電動化でパフォーマンスアップを見事に実現。一方で「アナログ回帰」の流れも
スーパーカーにおける「電動化」はパフォーマンスアップを意味する、否、意味しなければならない。フルバッテリー駆動はもちろん、ハイブリッドであってもだ。面白いことに、ハイブリッドにおける電気モーターはエンジンの魅力を引き上げる役割さえ果たすようになった。エンジンが不得手とする領域、つまり発進から低回転域までをモーターが巧みにカバーすることで、エンジンは得意な高回転領域に特化できるからだ。
【スーパーカー新時代】ランボルギーニ・テメラリオは「桁外れに勇敢」なV8+3モーターPHEV。最高許容回転数はなんと10000rpm!
その最たる例がランボルギーニの最新モデル、テメラリオだろう。このPHEVスーパーカーには完全自社設計(要するにアウディ・グループ内でランボルギーニが主導的に開発した)の新型4リッター・V8ツインターボが積まれた。それがなんと10000rpmまで許容する「ハイレヴ」エンジンなのだ。兄貴分のレヴエルトに積まれたV12ももちろん官能的だったが、テメラリオのV8はことによるとそれ以上に「楽しい」ユニットになるかもしれない。
ことほどさようにスーパーカーに限らず高性能モデルの分野では電気モーター+マルチシリンダーエンジンのPHEVが常識になりつつある。その圧倒的なトルク性能と味わい深いエンジンフィールの組み合わせを知ってしまうと、エンジン単体でのパフォーマンスが実に物足りなく思えてくる。それゆえスーパーカーの将来は、PHEV専用エンジンがいっそう進化して、エンジンの美味しいところだけを味わわせてくれるようになるに違いない。同時に、ICEV(内燃機関のみのクルマ)へはもはや戻れなくなったユーザーの中から、とくにエキセントリックな人たちをフル電動(BEV)の世界へと導いていく流れになるだろう。2020年代の後半戦はハイブリッドスーパーカー全盛の時代になる一方で、いよいよメジャーブランド、たとえばフェラーリやランボルギーニによるBEVモデルが、まずは彼らのラインアップではユーティリティ寄りとなるカテゴリーで導入される展開になる。
BEVは未来を先取りする感覚が必須。ハイパーカーは純エンジン+MT回帰の傾向
フェラーリやランボルギーニによるBEVモデルは、そのパフォーマンスの出し方において、現在一般的に存在する「フツウのBEV」とは大いに異なったものになるはずだ。スーパーカーというカテゴリーではつねに未来を先取りする技術が盛り込まれる。いってみればカテゴリーそのものがエクスペリメンタル。スーパーカーのBEVでは、ICEVを明確に上回るパフォーマンスとセンセーションが期待される(そうでないと買ってもらえない)。これまでにないドライブフィールが必須だ。「信じられない動き」をドライバーにコントロールしている、と思わせる制御技術がますます発展していくに違いない。
一方でさらに上のクラス、ハイパーカーカテゴリーでは「異変」も起きている。フル電動ハイパーカーの販売がさほど振るわない一方で、自然吸気エンジンやマニュアルトランスミッションへの回帰が見受けられ、リッチカスタマーから大いに支持されているのだ。
たとえばゴードン・マレー率いるGMAからリリースされたT.50やT.33といったハイパーカーには自然吸気の4リッター・V12ユニットが積まれ、多くのカスタマーが3ペダルマニュアルを選んでいる。パガーニも最新モデルのウトピアに3ペダルを設定した。MTは顧客からの要望が多く寄せられたために開発の途中で付け加えられた仕様で、オーダーの70%を占めている。
「運転する喜びの再発見」とでもいおうか。GMA T.50などは昨年半ばからデリバリーを始めたばかりだが、あまりのファン・トゥ・ドライブに多くの顧客が、ガレージに並べておくのではなく乗り回して楽しんでいる。1000km点検のようなイニシャルサービスが想定以上に早いタイミングで集中したという。
ICEとMTの組み合わせは、ごく少量生産で超高額なハイパーカーカテゴリーゆえに成立するのかもしれないが、果たしてメジャーブランドや通常のスーパーカーカテゴリーへの波及があるのか。楽しみにしつつ見守っていきたい。
パワートレーンやシャシー制御の向上に加えて、エアロダイナミクスやマテリアルの進化も著しい。これらすべての成果がパフォーマンスアップにつながるわけだが、同時にスーパーカーの価格上昇の要因にもなっている。とくにメジャーブランド、フェラーリやランボルギーニ、マクラーレンにおいてそれは顕著で、今後もニューモデルを中心にプライスアップは続く。彼らもまたハイパーカーカテゴリーにおいて確固たる地位を築いているが、その価格設定が上昇するたび通常のラインアップ領域におけるプライスタグも上がりがち。6億円のフェラーリF80が登場した今、通常モデルが6000万円スタートであっても安く感じる、というわけだろうか。
スーパーカーは夢のクルマである。所有し、乗り回すという夢を実現するため、何事にも頑張るという人が世界中に大勢いる。生きる原動力にもなっている。スーパーカー、そしてハイパーカーの鮮烈なデザインと圧倒的な性能、そして何よりもドライビングの喜び。3つの進化はまだまだ続く。
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