ハミルトン、フェラーリF1移籍2戦目でスプリント予選最速。堅物レッドブル重鎮も「信じられない偉業」と賛辞を送る

　7度の世界チャンピオンであるルイス・ハミルトンは、F1中国GPでフェラーリ移籍後初となるスプリント予選トップタイムをマーク。これに対して、レッドブルでモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコが賛辞を送った。

　中国GPの舞台となる上海国際サーキットでは過去に6度優勝経験があるハミルトン。ただ、フェラーリでのデビュー戦となった2025年シーズン開幕戦オーストラリアGPでは、ペース不足と戦略ミスに苦しめられ10位に終わった。

　しかしハミルトンは苦しい状況を振り払い、スプリント予選のSQ3でレッドブルのマックス・フェルスタッペンやマクラーレン勢などを退け、最速タイムをマークした。

　移籍後2戦目でのハミルトン結果に、ライバル陣営のマルコも「信じられない」と称賛。レッドブルとメルセデスが壮絶なタイトル争いを繰り広げた2021年もハミルトンを高く評価していたものの、マルコは普段、陣営内のドライバーしか褒めない。それにかなりの辛口だ。

「メルボルンで彼らはアンラッキーだったと思う」とマルコはmotorsport.comに語った。

「でも、ここでは最初のセッションからフェラーリが強かった。2戦目にしてポールポジションを獲得したハミルトンにはおめでとうと言いたい。対する（チームメイトのシャルル）ルクレールは素晴らしい予選職人だ。信じられないような偉業だ」

　フェルスタッペンはハミルトンの横2番手から土曜日のF1スプリントをスタートする。フェラーリを脅威と見ているのか？　とマルコに尋ねると、次のように答えた。

「言うのは難しい。この新しい舗装では、セッションを追うごとにデグラデーション（性能劣化）が少なくなっていくのは間違いない。このスピードでレース距離を走れるのは誰か、そのうち見えてくるだろう」

　2025年初め、マルコはフェルスタッペンが“平均的なマシン”に乗っても、ハミルトンがタイトルを脅かす存在にはならないと主張していた。

「ふたつのレースチーム（マクラーレンとフェラーリ）は昨シーズン、マシンのベースが最高の状態にあり、ほとんどのサーキットで良いパフォーマンスを発揮していた」とマルコはSport BILDに語った。

「彼らはそこから積み上げていくことができるが、私としてはどのドライバーも傑出しているわけではない」

「シャルル・ルクレールは予選では良いが、レースではミスが多い。ルイス・ハミルトンにはまだスピードがあるが、シーズン全体を通して維持できるのか？　それについては疑問が残る」

「彼が良いフェラーリのマシンを持っていて、我々がマックスに平均的なレッドブルのマシンしか作れなかったとしても、私はマックスに賭けるよ」

　まだスプリント予選だけとはいえ、40歳のハミルトンが新天地で開花するか？　そして“エース”の座を掴むことができるのか？　中国GPの残る週末も興味は尽きない。