日本ではある用途のための装置などを備えた自動車を「特装車」と呼んでいます。トラックはたいがい特装車というわけです。しかも世界には、日本と同じだったり違ったりユニークだったりスゴかったり、いろんな特装車が存在します。
トラックマガジン「フルロード」では、そんな特装車を紹介する「世界の特装車」を絶賛連載中ですが、ベストカー読者の皆さまにもこの底なし沼の一端を味わっていただこうではありませんか!!!! 今回はとにかくデカくて長いヤツら8台をご紹介…!!!
デカっ! 長っ!!! それだけで心が躍る 世界のSUNGOIDEKAI特装車 8選
※本稿は2022年5月のものです。本文中「GVW」は「車両総重量」、「GCW」は「連結総重量」の略語です
文/緒方五郎(トラックに詳しいフリーライター)、写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
初出:『ベストカー』2022年6月10日号
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■3台連結も当たり前!!? 更なる大型化が進む大型トレーラの世界
大型トラック2台分の輸送力を備えたダブル連結トラックの運行が相次ぐ日本だが、海外ではより大型のトレーラの実用化が広がろうとしている。
アメリカやオーストラリアなどでは、以前から2台以上のトレーラを連結、GCW100t超という長大なコンビネーショントレーラ「ロードトレイン」が使われてきたが、欧州EUではこのロードトレインを参考に、セミトレーラ2台分の輸送力を持つHCT(ハイキャパシティトランスポート)の実用化を検討中だ。
北欧はすでに先行しており、フィンランドでは関連法規が整い、スウェーデンは2030年に実用化する目標を策定している。いずれも運転手不足とCO2削減に対応するためである。
【アメリカ】ユーティリティトレーラ 3000R冷凍バンセミトレーラ
まずは米国で一般的なセミトレーラを紹介しておこう。写真は大手メーカー、ユーティリティ社のGCW53t級のエアサス2軸冷凍バンセミトレーラで、サイズは全長16.15m×全幅2.6m×全高4.1m、最大積載量24.94tだ。
ユーティリティトレーラ 3000R冷凍バンセミトレーラ(アメリカ)
【オーストラリア】キャノントレーラ 家畜運搬トレーラ・Bトリプル
オーストラリアのロードトレインにはさまざまな形態がある。写真は二層式家畜運搬3軸セミトレーラ3台を、2軸コンバータドーリ2台で連結した「Bトレイン」である。
【オランダ】ブロシュイス・SP-Aローローダーコンビネーション
前方からメルセデスベンツ旧型アクトロス6×4ダンプ、3軸コンバータドーリ、中低床式3軸セミトレーラで構成されたコンビネーション。ブロシュイス・SP-Aとは最後尾の中低床セミトレーラだが、コンバータドーリを介することで、フルトレーラと同様の連結が可能となる。
【アメリカ】サーヴァブレンダーユニット
この物々しい5軸セミトレーラは、アメリカで油井掘削時に岩盤崩落を防ぐ薬液をブレンドするための装置を積載したもの。重さは不明だが、10×4セミトラクタからかなりの大重量とわかる。
【ベラルーシ】ヴォラート・MZKT-741351+MZKT-999421
ベラルーシ・MZKTの重量物運搬コンビネーション。812馬力エンジンを搭載する巨大な8×8トラクタ・ヴォラートMZKT-741351が、最大積載量76tの平床6軸セミトレーラ・MZKT-999421を牽いている。
【アメリカ】トレイルキングサイドダンプトレーラ(Aダブル)
車輪だらけのこのコンビネーションは、アメリカの特装車メーカーが開発したもの。前方からセミトラクタ8×4、6軸セミトレーラ、4軸コンバータドーリ、6軸セミトレーラの4台で構成され、「Aダブル」という連結形態である。トレーラには、側方へ土砂を排出するサイドダンプが架装されている。
トレイルキングサイドダンプトレーラ(Aダブル・アメリカ)
【スウェーデン】DUO2プロジェクト実証試験車「DUOキャット」
スウェーデンのHCT実証試験、DUO2プロジェクトの試験車で、ボルボFH6×2/4フルトラクタが2台の2軸センターアクスルトレーラを牽引する連結全長27.5mのコンビネーション。3台とも同国ラガブ社製のスワップボディ(水平脱着ボディ)システムを架装しており、一人で3台分運べる
【フィンランド】HCT実証試験車
フィンランドのHCT実証試験で開発されたメルセデスベンツ・アクトロス6×4セミトラクタ+3軸セミトレーラ+2軸コンバータドーリ+3軸セミトレーラのコンビネーションで、連結全長33.78m・GCW75tに及ぶ。
同国VAK社製のドライバン3軸セミトレーラ自体が特大で庫内容積は約220立方メートルもあり、連結全長25m車用トレーラよりさらに約35%大きい。
HCT実証試験車(フィンランド)
フィンランドでは2019年に「HCT関連法規」が施行され、最大連結全長34.5m・GCW76tのコンビネーショントレーラが正式に認可された。ダブル連結トラックは最大連結全長25m・GCW44tなので、その巨大さがわかる。
ただ、ここまで大型化すると、トレーラやコンバータドーリの新規開発と高馬力トラックが必要になり、普及へのハードルがかなり高くなるのも事実である。
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