Off1.jpにおいても、もっとも話題を集めているCT125ハンターカブが、市販予定車としていよいよその姿を現した。プリプロダクションとみられる完成度を、各部詳細とともに紹介していきたい。なお、発売の時期や価格も内定の模様だ。
Honda
CT125ハンターカブ
2020年6月発売予定・44万円前後(税込)予定
クロスカブ110が34万1000円(税込)だから、おおよそ10万円の差である。
まず目につくのが、コンセプトモデルとは作り込みが異なるアップマフラーだ。雰囲気をよせ、まさにCT110の現代版というべき形状。CC110のメッキカバーではなく、耐熱塗装と言うことになるだろうか。現実的な排ガス規制に対応する形状、あるいはタンデム前提の設計を加えた結果と思われる。
エキパイのガードは、触媒の大きさを加味したものになっているのだろう。
フロントブレーキは、1POTから2POTへ変更。コンセプトモデルはフォークのアクスルがブロックのセンターにあるが、製品版(仮)は前方のいわゆる「カブ式」。なお、コンセプトともにABSが装備されていることがわかる。ブレーキディスクのボルト数からいっても、フロントまわりはごっそり変更がかかっている。
同時発表されたC125のフロントブレーキは、これまでどおりの1POT。
コンセプトが発表された際に話題にあがったリアのディスクブレーキ(C125はドラム)は、市販予定車でも継続。タンデムステップが追加されている。
前後ブレーキともに、形状はモンキー125とほぼ同様だ。
ハンターカブの目とも言える、四角ウインカーはクリアレンズで登場。成型も変更されているように見える。コンセプトモデルは、3Dプリンターからの出力だと聞いているが、製品版ではある意味の「いなたさ」が残っていて、かわいらしい。なお、クロスカブ110とは異なり、オフロード用のワッフルグリップを装着している。
鉄タンクを化粧すること無く搭載するシート&タンクは、市販予定車でも健在。もなか合わせの部分を樹脂でガードしてあるのだろうか。より無骨さがあったコンセプトモデルを、洗練した形状だ。
CT110、コンセプトモデルにあったエアクリーナーの吸入口を兼ねたキャリアは、逆向きの写真が入手できず判別できない。アルミ製に変更されているように見える。
なお、今回の市販予定車にはキックペダルが装着済。本来セルだけで必要のないキックが装着されることは、ある意味オフロード、アドベンチャーに特化したことの象徴と言えるのかもしれない(CRFシリーズもセルオンリーになってしまった昨今ではあるのだが…)。
東京モーターサイクルショーにおける、コンセプトを見直す
「あくまでコンセプトモデルとして制作しております」本田技研工業株式会社の二輪事業本部ものづくりセンター、モデラーの鳥山英二氏は2019年のモーターサイクルショーで語っている。クロスカブに比べて、圧倒的にダートへの対応力があり、イメージだけではない本気度がビシビシ伝わってくる、このコンセプトモデルの真意はなんなのだろうか。
ロードクリアランスを確保したいが、シート高も低く設定したい
まず、鳥山氏が苦労した点としてあげるのは、車高だ。オフロードバイクとして、最低地上高を確保したいという命題があり、そこに対してベースのC125から長めのサスペンションを前後に取り付けた。当然、それではシート高が上がってしまう。
「バランスを抑えながら、昔のCT110の良さを取り入れたスタイリングを目指しております。リアタイヤの隙間が少し大きいのも、演出の一つですね」と鳥山氏。
少しわかりづらいが、市販予定車ではそこまでの足の長さは強調されていないのかもしれない。コンセプトモデルとして、オフロード車としてのスタイリングを追求できたものの、市販予定車では当然シート高などの条件クリアが必要になるからだ。
「既存のモデル、クロスカブはかなりシティよりの車体です。それに対して、CT125はトレイルを意識しています。ハンター、つまり狩猟はどうかと思いますが、釣りや、アウトドアの相棒的な感覚ですね。踏み混んだ自然に入れるものだと言えます」つまり、いわばイメージだけのSUVではなく、ジムニーのような「本当に走れるオフロードバイク」をコンセプトに掲げていたわけだ。
とにかく豪華だった、コンセプト
このCT125のために、3Dモデリングで起こしたLEDウィンカーをはじめ、とにかくこのコンセプトには「予算がかかりそうな」構成になっている。
前後輪に採用されたディスクブレーキは、さらにアップデートされて市販予定となった。前述したとおり、最終的にモンキー125のブレーキ周りを踏襲できたことが大きなアドバンテージになりそうだ。
ヘッドライトも、クロスカブに似ているけれど、実は専用設計だった。
いいところどり。現代的な解釈と、古き良き機構を取り入れる
旧CT110にも特徴的な、アップエアクリーナー。キャブから後ろに伸びて、キャリアがエアの吸い口になっている。これを、コンセプトにも取り入れた。たしかに、オフロード的と言えばオフロード的だが、実際この機能が活躍するような事態はなかなか想定しづらいものがある。
実は、サハリンや、オーストラリアなどの道が水没しがちな地域のSUVには、このエアダクトが「実用的に」ついている。CT110が活躍したオーストラリアで、実際にかなり有用だったのは想像に難くない。
過去のスタイリングや機構に敬意を払い、しかし現代風に解釈したLEDなどを盛り込んだ、コンセプトCT125。
このモデルが世の中に公表された時に、多く聞かれたのは「あまりによくできすぎていて、コンセプトモデルとは思えない。このまま発売されるにちがいない」という評判だ。バランスも良く、カスタムモデルの領域を遙かに超えている。だが、鳥山氏と話して感じたのは、モデル技術も3Dプリンターやモデリングで、相当な域まで現代では高められているのだと言うこと。ワンオフのパーツもプロダクトのように成型できる今となっては、もはやコンセプトモデルの「デキ」では何も判断できないものだった。
事実、鳥山氏は「このモデルの今後についてお話できることはありません」と2019年時点では言う。マーケットの反応は、ご存じの通り良好。これをもって、鳥山氏らが市販化への途をとりつけたことは言うまでもないだろう。
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