現在位置: carview! > ニュース > スポーツ > 謎のハーレー!? レインボーカラーのカフェレーサーの正体は? 公道ではなくまずサーキットへ

ここから本文です

謎のハーレー!? レインボーカラーのカフェレーサーの正体は? 公道ではなくまずサーキットへ

掲載 22
謎のハーレー!? レインボーカラーのカフェレーサーの正体は? 公道ではなくまずサーキットへ



レインボーカラーを身にまとった正体不明のカフェレーサーは、ハーレーダビッドソンX500だ! ウィズハーレー編集部では、X350に続くカスタムプロジェクト第2弾として、その兄貴分・X500も購入したのだ。

→【画像19枚】ウィズハーレー編集部、X350に続きX500も自腹で購入! サーキット走行用にカスタムスタート!

●文:青木タカオ(ウィズハーレー編集部) ●写真:淵本智信

X500購入後、即サーキットへ!

X500を購入して、初めて乗る場所に選んだのは筑波サーキット。目一杯、駆け抜けた!

ストレートでスロットルを全開にし、はばかることなくパラレルツインが限界を迎えるまで確かめ、コーナーではステップを路面に擦り付けるほど車体を寝かせ込み、運動性能を試してみる。

ウィズハーレー編集部では、X350に続き、X500でもカスタム/スポーツライディング/ツーリングをユーザー目線で思いきっり楽しみ、レポートしていく。

ハーレーの中ではまだまだ少数派で、「認めない」というアンチの声も耳にする。そんな中、仲間たちも少しずつ増え、情報交換し、ともにその異端児たちを満喫していくのだ。

X350でカスタムを進めていく作業は、お手本とする前例がほとんどなく、担当編集スタッフ・宮下は苦労することも少なくなったが、それだけにまた楽しみも大きかった。

これまで誌面でお伝えしてきた通り、編集部は夢中になってカスタムプロジェクトに邁進してきた。

しかし、やがて周囲に仲間がいないことに気づかされる。

そこで、2024年の『ブルースカイヘブン』にて、ウィズハーレーブースでは『X350/X500オーナーズミーティング』を初開催。「仲間が欲しい」という期待と「誰も来ないかもしれない…」という不安が入り交じる想いだったが、そこに現れてくれたのが、プライベートビルダー「抹茶いぬレーシング」のメンバーたちだった。

驚くことに、X350とX500を見事なまでにフルカスタム。セパレートハンドル/バックステップ/シングルシートカウルでカフェレーサースタイルに大化けさせていたのだ。

その高い完成度から、ブルスカの来場者たちも足をとめて食い入るように見ていたのが記憶に新しい。

その後、『ブルースカイミーティング名古屋』などでもウィズハーレーブースにて車両を展示。さらにサーキットではマシンのセットアップについてなど、さまざまなアドバイスをし続けてくれる頼もしい存在となっていった。

―― プライベートビルダーの「抹茶いぬレーシング」のメンバーたち。X350(写真右)やX500をカフェレーサースタイルにカスタムした。

そんな中、とあるオーナーがX500を手放すとの情報をキャッチ。間髪入れずに「買います!」と話を進めた。

これでX350とX500、ハーレーダビッドソンシリーズ2台が揃う。今まで通り宮下がX350を担当し、筆者アオキがX500に乗っていく。

’70年代にもあった、Vツインじゃないハーレー

少しずつ自分色に染めたいと考えたアオキ、まずはタンクグラフィックスをレンボーカラーにチェンジすることに決めた。

ハーレーダビッドソンの歴史を振り返れば、’70年代にはイタリア・アエルマッキ社を完全子会社化し、2ストロークエンジンを搭載した65~350ccのモデルを発売したこともある。

オフローダーやスクーターなど、現在のハーレーからは想像もつかないモデルたちが存在し、今やマニア垂涎のコレクターバイクとなっている。

そんな時代をオマージュしつつ、当時のハーレーがさまざまなモデルに採用したレインボーカラーで仕上げることにした。かつてアエルマッキハーレーが異端児扱いされたように、Xシリーズもまた現代における“変わり種”だからだ。

抹茶いぬレーシングのメンバーでX350オーナーである「ビューンデザイン」須田ジュン代表による制作で、完成するとどうだ。自画自賛したくなるほどよく似合うではないか!

