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セダンには、まだ復権のチャンスはある──新型レクサスES詳報

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セダンには、まだ復権のチャンスはある──新型レクサスES詳報

フルモデルチェンジを受けた新型レクサス「ES」に触れた、島下泰久の思いとは? 上海モーターショーからのリポートを綴る。

時代は変わった

セダンらしさの追求──新型レクサスES詳報

そもそもボディ剛性が高く、静粛性にも優れるのがセダンの美点。重心が低くなるので走りと乗り心地の両立もしやすい。

そのセダンの全高を上げたことで、別のメリットも生まれた。まずは乗り降りのしやすさ。腰を大きく屈めなくても横移動に近い感覚で乗り込める。また、アイポイントが高いので視界も良くなる。ハンディになるかと思わせた全高の高さを、むしろ活かしてセダンとしての価値を高めたのだ。

インテリアも、やはりスッキリとした中に先進感のある仕立てだ。メーターフードは異形液晶ディスプレイの採用により高さが抑えられ、中央には大型ディスプレイが置かれる。普段は隠れていながら手を近づけると浮かび上がるレスポンシブ・ヒドゥン・スイッチ、ドアトリムの面発光加飾など、目をひくハイテク装備も取り入れられている。

さらに中国向けには、助手席側の大型ディスプレイや、よりラグジュアリーな大型ヘッドレストも選択肢に加わる。千足チーフエンジニアはこう説明する。

「セダンには、まだ復権のチャンスはある、と、かねてから感じていて。その勝機は中国にあると思います。中国は今でもセダンの市場が強いですし、あとは中国でセダンという言葉が意味するのは、皇帝の乗り物『輿(こし)』なんです。フォーマルで由緒正しい。これがクルマの基本系だっていう価値観があるんです」

今、セダンを開発するのに、もっとも市場で支持される中国をメインに見据えるのは当然だ。但し、それは中国に迎合したクルマを作ることでも、日本や北米など他の市場を二の次にするという話でもない。千足チーフエンジニアは言う。

「世界に先駆けて新しいものをバンバン市場に入れて、ダメなものはすぐ淘汰される。中国市場とは、そういう環境です。私たちに求められるのは、中国で何が起きているかを常に研究して、レクサスが大切にしてきた価値観の中に、それをどう取り込んでいくか。何がなんでも新しいものをというのではなく、これは本当にお客様を豊かにするよねっていうものを、いち早くチャレンジして取り組んでいくっていうことなのかなと考えています」

スイッチ類は少ない方がカッコいい。でも、だからと言って全部画面でコントロールしようとすれば、却って使いにくくなる。レスポンシブ・ヒドゥン・スイッチは、そこから生まれた発想。イルミネーションもギラギラ輝くのではなく、レクサスとしては初採用のフレグランスも、香りにはどれも竹のトーンが採用されているといった具合で、新しさだけを求めるのではなく、結果としてレクサスならではの先進感に繋げている。

今はかつてないほどにグローバルで、同じような階層の人たちの価値観が近いところにある時代だろう。中国で受け入れられれば、日本でも北米でもユーザーに必ず響く。そう考えられるのが今ではないだろうか?

その答が出るのはもう少し、先になりそう。新型レクサスESの日本での発売は2026年春の予定だ。

文・島下泰久 編集・稲垣邦康(GQ)

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みんなのコメント

2件
  • *
    生き残れるチャンスはまだあるかも知れんが、復権はないだろ。
    ミニバン、SUVがなかった頃に戻ることなどあり得ない話。
  • obk********
    中国デザイン
    媚びてどうすんの
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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