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レースで海外勢と互角に戦う事が定め! 日産「スカイラインGT-R(R32型)」伝説

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レースで海外勢と互角に戦う事が定め! 日産「スカイラインGT-R(R32型)」伝説

クルマ変革の時代にネオヒストリックカーを再確認!

 100年に一度と言われるクルマ変革の時代に業界は新たなスター発掘に頭を悩ませている。はたしてEVがその座を奪うのか、あるいは内燃機関が延命するのかと、横綱審議委員会なら市場が新旧交代劇に注目している。

【画像】日産スカイラインGT-R(R32型)の画像を見る(15枚)

 だが、そんな綱取り合戦にネコ騙しを喰らわすように、ネオヒストリックカーがたいそうな盛り上がりを見せているというからクルマ業界は不思議ですよね。

 そんな余勢を追い風に、新たに連載コラムをスタートさせます。題して「木下隆之のヒストリカルパレード」。そうです、ネオヒストリックカーとディズニーランドのエレクトリックパレードの合成語です、いわばダジャレですね。以後お見知り置きくださいね。

 というわけで、その陳腐なタイトルから想像できるように、ネオヒストリックカーを中心にお伝えしようというわけです。

 ネオヒストリックカーとは、大枠の意味で言えば「旧車」なのでしょうが、Neo(新しい)+Histric(歴史的な)の合成語から想像するとおり、定義するならば、「比較的新しい旧車」となるのでしょう。

 70年も100年も前の博物館に飾っておきたくなるような骨董品ではなく、いまでも実用に耐えられる線のギリギリのモデルが「ネオヒストリック」としてもてはやされているのです。

 その代表格が「日産スカイラインGT-R(R32型)」だと言っても差し支えはないと思います。記念すぺき連載スタートに登場願うにはどのクルマが相応しいかと議論した結果、編集部満場一致で推挙されたのが日産スカイラインGT-R(R32型)なのです。

 デビューは1989年ですから、自動車業界がまだバブル経済の余韻に浸っている時期に誕生しました。金余りの日本らしく、贅のかぎりを尽くした機構は当時のクルマ好きのハートを鷲掴みにしました。

 初代スカイラインGT-Rは1969年にデビューしています。日産が誇る伝統的スポーツカーとして君臨し、サーキットを席巻。49連勝という金字塔を打ち立てるなど、華やかな戦績を残したのですが、世界的な経済の沈静化、激しいオイルショックの荒波をモロに被り、1973年を最後に絶版者の道をたどりました。その伝説のスカイラインGT-Rが1989年に復活した。それが(R32型)というわけです。

 オイルショック経済で消え、バブル経済で再燃するのですから、日産スカイラインGT-Rがいかに華やかなモデルであったかが想像できますね。

 搭載するエンジンは、当時としては大排気量の直列6気筒2.6リッターでした。ターボチャージャーが2基も合体されていました。しかも、前後の駆動トルクを電子制御で可変するE-TSが組み込まれており、圧倒的な走行性能を披露したのです。

ツーリングカーレースでの勝利を目指したスカイラインGT-R

 スカイラインGT-R(R32型)は、レースでの必勝が期待されている日産開発陣の意地の具体でもありました。当時世界的に盛り上がりを見せていたツーリングカーレースでの勝利を目指して開発されたのです。

 それまで日本のマシンは、海外勢に劣勢を強いられていました。参加マシンのレギュレーションは、ノーマルの基本構成を大幅に変えることの許されないグループA規定で行われていました。つまり、市販車の性能がレースの戦闘力に直結します。そんな時代だというのに、日本には海外勢と互角に戦える実力を持った車両が存在しなかったらです。

 日産はそれでもスカイラインGTS-Rをサーキットに投入していましたが、戦闘力の差は明らかでした。ボルボ240やフェードシエラや、あるいはメルセデス190E2.3やBMW・M3といった走り自慢の海外勢の幸甚を浴びせられていました。それを苦々しく感じていた日産がグループAレースを有利に戦うためのスーパーマシンを開発、それがスカイラインGT-R(R32型)だったのです。

 スカイラインGT-R(R32型)は、日産の公約どおりに世界のサーキットを席巻しました。1990年の国内デビューで勝利するとそのまま無傷のまま連勝街道を突き進みます。スパ・フランコルシャンやニュルブルクリンクの24時間耐久レースに遠征しても圧倒的な速さで、それまで後塵を浴びせられてきた海外勢をコテンパンに駆逐したのです。いまでもネオヒストリックカーの人気モデルとして君臨しているのは、そんな栄光の歴史がキラキラと輝いているからですね。

 スカイラインGT-R(R32型)の最高出力は280馬力と数字の上では海外勢に劣っていましたが、それは日本国内の自主規制が280馬力と定められていたからです。

 ですが、グループAのレース改造規定の範囲内でチューニングすると、650馬力にスープアップすることが可能でした。それでも24時間を走り切ることが出来る耐久性も備えていたのです。ですから圧倒的にタフだったのです。いまでも現役でネオヒストリックカーの雄として君臨しているのは、そもそも作り込みがオーバークオリティだったからかもしれませんね。

 もはや中古車価格は高騰しており、程度のいい極上モデルは約1500万円を超えるプライスタグが付けられているようです。伝説の値段と考えれば、安価かもしれませんね。

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みんなのコメント

10件
  • マッハ男爵
    Rは互角に戦うために作ったクルマじゃないよ。
    必ず勝つために開発されたレーシングマシンの市販車版だよ。
  • エガちゃんねらー
    グループAで勝つ為に生まれ
    そのあまりにも圧倒的な戦闘力で
    結果グループAを消滅させる事になる
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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