キャリパーが上部についているモデルはクロカンに多い
ブレーキは大きく分けると、ディスクブレーキとドラムブレーキ(リーディングトレーリング)のふたつとなる。今回はディスクブレーキに焦点を当て、キャリパーについての疑問を紐解いていきたい。
【今さら聞けない】ブレーキを踏んだときの「キィー」という音の正体は?
ディスクブレーキはローターの脇にキャリパーが付いていて、内部のブレーキパッドが挟み込んでブレーキをかけるというシンプルな仕組み。ちなみにブレーキがシンプルなのはあえてそうしていて、複雑化するとそれだけトラブル発生の確率が高まるというのが理由だ。
注目したいのはキャリパーの位置。街中などで気にして見てみてほしいのだが、じつはクルマによって違うのだ。正確には上、前、後ろの3つだが、この違いはなんなのだろうか? 上についてはスズキ・ジムニーなどのクロカンに多く、これは泥や砂などができるだけ噛まないようにという理由なのはわかる。問題は前後でなにが違うのかということ。以前、ブレーキの開発者に聞いたところ、「冷却性などによってだと思う」という曖昧な答えしか返ってこなかった。確かに冷却性も関係しそうだが、クルマによって違うことは考えづらく、その理由だとすべてのクルマが前か後ろかどちらかに偏りそうだ。
ということで、ブレーキのことはブレーキの専門家に聞こう! ということで、曙ブレーキ工業に聞いてみたところ、カギは駆動方式にあった。
駆動方式によって装着位置を変えている!
「乗用車のキャリパーは片側単体で4~5kgぐらいあります。対向ピストンだともっと重く、いずれにしてもかなりの重量物となります。FFの場合はフロントのトラクションを少しでも稼ぐために、前側に装着します。一方のFRでは、リヤにトラクションが十分にあるので、重量物は車体の真ん中にできるだけ寄せるというセオリーに沿って、後ろ側に装着します。もちろん例外はありますが、さらにスーパーカーなどの走りを重視するクルマでは、重心位置だけでなく重心高にもこだわり、できるだけ下に付けたりもします」。
明解すぎるお答えで、一気にスッキリ。じつはもうひとつ気になっていた、スリット入りローターのスリットの向きがバラバラなことについても、続けて聞いてみることに。社外のスリット入りローターにするとき、どちら向きにすればいいのか困ってしまった人もいるのではないだろうか。
「まず、スリットを入れるとパッドがローターに吸い付く効果が増すので、制動力がアップするとされています。もちろん見た目の格好良さもあります。正回転では、制動力のアップに加えて、ブレーキダストの排出や放熱性が高まるとされています。逆回転では、スリットがパッド表面を削るので、制動力はさらにアップします。これをシェーピング効果とも言いますが、もちろんその分、パッドの寿命は短くなってしまいます」。
と、こちらもそれぞれにきちんとした理由があった。キャリパーの位置やスリットの向きなどに限らず、どんなクルマがどんな作りになっているかなども気にして見てみると面白いかもしれない。
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みんなのコメント
失礼です。
記事書いた人のモラルが低い。