走りは滑らか&静粛。そしてパワフル!
パワートレーンはガソリン車が姿を消し、全車eパワーとなった。直列3気筒1.2リッターエンジンで発電、モーターで走るという基本原理は従来モデルと共通。新型はすべてを第2世代にグレードアップした。
具体的なリファイン内容は、発電用エンジンの出力アップ&燃費向上、インバーターの小型化(40%)と軽量化(33%)、モーター出力向上109ps/254Nm→116ps/280Nm)、高剛性化やマウント類の最適化だ。
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実際に乗って、いい意味で「電動車感」がより強まったことを実感した。アクセルを踏んだときの応答性や力強さは、旧型譲り。そのうえで新型は「滑らかさ」と「静かさ」のレベルが断然違う。従来はEV走行時とエンジンが掛かったときの「静」と「動」のギャップが興ざめだった。
新型は巧みな充・発電制御(充電量に応じた発電制御や路面状況に応じた発電制御)もあって、普通に乗っている限りエンジンの存在はほとんど感じない。アクセル全開時にエンジンサウンドは聞こえてくるが、遠くで回っているようなイメージだった。音色に雑味がないのでノイジーと感じない。
絶対的な力強さもレベルアップした。スペック的には旧型の109ps/254Nmから116ps/280Nmとさほどではない。だが体感上は数値以上の差がある。パフォーマンスはクラストップレベルだ。
ドライブモードは3種。エコでも走りは俊敏
ドライブモードはエコ(デフォルト)/ノーマル/スポーツの3タイプ。エコは「これがノーマルでいいのでは?」と思うくらいのオールラウンダー。旧型のS(スマート)から変更されたスポーツはその名のとおり力強く元気いっぱい。個人的にはエコとスポーツの2モードで十分だと感じた。
ブレーキは、アクセルペダルだけでドライブできる1ペダルのeパワー・ドライブを継承。ただしアクセルOFFだけでは、完全停止できなくなった。代わりにクリープを追加。これはユーザーからのフィードバック(車庫入れなどで微速コントロールが難しいなど)を受けての変更だ。なお、eパワー・ドライブの減速Gは旧型と共通。強力さはそのままに、従来のカックンブレーキのような唐突な感じはなくなった。まるでベテランドライバーのような滑らかな制御が印象的だ。
最新プラットフォーム採用。運動性能大幅アップ!
プラットフォームは全面刷新。日産は「次世代小型車向けプラットフォーム」と呼ぶが、ルノーの新型ルーテシアや新型ジューク(日本未発売)が採用するCMF-Bだ。旧型のVプラットフォームに対し高強度・高剛性、遮音構造最適化による静粛性向上、さらに高性能・高剛性サスペンションや高剛性ステアリングの採用で、基本性能が大きく底上げされた。
実はパワートレーン以上に驚いたのはハンドリングだった。走り始めてすぐに、しっかりとしたステアリング系を実感。ステアリング剛性90%アップはダテではない。従来は操作感が軽い以外、目立った取り柄はなかった。新型は芯が1本通っている印象。しかも滑らかで高い直結感を感じる。まさに激変した。
フットワークは、ロールは深めだが操舵に対する応答性が高い。しかも、そこからのクルマの動きが滑らかで連続性がある。内輪を上手に使えていることなど、当たり前のことが当たり前にできるようになった。ハンドリングの正確性、車両の安定性、安心感は、ボディ/サスペンションを専用チューニングした旧型eパワー・NISMO・Sを大きく超える。タイヤはエコタイヤを履くが、通常走行ではそれを感じさせない。タイヤを変えるだけで、もっと走行性能はレベルアップするだろう。
乗り心地もいい。しなやかで、優しく心地いい。今回は比較的路面状況がいいコースでの試乗だったが、それでも突起乗り越え時のショックの少なさ、アタリの柔らかさなどを実感した。
最小回転半径は従来の5.2mから4.9mに短縮。ステアリング系のクイック化/操作力の低減も図られた。取り回しのよさはクラストップといえる。
先進安全装備も充実。プロパイロット(Xのみにオプション設定・44万2200円)は日産車初となるナビゲーション連携式にアップデート。地図情報からカーブやジャンクションの大きさを把握し、車速をコントロール。より確実、よりスムーズなステアリング支援が可能になった。上級モデルと同じ「360度セーフティ」を実現している点も魅力だ。
新型ノートは、ズバリ「やったぜ日産」〟という1台に仕上がっている。旧型は3年連続コンパクトカー販売台数No.1を獲得したが、新型はその記録を更新するかもしれない。このクラスの台風の目になることは間違いない。
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みんなのコメント
走りの骨格が違うヤリスやフィットと比べて高い…という意見もありますが、比べる相手はルノールーテシア、プジョー208、VWポロあたりなのでは?と思いました。
車も低空飛行