現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > PUのトラブルが続くメルセデス。代表は問題を掌握していると主張、2026年の開発と並行して解決へ

ここから本文です

PUのトラブルが続くメルセデス。代表は問題を掌握していると主張、2026年の開発と並行して解決へ

掲載 3
PUのトラブルが続くメルセデス。代表は問題を掌握していると主張、2026年の開発と並行して解決へ

 メルセデスF1のチーム代表を務めるトト・ウォルフは、メルセデスのエンジンカスタマーに対し、ブリックスワースのハイパフォーマンス・パワートレインズ部門(HPP)が、F1のパワーユニット(PU)を含む最近の信頼性に関する一連の問題に懸命に取り組んでいることを保証した。

 メルセデスがF1第10戦カナダGPで表彰台のトップに返り咲いたことを喜ぶ一方で、カスタマーチームで一連の不具合が起きたことから、メルセデスのエンジンの安定性に対する懸念が浮上した。

3連戦で自信を失いかけたアントネッリ。キャリア初表彰台は「結果以上に大きな意味がある」【ルーキー・フォーカス】

 モントリオールにおけるジョージ・ラッセルの力強いポール・トゥ・ウインの走りは、チームに2025年シーズンのグランプリ初勝利をもたらした。さらに祝賀ムードを高めたのは、アンドレア・キミ・アントネッリがF1で初の3位表彰台を獲得したことだ。18歳の新人ドライバーにとっては大きな節目となった。

 しかし、メルセデスPU搭載車が複数のレースで早期にリタイアするなど、最近の技術的なトラブルについて人々は眉をひそめている。


■問題が続くメルセデスPU

 アントネッリは地元イモラでの第7戦エミリア・ロマーニャGPでリタイアを余儀なくされ、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)も第8戦モナコGPで同様の不具合でリタイアした。最近では、アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)がカナダGPで停止し、有望とみられていたレースをリタイアすることになった。

 これらの問題は、2026年のパワーユニットレギュレーションの準備にすでに取り組んでいるメルセデスHPPにとって、重要な局面で発生している。メルセデスは、2014年にV6ハイブリッド時代が始まって以来、歴史的に最も信頼性の高いパワートレインのひとつを提供してきたが、最近の一連の不具合によりその評判が損なわれる恐れがある。

 こうした苦境にもかかわらず、ウォルフはHPPのマネージングディレクターであるハイウェル・トーマスが率いるチームに全幅の信頼を寄せ、同部門が信頼性の懸念の解決に全力で取り組んでいることを保証した。

「ハイブリッド時代が始まって以来、我々のエンジンは申し分なく、非常に強力だ」とウォルフはモントリオールで語った。

「今年は最終年であり、すべてのことが来年に向けられている。ハイウェルと彼のチームは、我々が抱えている信頼性の問題を完全に把握している」


■2026年の開発と同時進行で問題解決へ

 2026年にはPU仕様の改正や電動化の強化など、大幅なレギュレーション変更が予定されており、メルセデスの開発の焦点は当然ながら今後のことにシフトしている。しかしながらウォルフは、この未来志向の戦略は現在の問題への対処を犠牲にするものではないことを強調した。

「何年もの期間を振り返ってみると、我々が経験した失敗は、統計的に非常にわずかなものだった。だから今、何が起こったのかを学ぶ必要がある」

「実際のところ、アレックス(アレクサンダー・アルボン)に何が起こったのかはわからない。確実に我々は理解して学ぶことになるだろう」

 ウォルフの発言は、メルセデスが長期的なエンジニアリング能力に自信を持ち、これらのトラブルを軽視していないことを明示している。

 メルセデスは2026年の新規則にもとづき、4チームにエンジンを供給する準備をしているが、信頼性の不安はすべてのカスタマーチームにとって最大の懸念事項となるだろう。冬の開発が急速に近づいており、HPPとブリックスワースのチームは、現在のエンジンの安定性を確保しながら次世代のパワーユニットを完成させるという、二重の課題に直面している。

 差し当たりウォルフの保証は、メルセデスの実績あるエンジニアリング力に対する信頼と、短期的な信頼性の問題で全体像を曇らせないという決意を反映している。

[オートスポーツweb 2025年06月23日]

