現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ブレーキパッドは何mmまでOK? 街乗りとサーキットで変わる摩耗基準~カスタムHOW TO~

ここから本文です

ブレーキパッドは何mmまでOK? 街乗りとサーキットで変わる摩耗基準~カスタムHOW TO~

掲載 28
ブレーキパッドは何mmまでOK? 街乗りとサーキットで変わる摩耗基準~カスタムHOW TO~

ブレーキパッドはどこまで使って良いのだろうか。一般的には残り数mmまで使って良いとされているが、それは街乗りに限った話だ。

スポーツ走行でサーキットを走ったりワインディングを走ったりするのであれば、その管理は危険だ。パッドは減るほどパフォーマンスが下がるので、ある程度のところで見極めて交換したい。

【画像全2枚】

◆街乗りとサーキットで異なる摩耗の考え方
ブレーキパッドはローターと摩擦することで制動力を発生させている。そのときにパッドも減り、ローターも摩耗していく。一般的にはパッドの方が先に摩耗し交換することになる。普通に街乗りをしている分には、3mm程度までは使っても構わない。そのあたりでパッドを交換しておきたい。しかしサーキット走行をするとなると、話は変わってくる。

◆サーキットは高温領域:対応温度と摩耗リスク
サーキット走行では、ブレーキパッドは非常に高温になる。ローター温度と呼ばれる、パッドと接しているローターの温度は普段乗りでは100~200度だ。峠道でも300度程度がよいところだが、サーキット走行となると600~700度にもなりかねない。ツインリンクもてぎのようなブレーキに厳しいコースの場合は、700度以上になってしまうことさえある。そうなるとブレーキパッドには多大な負荷がかかる。

ブレーキパッドは樹脂や繊維がメインで作られ、スポーツパッドではそれらに金属成分が加わる。金属成分が増えるほど、高温に対応しやすくなる。摩擦材の成分によって対応温度が変わり、ストリート寄りのパッドであれば0~500度程度まで対応できるものもある。サーキット専用モデルになると、ローター対応温度の下限が200~300度のものもあり、低温では使えない代わりに600~700度に対応できる。

この対応温度を逸脱すると、ブレーキパッドは異常摩耗を起こす。例えば、500度対応のパッドで600度超になると、効きが甘くなり同時にパッドはぐんぐん減る。逆にサーキット向けで200度以上で使えるパッドを街乗りで使うと、これもまたあっという間に摩耗してしまう。

◆交換タイミングの基準とコストを抑える運用
サーキット走行では、対応温度より高温になり、いつの間にか摩耗してしまうことがある。パッドによっては、対応温度を逸脱しても効きは何とか保つが、パッド自体が異常に摩耗する場合もある。こうしたリスクを考えると、サーキット走行をするなら新品から半分の厚みになったら交換したい。早めに感じるかもしれないが、ブレーキパッドは薄くなるほどそのパフォーマンスが低下するという特徴があるため、早めの交換をおすすめする。

ブレーキパッドが薄くなるほど、体積が小さくなる。同じブレーキ操作で同じ熱が発生しても、体積が小さいほどパッドの温度は上がりやすい。温度が上がるほど減りやすくなるため、サーキットで使っていて半分を切ってからは、体感で2倍以上の速さで減ることもある。だからこそ早めの交換がおすすめなのだ。ただし、コストがかかるのも事実だ。そこで、普段乗りではやや薄くなったパッドを使い、サーキットでは残量のあるパッドを使うという手もある。

また、同じ車種に乗る友人と薄くなってしまったパッドを交換し合い、それぞれのパッドのフィーリングを味見する方法も有効だ。ブレーキパッドは数万円と高価で、実際に買ってから馴染まないこともある。同じ車種の友人がいれば、自分の薄くなったパッドと友人の薄くなったパッドを交換して街乗りで効きを体感し、良さそうならそのパッドを新品で購入する。これがコストを抑えつつ最適解に近づく運用方法だ。