このアグレシッブな前傾姿勢、まずはどこで走らせようかと考えたところ、安全にスポーツライディングが楽しめるサーキットが最適ではないかと考えた。

抹茶いぬはロードレースにも参戦するエキスパートライダーで、宮下もX350で走り込んでいる真っ最中。これを機に、将来的にはレース参戦も見据えた「ウィズハーレーレーシング」の発足となった。

しかしながら課題も見つかる

前後17インチで、倒立フォークやフロントにラジアルマウントキャリパーを備えるX500は、ノーマルであってもクルーザーを主体とするハーレーのラインナップの中では、スポーツ性能が比較的高い。

とはいえ、並列2気筒エンジンが持つスペックは最高出力47ps/8500rpmでしかなく、もちろん車体もサーキットレベルにはほど遠い。

実際に走行すると、マフラーのヒートカバー/汎用バックステップ/アンダーカウル/サイドスタンドの取付け部などが、旋回中に容赦なく路面を擦り、バンク角の足りなさに悩まされる。

次回の走行へ改善するべきポイントとして大きな課題となったのは、シフトリンケージのロッドを留めるピロボール部が路面に接地し、たびたび外れてシフトチェンジできなくなってしまうこと。

シェイクダウンとなったこの日は、20分の走行枠を3本走ったものの、2本は途中でピットインを余儀なくされてしまった。

X500筑波初走行動画はこちら

いいじゃないか、パラツインのハーレー!

それでも、初走行であることを考えれば100点満点。ピットには「面白そう」と大勢の仲間たちが集まってくれ、H-D正規ディーラーのスタッフからは「ミニサーキットにて、我々もX350/X500の走行会を企画してみたい」と、目を輝かせる姿も見られて嬉しいかぎり。

アメリカではバガーレースやスーパーフーリガンが盛況で、欧州でもレース活動を拡大していくハーレーダビッドソン。強く心惹かれるが、我々日本のユーザーが、ロードグライドなど大排気量モデルでそれを実践するのは、費用面などを考えてもハードルが高い。

しかし日本には、ハーレーでスポーツ走行を楽しむために格好のモデル、X350/X500があるではないか!

ハーレーダビッドソンの国内市場の勢いが増すためにも、僭越ながらこうした愉しみをユーザーならびに販売店へ提言したい。一緒に楽しむ仲間を大募集中だ!!

いったいナニ者!? ピットざわつく’70’Sスタイル

セパレートハンドルにシングルシートカウルのエクステリア。エンジンはパラレルツインと、まさに正体不明の状態で筑波サーキットのピットに持ち込まれたX500。

前後17インチの足まわり/前後サスペンション/マフラー/スイングアームなど、車体の基本構成となる部分はほとんどがノーマルだ。

燃料タンクからシングルシートカウルにかけて、AMFレインボーカラーを施した。ナンバープレート表示/反射板/ウインカー/ミラーなどを備え、車検にも適合。サーキット走行時はレギュレーションに適合させ、テーピングあるいはミラーなどを取り外したのはいうまでもない。

専用パーツがまだほとんどないX500。用いたパーツは、ほぼすべてが他機種用だ。セパハンは絞り角がキツいと感じ、走行ごとに取付け角を広げ、クリップ位置も上げていった。ライディングポジションに自由度が増し、身体の動きはスムーズに。

レインボーカラーは’70年代、ハーレーダビッドソンがさまざまなモデルに用いたタンクグラフィックスで、ファンらから今なお高い人気を誇っている。2018~21年のXL1200NS アイアン1200で復活したのが、記憶に新しい。

カフェレーサースタイルを決定づけている水平基調のシングルシートカウルの出来栄えは、秀逸としか言いようがない。抹茶いぬによりフレーム後半はシートレールが自作され、ビンテージ感も漂うワンオフシートがセットされた。

エキゾーストシステムおよびリヤサスペンションもノーマルのまま。旋回時にバンク角が稼げるアップマフラーや、ストロークに余裕のあるショックアブソーバーに交換したいと考えている。発売されれば、すぐにでも試したい。

Insta360 X4をハンドルまわりにセットし、走行シーンを動画で収められるようにしておく。

救世主現る! BABYFACEだ!!

