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長期テスト BMW M5(3) フランスの道ならもっと良く走る

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長期テスト BMW M5(3) フランスの道ならもっと良く走る

積算1万4126km 便利なキーは充電も必要

text:Matt Prior(マット・プライヤー)

【画像】BMW M5(F90) 全34枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


BMW M5のキーは、スマートフォンのアプリ並みに様々なことを家の中から行える。そのため時折充電が必要だったりする。

けれど、ほとんど付随機能を使用しない筆者を含めて、バッテリーが空になっていることに気づかないドライバーもいるだろう。それでも、ドアのロックとエンジンの始動はできるようになっている。

積算1万4467km センターキャップがなくなった!

いつからか不明だが、気がつくとフロントホイールのセンターキャップがなくなっていた。試乗をした誰かがタイヤを交換した際に外れたのかとも思ったが、違うようだ。盗まれたのだろうか。

ディーラーで新しいものを付けると、1枚15ポンド(2000円)が必要らしい。

積算1万8640km フロントガラスの飛び石キズ

BMWから連絡があり、ソフトウェアのアップデートが終わったM5が戻ってきた。通常のオーナーならディーラーにいくと、お客様扱いを受けるものだが、長期テスト車両はBMWディーラーのクルマだ。

フロントガラスの飛び石キズを直してもらい、ホイールのセンターキャップ2枚も付けてもらった。普通のクルマならなくなることはないだろう。600psのスーパーサルーンだから、すべて楽しい思いだけかと考えていたのだけれど。

フランスまで走った同僚の貴重な意見

翌日、BMW M5は姉妹サイトのピストンヘッドのスタッフが運転して、ル・マンへ向かった。普段は聞くことのできない、セカンド・オピニオンを確認できるいい機会だ。

ル・マン24時間レースの会場付近はどんな場所か想像がつく。スーパーカーやスポーツカーがそこら中を走っている。同僚は「M5で向かうのは微妙ですかね?」と聞いてきた。サーキット側のキャンプ場にクルマを停めておくと、フォードGTが側にいたにも関わらず、M5の注目度も中々だったようだ。

それは理解できる。恐らくフォードGTのようなクルマを所有しているオーナーは、日常の足としてM5のようなクルマを持っているはずだから。

セカンド・オピニオンは役に立った。「ブレーキは素晴らしいですが、減速時にスロットルがちゃんと戻っていないように感じます」 とのこと。しばらくして「発信と停止を繰り返すような流れで、右前のブレーキからひっかくような音」 という症状が出た。筆者も気づき始めていたところだった。

7495ポンド(105万円)もするカーボン・セラミックブレーキにはパッドもまだ沢山残っている。スチール製ディスクよりフィーリングは良くないが、大差はない。原因がわからず、ガソリンスタンドの一角を借りてフロントタイヤを外し、念のため確認したそうだ。小石などは挟まっていないらしい。

セカンド・オピニオンの良いといころは、まったく別の感想も聞けるところ。ピストンヘッドのスタッフは、インテリアにさほど良い印象を受けなかった様子。

M5はフランスの道ならもっと良い

ドアハンドル回りの内張りが良くないとか、センターコンソールの蓋がガタついているとか、気づかない部分を指摘してくれた。思い返すと原因には心当たりがある。センターコンソールの蓋は、簡単に取り外すことができるのだ。

彼の意見で納得できたのは、車内に気持ちを鎮めるような雰囲気があること。またイグニッションをオフにしても、アクセサリーやステレオの電源が落ちないことも気になる。最新のX2にもこの設定になっているようだ。

車幅の広さには少しの不満もある。特に駐車時や道幅が狭い時。だがル・マンでの感想は、狭い道でも走らせやすいと感じたらしい。「ロードトリップは全体的に快適でした。舗装の悪い英国のM25号線でもロードノイズは酷く感じられませんでした」 という。

しかし、「フランスの滑らかな道路を体験すると、明確に違いは分かりますね」 英国の道は路面状態の管理が悪く、クルマの走行試験を行う自動車メーカーも多い。興味深い事実だ。それでも自動車は、開発された拠点のある国や地域が色濃く反映するところも面白い。

とにかくBMW M5は英国の道でも走りは良好。舗装が剥がれた穴も上手にいなし、わだちが酷い狭い道でも快適だ。他の国ならもっと快適に走れるのだろう。

テストデータ

気に入っているトコロ

目的地の設定:ナビゲーションに目的地を設定する方法は複数ある。声に出しても良いし、ノブを使ってスクロールでも選べる。入力パッドやタッチモニターで選択もできる。

気に入らないトコロ

ジェスチャーの反応:爽やかに車内で手をふると、モーションセンサーが反応してラジオのボリュームを変えてしまうことがある。

テスト車について

モデル名:BMW M5
新車価格:8万7940ポンド(1259万円)
テスト車の価格:10万1900ポンド(1459万円)

テストの記録

燃費:8.2km/L
故障:なし
出費:ホイールキャップ 30ポンド(4200円)

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