文:レスポンス 加茂新
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

マニュアル車が別物になる! クラッチ&フライホイール駆動系チューンで走りを激変させる方法~カスタムHOW TO~
マニュアル車が別物になる! クラッチ&フライホイール駆動系チューンで走りを激変させる方法~カスタムHOW TO~
レスポンス
エンジンルーム内の熱対策に効果! スバル『WRX STI』用冷却プレートをタナベが発売
エンジンルーム内の熱対策に効果! スバル『WRX STI』用冷却プレートをタナベが発売
レスポンス
ヒョンデの新型電動SUV『アイオニック9』、コンチネンタルの静音タイヤ「プレミアムコンタクトC」純正装着
ヒョンデの新型電動SUV『アイオニック9』、コンチネンタルの静音タイヤ「プレミアムコンタクトC」純正装着
レスポンス
車高アップは乗り心地が悪いは昔の話? TEINがクロスロードで証明した最適解~カスタムHOW TO特別編~
車高アップは乗り心地が悪いは昔の話? TEINがクロスロードで証明した最適解~カスタムHOW TO特別編~
レスポンス
昔の常識とは真逆!! 「ズルっ!」と滑った時の対処法 この時期の日影の濡れた路面に要注意
昔の常識とは真逆!! 「ズルっ!」と滑った時の対処法 この時期の日影の濡れた路面に要注意
ベストカーWeb
ブリヂストン、スポーツタイヤ「ポテンザ」新製品2種を刷新…サーキット向けと日常向け
ブリヂストン、スポーツタイヤ「ポテンザ」新製品2種を刷新…サーキット向けと日常向け
レスポンス
意外と知らない「クルマの消耗品の替え時」 小銭をケチって安全をケチらないで!!
意外と知らない「クルマの消耗品の替え時」 小銭をケチって安全をケチらないで!!
ベストカーWeb
『ランクル250』のボディ下部をガードし&ワイルドに演出! タナベが専用「スキッドプレート」発売
『ランクル250』のボディ下部をガードし&ワイルドに演出! タナベが専用「スキッドプレート」発売
レスポンス
トヨタ GR GT、「勝ちたい人に選ばれる」レーシングカー『GR GT3』も開発中…2027年頃発売へ
トヨタ GR GT、「勝ちたい人に選ばれる」レーシングカー『GR GT3』も開発中…2027年頃発売へ
レスポンス
あなたの走りに合うタイヤはどっち?ブリヂストン「ポテンザ」2モデル発売
あなたの走りに合うタイヤはどっち?ブリヂストン「ポテンザ」2モデル発売
グーネット
ロータスのハイパーEV『エメヤ』、443kWピーク充電で世界最速級の充電性能実証…電池の8割の充電を13分で
ロータスのハイパーEV『エメヤ』、443kWピーク充電で世界最速級の充電性能実証…電池の8割の充電を13分で
レスポンス
村田製作所、車載高速インターフェース向け1210サイズのチョークコイル開発…7.5GHz以上のノイズ低減
村田製作所、車載高速インターフェース向け1210サイズのチョークコイル開発…7.5GHz以上のノイズ低減
レスポンス
フェラーリ『プロサングエ』257台をリコール…走行中後席ドアが開くおそれ
フェラーリ『プロサングエ』257台をリコール…走行中後席ドアが開くおそれ
レスポンス
マウザーとYAGEO、自動車電動化向け受動部品の最新eBookを公開
マウザーとYAGEO、自動車電動化向け受動部品の最新eBookを公開
レスポンス
EVモーターズのマイクロバス85台をリコール…最悪の場合、制動力が低下
EVモーターズのマイクロバス85台をリコール…最悪の場合、制動力が低下
レスポンス
タイヤ脱着不要でブレーキパッド残量診断、専用カメラで見える化…アドヴィックスらが新サービス開発
タイヤ脱着不要でブレーキパッド残量診断、専用カメラで見える化…アドヴィックスらが新サービス開発
レスポンス
「カッコよさに痺れる」メルセデスベンツの新型スーパーカー『GT XX』に「マジで売ってくれるの!」と期待の声
「カッコよさに痺れる」メルセデスベンツの新型スーパーカー『GT XX』に「マジで売ってくれるの!」と期待の声
レスポンス
【クルマら部】クルマ愛クイズ!今回は「ホンダ・S660」に関する全4問!
【クルマら部】クルマ愛クイズ!今回は「ホンダ・S660」に関する全4問!
レスポンス

みんなのコメント

28件
  • tpg********
    コメは自分で触ったことない人ばっかりだね。
  • hid********
    交換を勧められるのは3mm以下位になってきたら。
    走らないより止まらない車は凶器と化すから、制動系のアドバイスは素直に受け取りましょう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村