■「ヴィッツ」消滅の裏で「スターレット」が21年ぶりに復活
豊田通商株式会社(以下、豊田通商)はトヨタ新型「スターレット」を、アフリカ47か国で順次発売すると2020年9月1日に発表。先陣を切って発売された南アフリカのトヨタ公式サイトでは、9月21日(現地時間)に価格を含む現地仕様が明らかにされました。
【画像】トヨタ「スターレット」が電撃復活! 内外装をささっと見る(12枚)
新型スターレットはいったいどんなモデルなのでしょうか。
豊田通商は、2019年1月にトヨタからアフリカでの営業業務の全面移管を受けています。
今回の新型スターレットの投入は、近い将来アフリカで中間所得層が拡大することを見据えたうえで、豊田通商がアフリカ全土のトヨタブランドの販売チャネルを生かした小型車販売とアフターサービス強化を図る一環でおこなわれるものです。
また新型スターレットは、2019年3月のトヨタとスズキの合意に基づいて、スズキからOEM供給をうけるかたちで販売されるものです。
ベースとなるのはスズキのインド法人であるマルチ・スズキが生産する「バレーノ」で、インドからアフリカに輸出されます。
なお、バレーノは2016年3月から2020年6月頃まで日本にも輸入され、日本のスズキディーラーで販売されていました。
今回発売された新型スターレットの南アフリカ仕様は、ボディサイズが全長3995mm×全幅1745mm×全高1470mm、ホイールベースは2520mmです。
トヨタのエンブレムが装着されるフロントグリルは、新型スターレットのオリジナルで、両端が跳ね上がる水平基調のデザインが軽快感を演出。
搭載されるエンジンは1.4リッターガソリンで、最高出力92馬力、最大トルク130Nmを発揮。組み合わされるトランスミッションは4速ATと5速MTとなります。
燃料消費量は、100kmあたり5.1リッターから5.4リッターで、1リッターあたりの走行距離に換算すると約18.5km/Lから約19.6km/Lとなります。燃料タンク容量は37リッターなので、満タン時の航続可能距離は700km前後になる計算です。
新型スターレットは、車載Wi-Fiスポットと15GB分のデータ通信を含むトヨタコネクトテレマティクスシステムが全車に標準装備されています。
ユーザーはマイトヨタアプリを介して、オンデマンドサービスの予約、車両情報と履歴の参照などのサービスが利用可能となります。
グレード展開は、廉価グレードの「Xi」、中間グレードの「Xs」、そして上級グレードの「Xr」という3グレードです。南アフリカ仕様の価格は20万4900ランドから27万2500ランドで、日本円換算では約126万円から約168万円となります。
※ ※ ※
スターレットの初代モデルは1973年に登場(発売当初の車名は「パブリカスターレット」)。以降、5代・26年の歴史を積み重ねてきました。
1996年に発売された5代目スターレットは、標準モデルの「ルフレ」のほか、スポーティモデルの「グランツァ」、レトロ風な外観の「カラット」、そしてSUV風(RV風)の「リミックス」など、モデル展開も豊富でした。
そして、実質的な後継車である「ヴィッツ」が登場し、数か月間併売がおこなわれた後の1999年に5代目スターレットは販売を終了。
海外では「ヤリス」として販売されたヴィッツは、3代の間、国内市場で車名を守り続けてきました。しかし、2020年に日本市場でもグローバル名の「ヤリス」に統一されることで、ヴィッツの歴史は21年で幕を下ろします。
一方スターレットは、ヴィッツと入れ替わるかのように、21年ぶりに車名が復活。 OEM車ではあるものの、スターレットは6代目モデルとして、アフリカで新たな歴史を重ね始めます。
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ひどいのになるとFRじゃないと文句をつける。