ここ10年近く、日本のスポーツカーに対する世界的評価が高まり続けている。その代表的な存在がR34型GTRシリーズだ。特にコンディションの良い限定モデルは大分前から価格が上昇し続けていた。そんなR34型GT-Rの希少モデルがひとつのオークションに揃って登場し話題になった。そして結果はちょっと意外なものに…。
文:古賀貴司(自動車王国) 写真:ブロードアロー・オークションズ
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個性的な顔ぶれのR34型GT-Rがずらりと並んだオークション
2026年5月16~17日、イタリア・コモ湖畔のヴィラ・エルバを舞台に、世界最高峰のクラシックカー・コンクールのひとつ「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」が開催された。
その公式オークションパートナーを務めるブロードアロー・オークションズが、今回のセールに「アルティメットR34スカイラインGT-Rコレクション」と銘打った5台の日産スカイラインGT-R(R34型)を一挙出品した。
同一コレクションからこれだけの台数が同じオークションに並ぶことは極めて異例であり、開催前から世界中のJDMコレクターたちの注目を集めた。
出品された5台は、いずれもリザーブなし(最低落札価格設定なし)での出品という条件のもと、それぞれ強烈な個性を持つ車両ばかり。
1999年製ミッドナイトパープルII仕上げの1台は、ホサカチューニングファクトリーが手がけた2.8L化+700馬力超のチューンドカー。
2001年製M-スペック(シリカブラス)、2001年製V-スペックII NISMO Sチューン(全14台のうちの1台)、2002年製V-スペックII Nür(ミレニアムジェイド、156台のみ)、そして2002年製CRS by NISMO(全世界で20台未満)という顔ぶれが揃った。
全台とも、落札価格はまさかの結果に…
予想落札価格はCRS by NISMOが最高の70万ユーロ~85万ユーロ(約1億2950万円~約1億5725万円!)、最も安く見積もられた1999年製でも32.5万ユーロ~40万ユーロ(約6012万円~約7400万円)とされ、5台合計では300万ユーロ超(5億5000万円)に達するとも見込まれていた。
しかし、全5台はいずれも予想落札価格を大幅に下回った。
特に1999年製ミッドナイトパープルIIは32.5万ユーロ~40万ユーロ(約6012万円~約7400万円)という予想に対し、わずか17.25万ユーロ(約3200万円)での落札。
2002年製V-スペックII Nürは予想落札価格37.5万ユーロ~45万ユーロ(約6940万円~約8325万円)に対して20.7万ユーロ(約3840万円)、2001年製M-スペックは予想落札価格45万ユーロ~60万ユーロ(約8335万円~約1億1114万円)に対して25万875ユーロ(約4800万円)という結果だった。
NISMOチューンの2台でさえも期待には応えられなかった。
全14台という超希少な2001年製V-スペックII NISMO Sチューンは推定€50万~€70万(約9250万円~約1億2950万円)に対して41万125ユーロ(約7630万円)、そしてZ-チューンに次ぐ希少性を誇るCRS by NISMOでさえ70万~85万ユーロ((約1億2950万円~約1億5725万円)の予想落札価格に対して€46.75万(8670万円)での落札にとどまった。
今後のオークション価格にどう影響を及ぼすのか
5台合計の落札総額は€151.7万で、当初の楽観的な見込みの半分程度に終わった。もちろん、過去の相場を知っている身からすれば十二分以上に高額ではあるのだが、かなり“落ち着いた”雰囲気である。
この結果をどう読むべきか。今回の舞台は“高貴”なコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ、すなわちフェラーリやランボルギーニといったヨーロッパのスーパーカーを主役とするコンクールのオークションだ。
いわゆるJDMの主要購買層である、北米やアジアの熱狂的コレクターが競る場所ではなかったのだ。シンプルに言えば客層が異なる。
とはいえ、ヨーロッパにおけるスカイラインGT-R(R34型)のリアルな天井値が可視化されたのも事実だ。
今回の結果が今後、北米のオークション市場にどのような影響をおよぼすのかは要注目だろう。しつこいようだが、過去のスカイラインGT-R相場を知っている身からすれば…今は十二分以上に高額ではある…。
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