■ハイトワゴンなのに「4気筒ターボ」
近年の軽自動車は、乗用車並みの豪華装備も珍しくなく、ファーストカーとしても十分通用する一方で、ホットなモデルは姿を消すばかり。
そんななか、先日発表された5速MTとターボエンジンを専用搭載するダイハツ「ミライースtuned by D-SPORT Racing」に熱視線が集まるのも当然といったところです。
しかし、2000年前後に遡ると、良くも悪くも「元気のいい軽自動車」が多く存在しており、各社ターボエンジンを搭載したホットモデルを多くラインナップしていました。
【画像】超カッコイイ! これが三菱の「4気筒ターボ搭載のパワフル軽ワゴン」です! 画像で見る
ただし、なかには「なぜその車種にそんなハイパワーなエンジンを…?」と困惑してしまうようなモデルもありました。今回は、そんな変わり種の中から三菱「トッポBJ R」をご紹介します。
「トッポBJ」といえば、元祖スーパーハイト軽ワゴンのひとつとしても知られる「ミニカトッポ」を祖に持つモデルです。
トッポBJに代わってからはミニカトッポほどのハイトさではなくなったものの、当時人気を集めていたスズキ「ワゴンR」やダイハツ「ムーヴ」に対抗するハイトワゴンとして投入されたものでした。
1998年10月に実施された軽自動車規格の改定に合わせて登場したトッポBJは、ライバルと同じく5ドアスタイルで、バックドアはミニカトッポ時代から引き続き横開きを採用。
また一部グレードでは、ミニカトッポ時代から継続してリアガラスハッチも設定されており、使い勝手にも配慮したモデルとなっていました。
搭載されるエンジンは、量販グレードでは軽自動車としてごくごく一般的な660ccの直列3気筒エンジンが搭載されていましたが、最上級グレードの「R」だけは様子が異なっていたのです。
このRには、軽自動車用のエンジンとしては少数派の直列4気筒エンジンが搭載されており、この4気筒エンジンの吸気側のバルブが3ポート、排気側のバルブが2ポートの5バルブ仕様となっていたのです。
そして当然のようにDOHC化がなされ(通常の3気筒モデルはSOHC)、そこにインタークーラー付のツインスクロールターボが組み合わされて、最高出力は64PS、最大トルクは10.2kg・mを誇っていました。
もちろんこのRには4速ATのほか5速MTも用意され、前輪駆動に加えてフルタイム4WDも設定されていました。
エクステリアも専用デザインが与えられ、まるで当時の「ランサーエボリューションV/VI」や「パジェロエボリューション」を彷彿とさせるアグレッシブなバンパーやダクト付きのボンネットが備わり、ブリスター形状のフェンダーは標準モデルと同形状ながら、より迫力を感じさせるコンビネーションとなっていたのです。
ただ、この高性能を追求した4気筒5バルブDOHCインタークーラーターボエンジンは、排出ガス規制の強化などの影響もあって、モデル途中の2002年9月に廃止となってしまいました。
今だったらハイトワゴンにこんな気合いの入ったターボエンジンとMTの組み合わせが設定されることは考えられませんが、ある意味「いい時代」だったと言えるのかもしれません。(小鮒康一)
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