BYDは2025年12月1日に、日本市場初となるPHEVの「シーライオン6」を発売した。BYDはEV専用メーカーの印象もあるだろうが、実際は2008年に世界初となるPHEVを発売し、現在は90カ国の国と地域で販売し740万台の販売実績もある。そのBYDが日本でもPHEVの販売をしようと展開を始めたわけだ。
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そのトップバッターがシーライオン6 DM-iでデュアルモード・インテリジェントの語尾が示すように、ハイブリッドの制御がシリーズ式とパラレル式の両方を行ない、かつEV走行をメインにしたPHEVだ。これを日本では「スーパーハイブリッド」という呼称を使っている。ちなみにCHAdeMOの急速充電に対応している。
さて、このシーライオン6はBYDの海洋シリーズの中核モデルで、中国では2025年4月に発表し、グローバルDセグメントのクロスオーバーだ。セグメントは異なるもののアウトランダーPHEV、RAV4 PHEV、レクサスNX PHEVあたりがライバルになるだろうが、価格では圧倒的にBYDに有利だ。FWDモデルで398万2000円、このあと3月ごろに導入予定のAWDモデルでも448万8000円と圧倒的に安い。
ボディサイズは全長477mm、全幅1890mm、全高1670mm、ホイールベースは2765mmで、先行して販売しているEVのシーライオン7より、やや小ぶりなサイズになっている。ちなみにシーライオン8も存在し中国では「唐」の車名でもっとも大きいサイズとして存在している。
搭載するエンジンは1.5LのNA 直列4気筒エンジンで、PHEV専用に開発した「BYD476QC」型を搭載している。充電をメインに設計し圧縮比15.5の高圧縮に冷却EGRを投入したアトキンソンサイクル運転する高効率エンジンだ。このあと投入されるAWDには、このエンジンにターボを追加した「BYD472ZQB」型を搭載してくる。
車内ではSOCを任意に設定できるソフトウェアがあり、充電状況次第でエンジンの稼働率が変わってくる。例えば50%に設定するとバッテリー残量50%まではモータだけで走行するが、50%を切る残量になるとエンジンが稼働し充電をする。つまりシリーズ式となりモータ走行を継続する。また状況次第で、エンジンも使って走行するパラレル式にもなるのだ。このシリーズハイブリッドとパラレルハイブリッドは車両側で自動制御される仕組みで、どんな状況なのかドライバーは把握できない。
そしてEV走行は当然、静粛性が高く滑らかに走行するが、エンジンが稼働しても気づかないほど静かに走行する。遠くでブーンという回転音がしているレベルだ。さらに信号で停止するとバッテリー残量が指定の残量を下回っている時でもエンジンは停止するので、車内のシーンとした静粛性は維持される。そして動き出すとエンジンが稼働し、走行音に紛れてエンジンの存在が消える制御になっている。
このようにEV走行をメインに設計したPHEVで、ユーザーもICEからPHEV、そしてEVへとシフトしやすいモデルラインアップとしているわけだ。
走行フィールとしてはEVらしいレスポンスの良さやトルク感があり申し分ない。さらにエンジンの使い方も申し分なく、航続距離1000kmあるというのもうなずけるのだ。
さて、実際の試乗で気になるポイントをお伝えすると、まずステアリングに癖があること。標準状態でレーンキープやセンタリング機能があるので、そちらをオフにし、素の状態で走行するとステアリングを切るフィールと切り戻しのフィールが異なる。特に切り戻しでは、モータ制御されている感触が伝わってくる。これは直進しようという車両の意思として捉えられるものの、人の操作とは異なる動きで、かつて油圧パワーステアリングから電動パワーステアリングに切り替わる時代に、そのフィールの違いが課題となり、メーカーも作り込む制御をしていた時代とそっくりだ。
そしてブレーキのタッチも状況によって変わるのも気になる。おそらくバッテリー残量による影響と思われるが、ハイブリッド車が出始めた1990~2000年代に国産ハイブリッド車にもよくみられた現象だ。
そしてもっとも気になったのは直進の座りに落ち着きがないことだ。常にクルマが動いており、落ち着きがない。それをステアリングの制御で直進するようにしているため、ハンドルには常に抵抗感があり、勝手に動いている。
主には上記の3点が気になったポイントだが、いずれも制御の作り込みで解決できそうな気がする。ただ直進の座りの良さは入力エネルギーの流し方、いなし方なので素性として捉えるしかない。
インテリアでは15.6インチもあるモニターが目を惹く。もはやタブレットサイズを超え、ノートPCサイズの画面の大きさなので操作系に不自由はないのだが、階層構造やインターフェイスの課題は残り、指が迷子になることもしばしば。これもオーナーになれば慣れてしまうので、気になることではないかもしれないが、通常使わない機能を使う時は、やはり探すという行為が必要になる。
シートに関しても若干、物足りなさを感じていた。外観、インテリアのデザインは素晴らしく、高級感もあり、プレミアムブランドと競合するのではないかと感じてしまうだけに、シートの良さも求めたくなる。これは座面の角度と姿勢を保持するホールド感が少し薄い。ドイツ車やフランス車にあるシートの良さは感じられず、もうちょっとこうだったら、といいう感想になってしまった。
総合的に考えてみると、細かなことができていない印象は残るものの、それを気にするかどうか、という言い方もできる。なんといっても、Dセグメントサイズのクロスオーバーで、最先端の機能を持つモデルが400万円を切る価格。これが最大の魅力であり、できていないことと天秤にかけ、悩むことになる。
◆試乗車スペック
BYD SEALION 6
サイズ:全長4775mm×全幅1890mm×全高1670mm
ホイールベース:2765mm
駆動方式:FWD
最小回転半径:5.55m
バッテリー容量 18.3kWh
モータ出力 145kW
最大トルク 300Nm
1.5L 直列4気筒 NA
72kW(95ps)/6000rpm
122Nm/4000-4500rpm
Giti(ギティ) コントロール P10
タイヤサイズ:235/50-19(前後とも)
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BYDオートジャパン 公式サイト
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