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ショボイ「特別仕様」でもバカ売れするほど効果絶大だったのに……新車ディーラーの折り込みチラシが消えたワケ

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ショボイ「特別仕様」でもバカ売れするほど効果絶大だったのに……新車ディーラーの折り込みチラシが消えたワケ

 この記事をまとめると

■以前、新車ディーラーは折り込みチラシをよく配布していた

「このクルマ売りませんか?」というチラシが愛車に挟まれていたら「窃盗団」にマークされている可能性アリ!

■折り込みチラシによる効果は大きかった

■いまでは顧客にダイレクトメールを送る程度となっている

 不特定多数の人にイベント告知できる唯一の手段だった

 その昔、土曜日の朝刊には多くの新車ディーラーの折り込みチラシが入っていた。新車ディーラーはそもそも毎週、“日本全国●●の日”などと銘打って毎週末に大々的なイベントを行っていた。あるメーカー系ディーラーでは、月4回週末があるとすると2回は全国統一イベント、残り2回は地域やディーラー独自イベントとしていた。全国統一イベントではメーカーからのバックアップもあり、来場記念品や成約記念品も豪華だったりした。

 いまのように、インターネットといったものがなかったころは折り込みチラシが唯一不特定多数の人にイベント告知できる手段だったのだ。当時聞いた話では、全国統一イベントでは、全国紙すべてに折り込みチラシを入れるが、地域限定イベントなどでは経費の関係もあり、“購読者ナンバー1”という新聞だけにチラシを入れていた。販売ナンバー1ということは、さまざまな人が読んでいるのでチラシ効果も期待できるというのがその理由だと教えてもらったことがある。

 折り込みチラシには特価車が当たり前のように掲載されている。単純にドカーンと値引きするものもあれば、当時なのでカーオーディオなどを特別装備しながら買い得な価格設定にしたものなどバラエティに富んでいた。

「当時あるディーラーで、売れ筋車の廉価グレードにマニュアルエアコンとボディに専用ストライプを施しただけのオリジナル特別仕様車を設定したそうです。価格は単純にエアコンとストライプ代を上乗せしただけで買い得ではなかったのですが、オリジナル車というアピールが効果的でよく売れたそうです。ある意味、特別仕様車といった言葉に対する買い得イメージがひとり歩きしていたことを象徴するようなトピックです」とは事情通。

 しかも、チラシ特価車は早い話存在していなくても構わなかった。「チラシを見てきたのですが……」というお客に対しては、「すいません、こちらは売り切れてしまったのですが、カタロググレードでお得なものがありますと誘導することもあったそうです」(事情通)。

 いまではウェブサイトにてPDFなどで見られる程度

 アメリカではその昔、新聞の日曜版に新車ディーラーの広告専用の別冊が用意されていた。そこには日本と同じく買い得価格の特選車が掲載されているのだが、これは実在しなければならず、必ず広告には各買い得モデルにシリアルナンバーがつけられ、その設定台数まで決められていた。ただその買い得車も「ミリタリーディスカウント」など、軍関係者でしか利用できない値引きなどが含まれていた。また、ローン金利0%をうたったものもあったが、アメリカでは個人によって与信で貸付金利がバラバラになるので、細かい条件付きで金利0%をうたっていた。「つまり、まず誰もその買い得車を買い得価格で買うことはできなかったのです。あくまで人寄せパンダのようなものでした」(事情通)。

 時は変わり、いまやアメリカでは紙ベースの新聞は売っている店を探すのにも苦労する状況。デジタル化の遅い日本でも紙ベースの新聞を購読するのは高齢世帯ばかりと言っていい。そうなると、新聞へ折り込みチラシを入れてもなかなか効果は期待できず。いまでは元旦や正月3日の朝刊に初売りセールをうたうディーラーのチラシを多く見かける程度となってしまった。

 各ディーラーのウェブサイトではPDFなどでチラシを見ることができたりするが、週末イベント自体が、新型コロナウイルス感染拡大がひどかったころに自粛となってしまい、いまもそれをひきずり大っぴらに展開していないのが現状。いまでは顧客にダイレクトメールを送る程度の割とひっそりとした告知で週末イベントが行われているようである。

 まあ、いまどきは新車を頼んでも長期間納車まで待たされることも珍しくないので、そのなか「店に来て新車買ってください」とも積極的に言いにくい環境なのだろう。現状では、広く集客することはさまざまな理由から難しい。自ずから既納ユーザーをメインに新車を売っていく傾向が強まってきている。

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