文:AUTOSPORT web
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

怪しいほどカッコ良かった“日本初のメーター” 新技術ぎっしり革命車「ソアラ」なぜ人知れず消えてしまったのか?
怪しいほどカッコ良かった“日本初のメーター” 新技術ぎっしり革命車「ソアラ」なぜ人知れず消えてしまったのか?
乗りものニュース
スズキ、新型ストリートバイク『GSX-8T』『GSX-8TT』を発表。2025年夏から世界展開
スズキ、新型ストリートバイク『GSX-8T』『GSX-8TT』を発表。2025年夏から世界展開
AUTOSPORT web
1億円超え!? レクサス「和製スーパーカー」登場! “匠”手作りの「軽量純白ボディ」×「“天使の咆哮”V10エンジン」搭載! 次期型も期待の“超・特別モデル”「LFA」千葉で落札
1億円超え!? レクサス「和製スーパーカー」登場! “匠”手作りの「軽量純白ボディ」×「“天使の咆哮”V10エンジン」搭載! 次期型も期待の“超・特別モデル”「LFA」千葉で落札
くるまのニュース
ダイハツ「ソニカ」を インパクト抜群のシザースドア4枚仕様!映える軽カー界のマイナー車!?
ダイハツ「ソニカ」を インパクト抜群のシザースドア4枚仕様!映える軽カー界のマイナー車!?
Auto Messe Web
BMWの新しいレーシングカーはあえての直4! 「M2 Racing」が国内販売を開始
BMWの新しいレーシングカーはあえての直4! 「M2 Racing」が国内販売を開始
WEB CARTOP
苦境レッドブルはまだまだ諦めず。ホーナー代表「まだ2025年型のアップデートが残っている」と示唆。打倒マクラーレンなるか?
苦境レッドブルはまだまだ諦めず。ホーナー代表「まだ2025年型のアップデートが残っている」と示唆。打倒マクラーレンなるか?
motorsport.com 日本版
鈴鹿8耐にヤマハワークスチーム6年ぶりに復活参戦!赤と白のシンボルカラーをまとったYZF-R1で挑む
鈴鹿8耐にヤマハワークスチーム6年ぶりに復活参戦!赤と白のシンボルカラーをまとったYZF-R1で挑む
モーサイ
世界最速!? ランボルギーニのワンメイクレース「スーパートロフェオ」が富士で開催!「テメラリオ」へのスイッチは2027年度に決定
世界最速!? ランボルギーニのワンメイクレース「スーパートロフェオ」が富士で開催!「テメラリオ」へのスイッチは2027年度に決定
LEVOLANT
ガソリン・ハイブリッド軽自動車クラスNo.1低燃費を実現!! スズキが「アルト」の新型モデルを発売
ガソリン・ハイブリッド軽自動車クラスNo.1低燃費を実現!! スズキが「アルト」の新型モデルを発売
バイクのニュース
トヨタ、「グッドウッド2025」で世界最高峰マシンと水素燃料ハイパーカー披露へ
トヨタ、「グッドウッド2025」で世界最高峰マシンと水素燃料ハイパーカー披露へ
レスポンス
「絶対天才の所業」 銚子電鉄の“あまりに「凄まじい」102周年広告”にSNS騒然 ダサすぎて逆に「眩しい」!?
「絶対天才の所業」 銚子電鉄の“あまりに「凄まじい」102周年広告”にSNS騒然 ダサすぎて逆に「眩しい」!?
乗りものニュース
マクラーレン、ピアストリへの“厳しすぎる”ペナルティに納得せず。FIAとの対話を望む
マクラーレン、ピアストリへの“厳しすぎる”ペナルティに納得せず。FIAとの対話を望む
AUTOSPORT web
『ブルンC91』名プライベーターが手掛けた最初で最後のオリジナルCカー【忘れがたき銘車たち】
『ブルンC91』名プライベーターが手掛けた最初で最後のオリジナルCカー【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
「もうヘリで取り締まります!」交通警察が“本気モード”突入!「どんどん逮捕していきましょう!」「右車線から退かないのも取り締まって…」と反響殺到! 三重県警による「スカイアイ取締り」実施へ!
「もうヘリで取り締まります!」交通警察が“本気モード”突入!「どんどん逮捕していきましょう!」「右車線から退かないのも取り締まって…」と反響殺到! 三重県警による「スカイアイ取締り」実施へ!
くるまのニュース
『頭文字D』×ZIPPO! 拓海の名シーンが刻まれた「150個限定ライター」が大人心を燃やす!
『頭文字D』×ZIPPO! 拓海の名シーンが刻まれた「150個限定ライター」が大人心を燃やす!
ベストカーWeb
ハーレーダビッドソン【新型ブレイクアウト:価格345万1800円~/ローライダーST:価格322万800円~】7月3日より発売!
ハーレーダビッドソン【新型ブレイクアウト:価格345万1800円~/ローライダーST:価格322万800円~】7月3日より発売!
モーサイ
ル・マンで完敗のトヨタ。逆襲に向け求められるものはただひとつ……|英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記
ル・マンで完敗のトヨタ。逆襲に向け求められるものはただひとつ……|英国人ジャーナリスト”ジェイミー”の日本レース探訪記
motorsport.com 日本版
日本有数の「私鉄王国」揺らぐ 「富山地方鉄道」一部廃止案 乗ってわかった“ボトルネック”と代替ルート
日本有数の「私鉄王国」揺らぐ 「富山地方鉄道」一部廃止案 乗ってわかった“ボトルネック”と代替ルート
乗りものニュース

みんなのコメント

3件
  • aki********
    メルセデスPU搭載チームの飛躍と今回のメルセデスPUのトラブル多発に関連がありそうですね
    PUの信頼性名目に改良しパワー上げてきたとしか考えられませんね
  • go_********
    今年でこのPUは終わりだから、限界まで使ってるだけ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村