そして、その主因として指摘されているのが、若者による低年式車の運転である。最新の研究は、そのリスクを裏付けている。
安全装備1つで6%低減
米オハイオ州コロンバスにある「ネイションワイド小児病院」の研究チームは、2025年5月、医学誌「JAMA Network Open」で新たな研究結果を発表した。対象は、2016年から2021年にかけて全米で発生した死亡事故データ。10代および中年ドライバーの運転する車両の年式や運転支援技術の有無と、死亡事故における運転者の致死率との関係を分析した。
使用したのは、米国内の致命的な衝突事故に関する詳細な情報を網羅したデータベース「Fatality Analysis Reporting System(FARS)」である。車両や運転者、事故の環境要因までを含む包括的な統計だ。
調査の結果、製造から6~15年経過した車両を運転した場合、死亡リスクは19%上昇していた。さらに15年以上経過した車両では、年齢を問わず、製造5年以内の車両と比べて致死率が31%高かった。
一方、車両に搭載された運転支援技術は、1装備ごとに運転者の死亡リスクを6%低減する効果があった。
研究チームを率いたジンジェン・ジンジャー・ヤン博士は、同院のプレスリリースで次のように述べている。
「10代のドライバーはほかの年齢層と比較して事故率が高く、死亡事故への関与も増加していることを考えると、10代のドライバーにとって、可能な限り最も安全な車両を運転することが極めて重要です」
安全装備軽視が招く世代間格差
運転者の年齢を問わず、古い車両や運転支援装備が少ない車両は、事故時の死亡リスクを高めている。今回の調査では、10代ドライバー(15~18歳)は中年ドライバー(31~55歳)に比べ、製造から15年以上経過した車両や運転支援装備が不十分な車両に乗っている傾向が高いことが判明した。
研究チームのファンダ・チャン博士はこう指摘する。
「親が古い車を、まだ基本的な運転技術を習得中の10代の若者に譲ることはよくあります。これは運転をはじめた子どもを持つ家族にとっては喜ばしい節目ですが、この慣習は10代の若者の自動車のトラブルに対する脆弱性を高め、運転の安全性を低下させます」
親が乗っていた古い車を子どもに譲ったり、年式の古い中古車を購入して与えたりする行為には注意が必要だ。
もっとも、予算に限りがある家庭も多い。そこで米国道路安全保険協会(IIHS)は、10代の若者向けに「手頃な価格で安全性の高い車種リスト」を公表している。例えば、中古小型車で安全性と価格のバランスが取れた5車種は以下のとおりである(車種、年式、推定価格)。
・トヨタカローラ(セダン):2017~2019年、2023年以降 約140万円
・ホンダインサイト:2019~2022年 約170万円
・マツダ3ファストバック:2019年以降 約175万円
・トヨタプリウス:2017年以降 約183万円
・マツダ4ドアセダン:2020年以降 約188万円
研究チームは、10代の若者には「入手可能な中で最も安全な車両」を選ぶべきだと提言する。親や保護者は、初めての車を選ぶ際、安全装備の有無を最優先に考慮し、製造から15年以上経過した車両は避けるべきだとしている。
支援技術で変わる若年層の生存率
衝突回避機能や車線維持支援など、新しい運転支援技術には、事故時の傷害を大幅に軽減する効果がある。こうした技術の利点を正しく理解し、可能な限り多くの運転支援機能を備えた車両を選ぶことが望ましい。あわせて、免許を取得したばかりの若年層には、安全運転の重要性を徹底して周知する必要がある。
「私たちの研究結果は、ほかの研究結果と併せて、安全な自動車の使用法、家族への教育、そして可能な限り10代の若者がより安全な車を運転できるようにすることが重要であることに念を押しています」
と、研究を主導したチャン博士は述べている。
2025年2月に公表されたフロリダ・アトランティック大学の研究でも、南フロリダのように交通手段が限られた地域では、車で通学する大学生の事故リスクが高いことが報告された。運転経験が浅い若者ほど、安全性能の高い車両に乗るべきであり、日常的に安全運転を心がける姿勢が求められている。
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みんなのコメント
この前水門にぶつかったりする例もあるから、凶器を動かしているという自覚を持たせ、無理な運転しないように指導するのが一番だ。