■名称こそ違えども日々進歩する各社の「安全運転システム」
前車や歩行者との衝突防止をサポートする自動ブレーキや、誤発進の抑制など、近年ではクルマの安全支援システムは各段に向上されています。
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2010年のスバル「レガシィ」で採用された「アイサイト(ver.2)」を皮切りに、2012年にマツダ「アイ・アクティブセンス」、2014年にホンダ「ホンダ・センシング」、2015年にトヨタ「トヨタ・セーフティ・センス」、2016年に日産「インテリジェント・モビリティ」が登場し、現在ではそれぞれのメーカーが発売する新型車両に搭載されました。
名称こそ違えど、各社とも「ぶつからない」クルマの実現に向け、日々進歩を続けていますが、その中の機能の一つである「レーンキープ・アシスト」機能は、その名称のとおり、道路に引かれた白線や黄色線、点線などをフロントガラスに設置されたカメラで検知することで、クルマが車線からはみ出しそうになるのをサポートするシステムです。
仮にはみだしそうになった場合には、車線内へと戻るようにハンドルの動きをサポートすることで、長時間の移動時の疲労を軽減する効果があります。
■優れた安全支援システム「レーンキープ・アシスト」も過信は禁物
ドライバーの疲労を軽減してくれる「レーンキープ・アシスト」ですが、あくまでもその位置づけは「安全支援」であり、すべての条件で作動するものではありません。そこでこの機能が作動する条件や気を付けるべきシチュエーションについて、ホンダの広報に話を伺ってみました。
――「レーンキープ・アシスト」はどのような時に作動するシステムでしょうか?
「ホンダ・センシング」に備えられたLKAS(車線維持支援システム)は速度が65km以上で作動し、クルマが車線をはみ出しそうになるのを防ぎ、車線内へ戻すように支援するものです。
基本的には白線、黄色線、点線に反応しますが、カメラで読み取るため車線が薄くなっていたり影に隠れて見えない場合、曲がりのきついカーブなどでは作動しない場合があります。
――車線の上に雪が積もった場合、システムは作動しますか?
雪の降り始めなど、うっすらとつもった程度でしたら作動する可能性もありますが、確実にとは言いかねません。人間の目と同じく、見えないものには反応しませんので、激しい雨や霧、夜間などでは注意が必要です。あくまでも「安全支援技術」であることを知った上で、役立てて頂ければと思います。
■支援システムの機能にはやはり限界が
また、マツダの広報にも同様の質問を問いかけたところ以下のように話します。
「弊社のシステムでは世界で使用されている車線に反応するように研究されていますが、やはり車線が見えなくなるような降雪時や、霧などの悪天候時には反応しなくなるケースがあります。
このシステムは、あくまでもドライバーの安全運転を前提としたもので、事故被害や運転負荷の軽減を目的としています。したがって、各機能には限界がありますので過信せず、安全運転を心がけてください」
※ ※ ※
話を伺った2社以外でも同様に採用されているこのシステムは、基本的な内容こそは一緒ですが、使用可能な速度や、発動条件には若干の違いがあります。 年を追うごとに進化を続ける安全支援システムといえども、“絶対”ではありません。優れた機能に過信しすぎず、常に安全運転を心がけることが事故防止には必要があるでしょう。
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