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ツッコミどころを含めて、見終わったら語りたくなる映画『F1/エフワン』いよいよ公開。唯一無二のド迫力をぜひIMAXシアターで

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ツッコミどころを含めて、見終わったら語りたくなる映画『F1/エフワン』いよいよ公開。唯一無二のド迫力をぜひIMAXシアターで

 F1、モータースポーツファンはもちろん、映画ファンからも大きな注目を浴びている6月27日公開の映画『F1/エフワン』。いよいよ今週末から全国劇場公開されますが、関係者さまのお力添えで編集部のミズノがいち早く鑑賞させて頂きましたので、割と正直な感想を少しだけお伝えさせて頂きます。

 何はともあれとにかくのこの映画、撮影前から期待感がハンパありません。F1と各チームが全面協力し、2023年から実際のレース現場で撮影が行われ、リアルなF1チームの年間予算を超える3億ドル(約432億円)の制作費をかけたとも言われ、『トップガン・マーベリック』の監督、製作、脚本スタッフが務め、ブラッド・ピットが主演となれば、ルイス・ハミルトンがプロデューサーとして関わっていることはひとまず置いておいて、ワクワク感が上がらないワケにはいきません。

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 ホントに? と疑いたくなるように、公開前からすでに『史上最高傑作のレース映画の』とも言われ、レースという枠を越えて話題となっている映画『F1/エフワン』。関係者さまのご協力により、公開前の試写会にご招待頂きました。レースをあまり知らない方にも、そしてレースファンの方にもできるだけ伝わるように、そしてレースを観ているプロとしての視点であまり小うるさくならないように、さらにネタバレにならない程度に踏み込んでよかった部分、そうではなかった部分をお伝えしたいと思います。

 F1に詳しくなくても、詳しくても、まずはどうしても触れておきたいのが、この映画の撮影規模感とリアル感。2023年から2024年にかけて、架空のF1チーム、APX GPとして実際のF1のレース現場、シルバーストン、ハンガリー、スパ、モンツァ、ザントフールト、鈴鹿、ラスベガス、アブダビ、メキシコシティなどで撮影を敢行。その意気込みは、確かに伝わりました。FIA F2のマシンを改良した撮影用マシンにブラッド・ピットが実際に乗っての走行シーン、そしてスピード感、タイヤのスキール音に音楽担当ハンス・ジマー得意の重低音と緊迫感溢れるリズム音などなど、とにかく走りの映像シーンに関しては、『ここを見せたいんだ』という手の込みようと製作陣の意気込みをヒリヒリと感じます。

 それは冒頭のデイトナ24時間のレースシーンから圧巻。カテゴリーがF1に変わってからも、オンボード映像やドローンをなどを駆使した俯瞰映像、CG感がわからず、どうやって撮影したのかわからないレースでのAPX GPマシンとリアルF1チームマシンのバトルシーンなど、とにかく『地上のトップガン』とも言われる迫力、リアル感、没入感はハンパない。鑑賞したのがIMAXレーザーGTの映画館だったことも重なり、このドキドキ感、緊迫感はなかなか体感できるものではありません。

 ついこの前、実際のF1第10戦カナダGPを深夜3時に小さなモニターで、家族の迷惑にならないように小さな音量で観戦していた身としては、「そうか、実際のF1中継もこれくらい大きなモニターで大音量で見れば、こんな風に見え方が変わるのかも」とも思わされるくらい、新たな視点でレースの迫力を堪能することができました。もうこのレースシーンを鑑賞するだけでも、チケット代の元は取れることは間違いありません。


⚫︎F1 のレースで近年起きたさまざまな事件を一挙にまとめようなダイジェスト感

 そしてレース内容、レース展開も、映画ということを差し引いても『まあ、こういうことは本当にあってもおかしくないな』というレベルでリアリティラインが確保されていています。映画の中のレース戦略もタイヤ選択やタイヤの摩耗、ピットタイミングをベースにしていて、現代F1の要素がしっかり凝縮されている。F1に詳しくない方に向けても、現代F1への入門映画として十分にオススメできる内容だと感じました。

 さらにF1ファンにとっても嬉しい内容として、ドライバーのトレーニング風景やファクトリー内部の様子(マクラーレンのファクトリーにて撮影された模様)、風洞による空力開発風景やシミュレーター施設、レースウイーク中のファクトリーでのオペレーションルームの模様など、F1チームの裏側がさまざまなところで散りばめられていて、レースファンの心をくすぐってくれること。2023年、2024年がベースだけれど、実際のドライバーやチーム関係者が絡んでくるところも嬉しくなります。  以上のように、この映画をオススメしたいポイントはしっかりあるので、良い部分だけを踏まえて映画を見たい方は、この原稿を読むのはここまでにして、すぐに映画館、特にIMAXのある映画館に向かって欲しい。

 そして、ここから先は、やはりレースを見続けているプロとして、そしていち映画ファンとして、『ん?』と思わされる、レース、そして映画のノイズとなる部分について、少し踏み込んでお伝えしたいので、聞きたくない方はこの先を読まずに映画館に向かってください。


⚫︎映画『F1/エフワン』で感じてしまったツッコミどころとキャラクター設定

 今回の映画『F1/エフワン』、前述の通りブラッド・ピットが冒頭のデイトナ24時間で戦うシーンから、F1に復帰してレースで戦うシーンまで、とにかくワクワク、ドキドキ感でアガりっぱなしだった一方、物語が進むにつれてツッコミどころが多くなっていく。

 ブラッド・ピットが演じるソニー・ヘイズのキャラクター設定は、フェルスタッペン的な傲慢さやペレス的自己犠牲、ライコネン的メディア対応にシューマッハー的ズルさ、セナ的神秘感などなど、F1ファンなら気づく要素に嬉しくなる反面、言い換えれば多重人格のように感じられて、イマイチ、ソニー・ヘイズそのものの存在に共感しずらかった。

 他にもキャラクターの背景としての要素もその効果がよく理解できず、ドラマ部分でいろいろ詰め込みすぎて、それらの要素や伏線がきちんと回収できていないように感じるのだ。いや、もしかしたら単純に自分がレースシーンに目を奪われすぎて、コース外の部分の読み込みが甘かっただけかもしれませんけどね。  そして、終盤のクライマックスに向けての展開がなかなか読み取りづらい……これはもう一度、映画館で確認しなければ……とまあ、他にもツッコミどころはありますが、とにかく細かいことは言わずにレースシーンを堪能するだけでも、十分にお金を払って映画館に行く価値のある作品であることは間違いありません。

 何度もしつこくてすみませんが、このド迫力はIMAXシアターにてぜひ、ご堪能してほしいですし、見終わった後、この映画についてのみなさまの感想をぜひ、お聞かせください。レースファンなら、いろいろ語りたくなることは間違いなしの映画ですので。

[オートスポーツweb 2025年06月26日]

文:AUTOSPORT web
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みんなのコメント

2件
  • tom********
    還暦を超えた爺さんがF1ドライバー復帰っていうリアリティのかけらもない設定
    ブラッドピットがいくら鍛えて、イケメンでも現実的にありえない
    あぶ刑事みたいなエンタメを目指してるならまだしも、リアリティを求めてそうな映画なのに
    まぁ、どうなるか見てみよう
  • ae9********
    読むだけ無駄で字数を稼ぐだけの提灯記事でした。
    車雑誌はいつの時代まで、この様な記事で雑誌を作っていくのだろう?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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