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伝統のEJ20ターボエンジン搭載で最高出力340ps&最大トルク47.0kgm!!! WRX STI衝撃のシェイクダウンプレイバック【ベストカーアーカイブス2014】

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伝統のEJ20ターボエンジン搭載で最高出力340ps&最大トルク47.0kgm!!! WRX STI衝撃のシェイクダウンプレイバック【ベストカーアーカイブス2014】

 ベストカー本誌の過去記事から名企画・歴史的記事をご紹介する「ベストカーアーカイブ」。今回は富士スピードウェイで行われたスバル新型WRX STI・ニュル参戦マシンの衝撃シェイクダウンの様子をプレイバック!(本稿は「ベストカー」2014年4月26日号に掲載した記事の再録版となります/2014年1月に発表された米国仕様の名称は「WRX STI」ですが、本記事後の2014年7月、日本での車名が「WRX S4」とされることが発表されました)

写真:佐藤正勝

伝統のEJ20ターボエンジン搭載で最高出力340ps&最大トルク47.0kgm!!! WRX STI衝撃のシェイクダウンプレイバック【ベストカーアーカイブス2014】

【画像ギャラリー】伝統のEJ20ターボエンジン搭載で最高出力340ps&最大トルク47.0kgm!!! WRX STI衝撃のシェイクダウンプレイバック!(19枚)

■富士スピードウェイで衝撃のシェイクダウン! STIニュル参戦マシンから占う新型WRX STIの真髄!

EJ20ターボエンジンの放つ咆哮とともに富士を駆け抜けた新型WRX STIベースのニュル参戦マシンの鮮烈な走り!

 いまだスバルから正式にアナウンスされていない新型WRX STIの日本仕様となる市販車の詳細だが、先月の北米デトロイトショーでは北米仕様が公開されている。

 そんな折、STIから今年のニュルブルクリンク24時間レース(6月19~22日)への参戦マシンのシェイクダウンが富士スピードウェイを舞台にこのほど行われた。

 もちろん、このマシンのベースとなっているのは新型WRX STIそのものだ。

 市販車の正式発表に先駆けてレーシングマシンが公開されるのはまさに異例中の異例だが、それだけスバルとSTIがこのマシンでニュル24時間レースにかける意気込みの強さを感じさせる。

 そこで、このレーシングマシンから浮かび上がってくる新型WRX STIの市販車の姿を探ってみた。

 今年のニュル24時間レースの参戦ドライバーは吉田寿博、佐々木孝太、カルロ・ヴァンダム、マルセル・ラッセーの4人で、STIパワーユニット技術部主査の小澤正弘氏が監督となり、そしてチーム総監督を辰巳英治氏が務める。

北米仕様の市販車の全幅1795mmからさらにワイドになった参戦マシンの全幅は1835mm

 そもそもSTIがニュル参戦に関わったのは2005年。同年にスーパー耐久に参戦していたプローバレーシングディビジョンがニュル24時間レースに独自参戦したのがきっかけだった。2代目インプレッサWRX STIスペックC(GDB型)ベースの耐久仕様マシンで挑み、初陣ながらクラス2位(SP6クラス)、総合14位に食い込んだ。

 それから3年後の2008年にはスバルとSTIが共同でニュル24時間レースに参戦。

 3代目インプレッサWRX STI5ドアHB(GRB型)で参戦してSP6クラス5位、2009年からはSTIメインの参戦となってSP3Tクラス5位(※レギュレーションが改定され、2L以下のターボ車が該当)、2010年がクラス4位、そして5ドアHBから4ドアセダンのWRX STIにマシンを変更した2011年から2012年までクラス2連覇を達成。

 しかし、昨年(2013年)はアウディTT RSにわずか54秒差で敗れ、クラス2位に終わっている。

 そんな悔しい経験を経ているだけに今回のニューマシンには、辰巳氏も

「今年の東京オートサロンでお披露目しましたが、ベースになった新型WRX STIはスバル最高の走りを発揮する量産車であるのはテストで我々が確認ずみ。今年のマシンは最強のニュル用レーシングマシンであり、これまでのスバルのすべての技術を礎にして次元がひとつ上の戦闘力を持ったマシンに仕上がってます」

 と自信を覗かせている。

 新型マシンは右ハンドル車であることに注目。すでに公開されている新型WRX STIは北米仕様であるため、左ハンドル車だからだ。その意味でもこのマシンから日本仕様となる市販車の真の姿が見えてきそうだ。

右ハンドル仕様となるニュル参戦マシン。シーケンシャルギアボックスを初採用している

■エンジンはスバル伝統のEJ20ターボ

搭載エンジンは熟成を重ねてきているEJ20ターボ。340ps/47.0kgmを発揮する

 搭載エンジンはスバル伝統の水平対向2LターボであるEJ20型エンジンが採用された。そのスペックは最高出力340ps、最大トルク47.0kgmを誇り、新たに6速シーケンシャルギアボックスを採用しているのもポイントだ。