スポーツスター乗りたちからも絶大な人気を誇るベビーフェイスのパフォーマンスステップキットに「X500」用が発売されている!

MotoGPやAMA、全日本選手権といった究極のフィールドでサポートライダーらが使ってテストし、意見を汲み上げ日々製品を進化させているだけのことはあって、最高の機能とクォリティ、そして秀逸なるデザインで世界中のライダーの心を掴んでいる。

―― ベビーフェイス パフォーマンスステップキット X500用 ¥60,500

製作には最新のマシンニングセンタを使用し、最高の精度で理想を形にしている。もちろん即購入!! べストなステップ位置に設定できるマルチポジションシステムが嬉しい!!

ステップポジション(参考数値) 1.75mm Back/30mm Up 2.87.5mm Back/30mm Up 3.90mm Back/42.5mm Up 4.102.5mm Back/42.5mm Up
1.75mm Back/30mm Up
2.87.5mm Back/30mm Up
3.90mm Back/42.5mm Up
4.102.5mm Back/42.5mm Up

ベビーフェイスのフレームスライダー(2万4750円)も製品化されていることを知り、すぐに備えた。軽度の転倒などによるフレーム取り付け付近の損傷をできるだけ防いでくれる。

仲間たちとサーキットを楽しんでいく!!

というわけでウィズハーレー編集部では、X350に続きX500も購入。目的のひとつはハーレーでスポーツライディングを楽しむことで、新しい仲間を増やしたいという願いに尽きる。

―― XL1200Xに乗るハーレー女子で、スポーツスターでサーキットも走るポポちゃん(写真右)や、マシンをつくった抹茶いぬ(写真左)らとサーキットを楽しむ。宮下が写真に写っていないのは、サーキット走行の練習に余念がないため。

◆XL1200Xに乗るハーレー女子で、スポーツスターでサーキットも走るポポちゃん(写真右)や、マシンをつくった抹茶いぬ(写真左)らとサーキットを楽しむ。宮下が写真に写っていないのは、サーキット走行の練習に余念がないため。

