2018年11月の一部改良で、CX-5に6速MT車が追加されている。2.2Lディーゼルのみのラインアップだが、クロスオーバーSUVにMTは非常に珍しい設定である。さすがはマツダ。MT好き、MT信者は狂喜乱舞したはずだ。
CX-5にも負けない人気を博しているのが3列シートのCX-8だ。どうせならこちらにもMTを、と思うところだが? 設定しない理由をマツダ広報部に問い合わせると、「SUVでも他の車種と同様に『走る喜び』を追求し、CX-5にMT車を追加設定しました。2018年11月の追加設定以降のCX-5のMT販売比率は、約5%となっています。CX-8へのMT採用についても、お客様の要望に応じて検討してまいります」とのことだ。
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思ったほどMT比率が上がっていない、ということだろうか?(ちなみにCX-3は、同期間で約4.8%)。そもそも、CX-8は基本的に日本専売で始まったモデル。一方でCX-5は生まれながらにしてグローバルモデルであり、MTの設定が必須。だから、CX-5とCX-8は非常によく似てはいるがかけられるコストが違うのだ。よって、今後CX-5のMT比率が大幅に上がるといった状況にならないと、CX-8へのMT採用の可能性は低いと見ていい。
ちなみにCX-8の最新の改良は2019年10月23日に発表(発売は同年11月28日)。今回の改良では、魂動デザインを採用した上質かつ洗練されたエクステリアデザインはそのままに、多人数乗車でのドライブでの利便性や快適性を向上させている。装備面で注目したいのは2列目と3列目の快適装備の充実が図られたこと。具体的にはLパッケージの2列目ベンチシートにワンタッチウオークインスイッチが備わった。このスイッチは2列目座面横とシートバック背面に設けられており、3列目への乗車時、降車時ともにスイッチを押せばシートバックが自動で前方に倒れ、シートが前方にスライドするから乗り降りがしやすくなるというものだ。また、同じくLパッケージにはナッパレザー素材のウオークスルータイプのキャプテンシートが追加されている。
ウオークスルータイプのキャプテンシート車(25S除く)に、2列目用カップホルダー&充電用USB端子、一部グレードには同様に3列シート用USB端子が採用された。このほか、WVGAセンターディスプレイのサイズが7インチから8インチに大型化。また、電動スライドガラスサンルーフが上位グレードに標準装備されたこともトピック。細かな改良点として、ルーフ部に塗布型制振材を採用。雨粒がルーフをたたくことで発生する騒音を低減していることも見逃せない。
サブトランクボックスの奥行きを拡大して従来比で19L多い84Lと容量アップを図った(ボーズサウンドシステム搭載車は8L多い56L)。丸く畳めるサンシェードなどのアウトドアグッズが平置きできるサイズとなり、機内持ち込みサイズのスーツケースなら3列目を使用した状態でも4個積載可能になった。
トランスミッションは6速ATのみのままだが、パワートレーンは拡充。2.5Lガソリン車に4WDを、2.5Lガソリンターボ車にFFを追加設定することで、すべてのエンジンモデルでFFと4WDが選択可能になった。その4WD車には新開発の「オフロードトラクションコントロール」を新たに採用。悪路で想定外のスタック時にも4WDとトラクションコントロールシステム(TCS)の強調制御により接地輪への駆動力伝達を最大化して、悪路からのスムーズな脱出を実現。より安心感の増した走りを提供する。
そして今回の改良と同時に新グレード「XD プロアクティブ Sパッケージ」が追加された。ブラックのレザーシート(6人乗り/7人乗り)や運転席&助手席シートヒーター&シートベンチレーション機能、フレームレスの自動防眩ルームミラー、7インチマルチスピードメーター(TFTカラー)を装備する。
また、特別仕様車「エクスクルーシブモード」も設定。専用装備として、2列目キャプテンシートに電動スライドドア&リクライニング機構や、ベンチレーション機能、前述の電動ウオークイン機能、アームレスト付きコンソールが備わる。運転席や助手席だけでなく2列目の同乗者もくつろげる仕様となっている。
価格は294万8000(FF・2.5Lガソリン車)~489万600円(4WD・2.2Lディーゼル車)。
〈文=編集部〉
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