 北米仕様の新型WRX STIには6速MTを採用しているが、辰巳氏によれば「欧州人ドライバーのふたりが慣れない右ハンドル仕様のマシンでこれまで戦ってきたので、その疲労と危険度を軽減するためにシーケンシャルを採用した」とのこと。

 A20直噴ターボのDITではなく、伝統のEJ20ターボが選ばれたのは、STIのニュルチャレンジがレースの勝敗を求められるだけでなく、レースでの成果を常に市販車に反映させることが求められるからだ。このため、歴代STI参戦マシンは可能なかぎり市販車のパワーユニットを使ってきた。

 辰巳氏も「EJは過去のエンジンと思われているかしれないが、そうではない。確かにFA/FB型は燃費もいいし、性能バランスもいい。しかし、今なおスバル最高のパフォーマンスを持つエンジンであるEJがレースにはベストだ」と語る。

WRX STI専用装備として先代からマルチモードDCCDを継続採用

マルチモードDCCDは路面状況やドライバーの好みでセンターデフの制御特性を選択可能

 ただし、ベースマシンが新型WRX STIに切り替わった今回、例年以上に技術的な制約があったという。

 STIパワーユニット技術部の森田順一氏によれば、「新型WRX STIのエンジンルームは新世代エンジンのFA/FB型に合わせて前後方向のスペースがこれまでのWRX STIに比べてコンパクトになっているんです。また、車体開発チームからレース車の重心をもっと下げたいという要望があり、吸排気系や補器関系を大きく変更しました。

 具体的にはインタークーラーを起こし気味に搭載してインマニを新設計し、エキマニの取り回しを一新しています。オイルパンも新設計にしたことでエンジン搭載位置を変えずに車高を下げることができました」とのこと。

 STIの場合、レースマシン開発は辰巳氏主導のもとでほとんどの作業が実施され、ドライバーはマシンが最終的に完成形に近づいた段階で調整に加わる珍しいスタイルを取る。

 これは辰巳氏がスバル時代に車両開発を担当した経験が大きいのだが、ふたりの日本人ドライバーの要望を把握していたこともその要因のひとつだそう。このため、まだ発売されていない市販車をベースにした短期間でのマシン開発が可能になったという。

市販車ももちろんシンメトリカルAWD採用

 さて、今回のシェイクダウンではいきなり昨年型の参戦マシンによるタイムを更新したそうだが、それだけに市販車の新型WRX STIのポテンシャルの高さを伺わせる。

 米国仕様では素のWRXが2L・DIT直噴ターボ(268ps/35.7kgm)、WRX STIがEJ25型2.5Lターボ(305ps/40.1kgm)を搭載するが、日本仕様はどうやらEJ20ターボを採用することになりそうだ。

 気になるエンジンスペックは、現行WRX STIが308ps/43.0kgmのEJ20ターボで、同Aラインが300ps/35.7kgmのEJ25ターボを搭載していることから、新型はSTIコンプリートカーであるS206と同等の320ps/44.0kgmを発揮するとみられる。

 発売時期はノーマルのWRX発売から遅れて今年8~9月頃で、予想価格は380万~400万円。大いに期待してその衝撃的なデビューを待ちたい!

富士に響き渡ったボクサーターボの咆哮! 期待の高まるWRX STIの市販車!

■BRZ tSは残り100台! 欲しい人は急げ!

エンジンチューンはないが、気持ちいい走りと操縦性が身上のBRZ tS

 昨年(2013年)8月19日に発売開始され、今年(2014年)3月9日までの500台限定となるSTI製コンプリートカー、BRZ tS。STIによると今年1月31日現在、残りの台数はジャスト100台となったことが判明した。欲しい人は今すぐにスバルディーラーに駆け込もう!

 ちなみにこの残り100台はすべて250台限定のGTパッケージとのこと。価格は6MT車が429万4500円、6AT車が437万3250円。

 BRZ tSはSTIのチューニングパーツを主に足回り中心に装着したモデルで、前後ダンパーや前後コイルスプリング、フレキシブルタワーバーにフレキシブルドロースティフナー、リアピロボールブッシュマウント、ブレンボ製17インチブレーキなどが組み込まれている。

 これに加え、GTパッケージ車はドライカーボン製リアスポイラーにレカロ製バケットシート、ブラック塗装18インチアルミホイールなどを装備する。

 単純なパワーアップではなく、サスペンションとボディの理想的なバランスを追求し、素のBRZが持つよさをSTIが最大限に引き出している走りの気持ちよさが身上のコンプリートカーに仕上げられている。今が手に入れるラストチャンス!

(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)

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文:ベストカーWeb ベストカーWeb
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