※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。

文:WEBヤングマシン ウィズハーレー編集部
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

日産のローランドがチャンピオンに輝く! キャシディが見事な逆転勝利|フォーミュラEベルリン
日産のローランドがチャンピオンに輝く! キャシディが見事な逆転勝利|フォーミュラEベルリン
motorsport.com 日本版
【速報】ニッサン&オリバー・ローランド、フォーミュラEで初のチャンピオンに輝く
【速報】ニッサン&オリバー・ローランド、フォーミュラEで初のチャンピオンに輝く
AUTOSPORT web
【衝撃】トランプ大統領納車3ヶ月で売却!? イーロン・マスクのために買ったテスラの今
【衝撃】トランプ大統領納車3ヶ月で売却!? イーロン・マスクのために買ったテスラの今
ベストカーWeb
ドイツで無敵のマルク・マルケス、独走で今季7勝目! 完走10台のサバイバルを兄弟ワンツー|MotoGPドイツGP決勝
ドイツで無敵のマルク・マルケス、独走で今季7勝目! 完走10台のサバイバルを兄弟ワンツー|MotoGPドイツGP決勝
motorsport.com 日本版
マルク・マルケスがザクセンリンク9勝を達成。復帰戦のマリーニが今季最高位の6位/第11戦ドイツGP
マルク・マルケスがザクセンリンク9勝を達成。復帰戦のマリーニが今季最高位の6位/第11戦ドイツGP
AUTOSPORT web
時代は電動ホットハッチ!? 存在感抜群のアイオニック5 Nめっちゃアリじゃね
時代は電動ホットハッチ!? 存在感抜群のアイオニック5 Nめっちゃアリじゃね
ベストカーWeb
米国で発見された「ナナハンキラー」 41年前の2スト・スポーツ メーター表示は2700キロの極上個体 ヤマハ「RZ350」の現在の価値とは
米国で発見された「ナナハンキラー」 41年前の2スト・スポーツ メーター表示は2700キロの極上個体 ヤマハ「RZ350」の現在の価値とは
VAGUE
自転車で走行せよ! レインボーブリッジ&東京ゲートブリッジ…レインボーライド2025 12月7日
自転車で走行せよ! レインボーブリッジ&東京ゲートブリッジ…レインボーライド2025 12月7日
レスポンス
ジャヌ東京・虎景軒で「町中華 at Hu Jing」がスタート──ホテルのハイ&ローに新機軸登場
ジャヌ東京・虎景軒で「町中華 at Hu Jing」がスタート──ホテルのハイ&ローに新機軸登場
GQ JAPAN
なにコレ!? 前輪が左右にグネグネ動く魔改造チャリ 奇妙な構造の「Yサイクル」とは?
なにコレ!? 前輪が左右にグネグネ動く魔改造チャリ 奇妙な構造の「Yサイクル」とは?
バイクのニュース
1000万円超え! ホンダ「“和製スーパーカー” NSX」登場! 全長4.4mサイズにパカッと開く「リトラライト」×高性能V6ユニット&5速MT搭載! 伝説の“34年落ちモデル”が豪で落札
1000万円超え! ホンダ「“和製スーパーカー” NSX」登場! 全長4.4mサイズにパカッと開く「リトラライト」×高性能V6ユニット&5速MT搭載! 伝説の“34年落ちモデル”が豪で落札
くるまのニュース
「スポーツカー=3ペダルのMT」はもう古い!? 進化した2ペダルのATを搭載した最新“国産スポーツカー”の魅力とは
「スポーツカー=3ペダルのMT」はもう古い!? 進化した2ペダルのATを搭載した最新“国産スポーツカー”の魅力とは
VAGUE
日本車巻き返しのチャンス!? 中国車の輸出が急減速か?
日本車巻き返しのチャンス!? 中国車の輸出が急減速か?
ベストカーWeb
トラックドライバーは仮眠のプロ! 一般ドライバーにも役立つ「トラックドライバー睡眠マニュアル」なるものが存在していた
トラックドライバーは仮眠のプロ! 一般ドライバーにも役立つ「トラックドライバー睡眠マニュアル」なるものが存在していた
WEB CARTOP
コラボものを筆頭に、独自のモードを表現するバレンシアガ──2025年夏のTシャツ&カットソーコレクション
コラボものを筆頭に、独自のモードを表現するバレンシアガ──2025年夏のTシャツ&カットソーコレクション
GQ JAPAN
バイクをガッチリとホールドするにはニー(膝)グリップだけじゃ物足りない!? 意外と重要な「ヒールグリップ」とは?
バイクをガッチリとホールドするにはニー(膝)グリップだけじゃ物足りない!? 意外と重要な「ヒールグリップ」とは?
バイクのニュース
転生したら「鉄道時刻表」だった件
転生したら「鉄道時刻表」だった件
Merkmal
東武東上線の謎! “北西”を走るのに、なぜ「東上」なのか?
東武東上線の謎! “北西”を走るのに、なぜ「東上」なのか?
Merkmal

みんなのコメント

22件
  • mos********
    新しいユーザー層を開拓したいなら、こんな中途半端な商品ではなく、新世代のビューエルを出せば良いのに。
    少なくとも私はそちらに魅力を感じますね。
  • tig********
    ハーレーは完全にマーケティングを誤ってる若しくは見失っている。

    先ず、一部のフラッグシップモデルを除いてアジア生産。だれが300万円出してUSA製ではなくアジア生産のハーレーを買うかと。
    次に、この後に及んで今更レインボー(多様性)推し。
    無骨で男臭さに憧れるライダーこそメインターゲットとすべきなのに、まるで逆行してる。

    これはね、終わりの始まりですよ。
    ソフティールデュースが出た頃には憧れもあったが、もはやハーレーという選択は無くなった。

    ごちゃごちゃしたダサいメーカーカスタム系なんぞ無くしてラインナップを整理し、定価が上がっても構わない、全車両made in USAに戻すべきだ。
    このままだとマジで潰れるぞ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村